インソース エッセンシャルワーカーサービス

外国人新人の不安と現場の受け入れ負担を減らす、教育コンテンツの整備

コンビニエンスストア、ファストフード店、ホテルでも、流ちょうな日本語でお仕事に取り組む外国人従業員の方が以前よりも圧倒的に増えてきたと感じます。接客や販売、バックヤード業務など、日々の店舗運営を支えるエッセンシャルワーカーとして、文字通りなくてはならない存在です。

しかし、文化や価値観の違いから、指示の伝え方や協働の仕方に難しさを感じることも少なくないとうかがいます。本コラムでは、外国人従業員と良好な関係を築き共に働くうえで意識すべきポイントを整理し、すぐに現場で実践するためにはどのような工夫が必要なのかをご紹介します。

外国人従業員とのコミュニケーションで意識すること

外国人従業員と協働する際、大切なのは「分かりやすく言葉にして伝える」ことです。

日本語に自信がないスタッフも多いため、指示を短い文章にすることや具体的な行動を示すことなどが効果的です。

指示や指導のポイント

  • 長い説明よりも、シンプルで端的な表現を使う
  • ジェスチャーや図示など、言葉以外の手段も併用する
  • 確認の際は「分かったかどうか」ではなく、「今から何をするか本人から説明してもらう」ことで理解度を確認する

言葉にしなくても分かってほしいというのは、指導する側の都合です。

指導をする人も指導を受ける人も気持ちよく仕事を進める・できるようになるには、双方の前向きな歩み寄りが不可欠といえます。

成長を支援する教育の仕組み

仕事に真剣に取り組みながら、もっとステップアップしたいと思っている外国人メンバーは多いもの。彼ら彼女らを店舗の主要メンバーへとスピーディに成長させるには、業務マニュアルの多言語化、ロールプレイング形式の接客の練習など、学びやすい環境を整えることも大切です。

商品・サービスマニュアル等を理解しやすい教材に改訂

既存のマニュアル資料・教育コンテンツは、社会人経験のある日本人であれば一度読めば何となく意図が伝わるものであるかもしれません。ですが、外国人や初めてその業界で働く人、アルバイト経験のない人にとっては、何度見てもよく分からないものになってしまっている可能性もあります。

資料の日本語文章の部分を対象者の第一言語に翻訳して紙媒体で渡すというのもひとつの策ではありますが、手順を言葉ではなく写真におさめてスライドで並べる、もしくは作業そのものを動画化して何度も視聴させるほうが、直感的に業務を理解してもらえます。それらの教材も、情報量をコントロールする、平易な言葉を使う、端的に表現するよう配慮します。

マニュアルを見ることそのものの心理的ハードルを下げるために、コンテンツをアニメーションなどでエンターテインメント化することなども効果的です。

「自分で進んで情報を得て学ぶ」ことを当たり前にするしかけ

誰しも新しいコミュニティに入る時は緊張するものです。仕事に就くまでに準備していてほしいことがこれだけある、と提示することで採用者の不安を低減できます。自組織で求められるふるまいなども、マインドセットを促すねらいでコンテンツ化するとよいでしょう。

これから担当する業務に必要なノウハウが教育プラットフォームに所属部署や職種ごとにまとまって格納され、困ったらいつでもだれでもそれらを参照できる文化がある組織は、入社後の受け入れ側(現場)の負担を小さくしやすいです。また直接指導にあたる現場担当者のレベルに左右されない、画一的な教育も可能にします。

おすすめしたい教育の仕組み例

  • 就業日までに目を通しておいてほしいマニュアルを一覧化して案内する
  • 動画再生時、第一言語の字幕が出るように設定できる
  • マニュアル内容をどの程度確認できたのかを確かめるテストを勤務日ごとに実施。不十分と判断した内容の動画コンテンツを再度視聴させる
  • 個人の携帯電話端末で自主勉強ができる
  • 入社から1カ月内に覚えてほしい業務マニュアルが5つある場合、期限内に確認テストに合格するとポイント付与などの楽しい仕掛けをつくる

多様性を尊重する職場づくり

エッセンシャルワークはチーム活動が必須です。外国人従業員のバックグラウンドを理解し、文化や習慣を尊重する姿勢が、働きやすさにつながります。たとえば、宗教上の理由で食事や勤務時間に配慮が必要な場合もあります。そうした事情をメンバーが把握し、尊重できる環境を整えることが、結果的に安定的な店舗運営や顧客の満足度向上につながります。

こういった取り組みは、障がいを持つメンバー、小さな子供を育てているメンバー、60歳以上のシニアメンバーとの協働においても効果を発揮します。

労働人口は減少する一方です。外国人従業員が長く勤められる職場は、日本人にとってももちろん「指示が明確で働きやすい現場」といえます。組織の維持・発展に、外国人従業員の視点で教育を考えるということも、ぜひご検討ください。

エッセンシャルワーカー向けサービス

「異なる現場で働き雇用形態も違うメンバーに、画一的な教育をするのが難しい」人材育成は配属現場に一任されることが多く、この指導者の負担が大きくなりがちです。

新人が一人でも得られる学びは「動画教育」、指導者が通常業務について業務の進め方やコツを体験させながら習得させた方が効果が高いものは「実地でOJT」など明確に仕分けして、これらを計画的に組み合わせていくことで現場が疲弊しない教育を実現しましょう。

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