インソース グループ営業統括室

「叱れない」ことで、部下も上司も成長機会を失っていませんか?今の時代に合った部下指導の考え方

「注意したいが、どう言えばいいかわからない」「厳しく言えばハラスメントと思われそうで怖い」

こうした不安から、伝えるべきことを飲み込み、抱え込んでしまう上司が増えています。

しかし、叱らないことは必ずしも優しさではありません。 伝えない選択は、部下の成長機会を奪い、結果として上司自身の信頼や組織の前進を止めてしまうのです。今の時代には、時代に合った「叱り方」へのアップデートが必要です。

本記事では、「部下を叱れない上司」が抱える構造的な課題を整理しながら、今の時代に求められる部下指導の考え方と、明日から実践できる具体的な向き合い方を解説します。

「部下を叱れない上司」が増えている3つの理由

部下指導が難しくなった背景には、上司個人の性格だけでは説明できない構造的な要因があります。

1.価値観の多様化

「背中を見て覚えろ」「失敗して学べ」といった従来の指導法が通用しにくくなり、上司自身の成功体験をそのまま当てはめることが難しくなっています。

2.ハラスメントへの意識の高まり

本来は必要な指導であっても、「どう受け取られるか」を気にしすぎるあまり、言うべきことまで控えてしまうケースが増えています。

3.指導の仕方を学ぶ機会の不足

管理職になっても、叱り方や伝え方を体系的に学ぶ場は多くありません。そういった機会が不足した結果、「叱る=感情的に怒ること」という誤解を抱えたまま、現場に立っている上司が多く存在しています。

今の時代に求められる「叱る」の考え方

多くの上司が「叱ること」に苦手意識を持つ理由は、叱る行為を「相手を否定すること」や「強い言葉で注意すること」だと捉えているからです。

しかし、今の時代に求められる叱り方は、かつてのような感情的で一方通行なものとはまったく異なります。感情ではなく、行動と未来にフォーカスするのです。叱るとは、過去を裁くことではなく、未来の行動を一緒に設計することと捉え直すことが重要なのです。

1.「何が悪かったか」ではなく「どこで判断がずれたか」を伝える

ありがちな叱り方は、「なぜこんなミスをしたんだ」「確認が足りない」といった、結果に対する指摘です。しかしこの伝え方では、部下は責められたと感じ、防御的になります。今の時代に求められるのは、判断ポイントに焦点を当てる叱り方です。

たとえば、「結果として遅れが出た」ではなく、「この時点で、どの情報をもとに判断したのか」「どこで確認を省いたのか」と、プロセスを一緒に振り返ります。

こうすることで、部下は「自分が否定された」のではなく、「仕事の進め方を見直す機会をもらった」と受け止めやすくなります。

2.叱る前に、上司自身が「評価軸」を言語化する

部下にとって最も困るのは、「何を基準に叱られているのかわからない」状態です。

そのため、叱る前に上司がやるべきことは、自分の中の評価軸を明確にすることです。

たとえば、

  • 納期はどこまでが許容範囲なのか
  • 確認不足は、どのレベルから問題になるのか
  • 個人判断で進めてよい範囲はどこまでか

これを曖昧なまま叱ると、部下は「その場の感情で怒られた」と感じてしまいます。逆に、「今回は、この基準を超えているから指摘している」と伝えられれば、叱責は個人攻撃ではなく、ルールの共有になります。

3.「ダメだ」と止めるだけでなく、代替行動を必ず示す

叱るときに最もやってはいけないのは、「これはダメだ」で終わらせることです。それでは、部下は次にどう動けばいいのかわかりません。今の時代に必要なのは、叱ることとセットで、次の行動を具体化することです。

たとえば、「確認が足りない」ではなく、「次回からは、提出前にこの3点を必ずチェックしよう」「迷ったら、このタイミングで一度声をかけてほしい」と伝えます。叱りながらも道筋を示すことで、部下は「責められた」ではなく、「成長を支援された」と感じます。

4.感情をぶつけず、「事実+影響」で伝える

ハラスメントと受け取られる指導の多くは、感情や評価語が前面に出ています。

「いつも詰めが甘い」「やる気が感じられない」こうした表現は、事実ではなく解釈であり、部下を萎縮させます。

今の時代に有効なのは、 「事実 → 影響 → 期待」という順番で伝えることです。

  • 「この数値が間違っていた(事実)」
  • 「その結果、修正に2日かかり、他の工程が止まった(影響)」
  • 「次は、この段階で一緒に確認したい(期待)」

この伝え方なら、指導は冷静で建設的なものになります。

5.叱ることは「信頼しているからこそ行う行為」だと伝える

最後に、最も大切なポイントがあります。それは、叱る理由を明確に言葉にすることです。「期待していなければ、何も言わない」「任せているからこそ、伝えている」この一言があるだけで、叱責は「拒絶」ではなく、「関わり」になります。

叱られた部下が前向きに受け止められるかどうかは、内容以上に、上司がどんな意図で伝えているかに左右されます。叱ることは、勇気のいる行為です。

しかし、伝えることから逃げ続けると、部下は成長の機会を失い、上司は信頼を失っていきます。今の時代に求められる叱り方とは、相手をコントロールするための言葉ではなく、未来の行動を共につくるための対話なのです。

この考え方を身につけることが、「叱れない上司」から「育てられる上司」へ変わる、最初の一歩になります。

上司が「叱れるようになる」と得られる効果

上司が目的を持って叱れるようになると、 部下は判断基準を理解し、上司は指示やフォローに追われなくなります。

その結果、部下は「確認すべきポイント」や「相談すべきタイミング」を自ら判断できるようになり、ミスの未然防止や主体的な行動が増えていきます。

同時に、上司は細かな修正や後始末に時間を取られることが減り、本来注力すべきマネジメントや意思決定に集中できるようになります。

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