「Z世代」を知る~次世代の多数派とどう関わり一緒に仕事をしていくか

「Z世代」を知る~次世代の多数派とどう関わり一緒に仕事をしていくか

新入社員が入社して、2ヶ月ほど経つと、徐々に職場にも慣れ、ご活躍されている頃かと思います。

インソースでは、今年の新人研修の総括として、「2022年度の新人の傾向」を発表しました。

「知識は豊富だが、実践・応用力に欠ける」という傾向がみられ、ステイホームの影響で良く勉強はしているが、人との接触機会が無い等リアルな経験が少ないためか、自分の考えを形にしたり、対面でコミュニケーションをしたりすることが苦手な方が見受けられた。

皆さまの職場の新人の方もこのような傾向がみられますでしょうか。
※2022年度新入社員の傾向「知識は豊富だが、実践・応用力に欠ける」 ~約2万8千名の新入社員の分析より

最近の若手の傾向について「これまでの若手とは違うなと感じる点が多い」「もう少し踏み込んで関わりたいが、どう接したらよいかわからない」というお悩みをよくうかがいます。

今回は、世界的にも注目されている「Z世代」という言葉について取り上げます。

いつの時代も若手と管理職世代にはギャップがあるものですが、Z世代は今までの若者と何が違うのでしょうか。インターネットの発達によって、若者はどう変わってしまったのか、管理職世代が過ごしてきた時代とは全く異なる環境で成長してきた「Z世代」と、どう協働していくかについて、解説いたします。

1.Z世代とは

Z世代とは、アメリカで生まれた世代別の呼び名のことで、X世代、Y世代(別名ミレニアル世代)、と続いた世代呼称です。1990年半ばから2010年頃までに生まれた世代と定義され、年齢にすると、2022年現在12歳くらいから27歳くらいまでの世代を指します。 組織の中では、新人・若手、また内定者がこの年代に当てはまります。

アメリカのZ世代は全人口の20%を占め、そのひとつ上のミレニアル世代を含めると、実に40%を占める勢力となります。これから先のグローバル・ボーダーレスな社会において、主要な顧客の層になっていく世代です。 海外ではこの世代に向けた商品・サービスが次々と新しい消費のトレンドを生み出しており、大きな変革をもたらす存在と認識されています。

私たちは、ただ新人や若手社員の動向を理解するだけでなく、これからの社会情勢をけん引する将来の顧客層としてZ世代を理解することが重要になってきます。

Z世代は、その特徴が日本を含む多くの国で同じような傾向を持っており、世界的な呼称となっています。

■世界的に同じような価値観を抱きがちなZ世代

インターネットの発達により、ここ30年ほどで誰もが社会の情報にアクセスできるようになりました。情報過多で環境が不安定な時代に成長したZ世代に見られる共通点は、以下の通りです。

<Z世代に見られる共通点>

・食糧問題や気候変動など、課題が世界規模である。深刻化する地球環境問題の影響を生涯にわたって受ける世代であり、地球環境問題に対してはどの世代よりもシビア

・生まれた時からインターネットがあり、コミュニケーション手段としてSNSを使うことが当たり前。世界中の情報にリアルタイムにアクセスできるため、地域による情報格差が以前より少ない

・人種差別や、性的暴力被害など、世界の基準で社会的な課題を考える視点が身についている

・パンデミックという世界共通の脅威を経験した

次の章では、こういった社会情勢のもとで成長したZ世代には、どんな特徴・志向性があるかをご説明します。

2.Z世代の特徴・志向性

Z世代には世界的に見て共通した特徴が見られますが、世界の中で比較すると、日本におけるZ世代には異なる特徴も見られます。主なものは以下の3点です。

①世界のあらゆる考え方に触れて、影響を受け、自分なりの判断基準を持っている
②日本のミレニアル・Z世代のキーワードはタイパとコスパ
③自由度の高い生き方・働き方を選ぶ傾向にある

①世界のあらゆる考え方に触れて、影響を受け、自分なりの判断基準を持っている

インターネットやSNSの発展により、世界に発信されるメッセージや、解決すべき課題が、リアルタイムで共有されるようになりました。気候変動や社会活動に対する姿勢など、問題・課題は国をまたいで共通するものであり、それぞれ世界的にその課題解決に向けた理想や主張が出されています。

SNSサービスには、同じ考え方を持った人とのつながりを促進する特性があるため、世界で「良い」と思われる理想や活動に共感すると、賛同し、発信したいという欲求が起こり、情報が拡散されていきます。

また、かつてのように、ニュース報道だけから情報を得ていた時代とは違います。彼ら・彼女らは、「いいね」が集まったものや、悪い評価(炎上)など、世界中の情報にリアルタイムに触れてきました。デマやフェイクニュースに冷めた視線を向けつつ、信用できるインフルエンサーの話や、データ分析の結果を支持するといったように、「何を基準に動くか」自分なりの判断軸を持って行動しています。

②日本のミレニアル・Z世代のキーワードはタイパとコスパ

アメリカのZ世代とひとつ前のミレニアル世代には、若くして起業した人材も多く、新しい経済の担い手であり、リーダーであるといったイメージがあります。 しかし、日本におけるZ世代には少々特徴があります。世界がパンデミックを経験する少し前、当時小学生・中学生だった頃に東日本大震災を経験した日本のZ世代は、安全神話が崩れ、社会的に閉塞感のある時代を生きてきました。少子高齢化によって深刻化する年金問題なども手伝って、アメリカではあまり見ない保守的なキャリア志向が顕著であることが日本のZ世代の特徴です。

ひとつ前のゆとり世代は、失敗を極力避け、最小努力で最大の効用を求めるコスパ(コストパフォーマンス)意識が高かったのに比べ、Z世代は時間を無駄にしないということが最優先であるタイパ(タイムパフォーマンス)志向であると言われています。 タイパを重視するZ世代は、効率よく知識を身につけようとします。学ぶためには経験が有効と説明すれば、動機を行動に結びつけることが可能です。

③自由度の高い生き方・働き方を選ぶ傾向にある

Z世代は、仕事もプライベートもバランスよく充実させるワークライフバランスが社会の常識であると認識しています。「よい仕事をしたい」という気持ちと同じくらい「楽しく、心地よく働きたい」人も少なくありません。

SNSをはじめとするインターネットサービスは、稼ぐ手段の選択肢を多様化し、個人が収益を得ることを可能にしました。クラウドファンディングなど、「いいね」や応援が集まることで何かを形にするなど、目的達成への道筋も多種多様になりました。

ひと昔前は、ある程度社会で実績を積み、会社という後ろ盾があって何かを成し遂げるという型しかありませんでしたが、今は学生であろうと、個人であろうと、収益化が可能な世の中です。個人で起業するハードルも下がってきており、「世の中には稼ぐ方法は色々ある」「社会参画の仕方は人それぞれ」という認識を持っているため、組織への忠誠心が低く見えることもあります。

組織の中にいても、フレックス勤務やテレワーク、副業などの働き方が広まっていることもあり、自由度の高い働き方を選ぶ傾向があります。若年層の労働者人口減少による売り手市場も後押しして、「合わない働き方を無理してまで続ける必要はない・居心地の良い働き方を選びたい」という意識が常に頭の中にあります。

また、Z世代にとって、共感できる組織であることは大きなポイントです。ブラック企業でない、コンプライアンス的にも正しい職場であることなどを求めます。また、不透明で公正さに欠ける評価・考課であると感じると、共感できず離れていくことがあるでしょう。

3.Z世代とどのように一緒に仕事をするか

ここまで、世界共通の時代背景と、それに影響を受けてきたZ世代の特徴を見てきました。ここからは、それをふまえて、どのように彼ら・彼女らと職場で関わり、一緒に仕事をしていくかを考えていきます。

①まずは信頼関係を構築しよう

世代間ギャップはいつの時代にもあるものですが、不用意な発言をして、相手のモチベーションを下げることは避けなければなりません。

パンデミック時代に学生生活を送ったZ世代は、人と触れ合う事の経験が絶対的に少ない中成長しています。リアリストで警戒心が強いZ世代は「この人は話が通じない」と感じると黙ってドアを閉めてしまいます。人と密接に関わる素晴らしさを知っている管理職世代の方から、働きかけ、関わろうと努力することが必要です。

一方、上司や先輩とのコミュニケーション自体を避けたがっているのかというと、必ずしもそうではなく、1対1面談に代表されるような、上司-部下間の腹を割っての話は、上司側以上に前向きに取り組む姿勢を示すことが多いといわれています。ここでも、発信することに躊躇しないZ世代らしさが出ていると言えます。

②タイパ・コスパはZ世代の特徴と思おう

Z世代は時間を無駄にしないということが最優先であるタイパ(タイムパフォーマンス)を重視する、と申し上げました。実業務でも「この方が効率良くないですか?」と意見してくるような場面があるかもしれません。 それに対し、「つべこべ言わずに言われたことをやればいいんだよ!」と意見を押し付けると、一気に信頼関係が崩れます。効率を重視し、コストパフォーマンスを考えることができることは、強みでもあります。頭ごなしに否定しないようにしましょう。 そのうえで、体験して欲しいこと、経験して欲しいことを伝え、その実践から気づきを促すようにすると効果的でしょう。

③働き方の好みを理解しよう

価値観の多様化が進み、働く目的・モチベーションもかつてのように一律ではありません。社会貢献に対する意識の高い部下、プライベートを重視して働きたい部下、とワークライフバランスの配分も様々です。 相手を勇気づけるために発した「これをやっておけば出世につながるぞ」「こっちの方が会社が儲かる」といった言葉で、モチベーションが削がれる部下もいます。 特に、有無を言わせず強制される"ノルマ"や、"これをやっておかないと大変なことになる"と脅すような働きかけには嫌悪感を抱きがちです。

仕事があるだけでありがたい時代を生きてきた管理職世代にとっては、「働き方の好みを主張するなんて考えられない」と感じる方も多いと存じますが、働く価値観はコロナ禍以降急速に変化しています。 部下が大事にしている価値基準を知り、自分と違っていてもいったんは受け止めることが、信頼関係を築く第一歩であると言えるでしょう。そのうえで、組織が求めるものをきちんと伝え、部下のキャリア志向とすり合わせていくと、お互いが納得して働ける土壌を築くことができます。

もちろん、立場や環境が変わったり、経験が増えると、キャリア志向やワークライフバランスが変わることもあります。その都度対話をしていきましょう。

④貢献感を感じさせよう

Z世代には自己承認欲求があるとも言われています。承認している・認めているとスタンプを押すわけにもいかず、言葉で伝えることはなかなか難しいものです。 しかし、承認欲求を満たす方法は他にもあります。

「自分はできる」という自己効力感があると、誰かに承認してもらえなくても自己を承認することができます。自身の働きが「チームの役にたっている・組織に貢献している」と感じられることは、自己効力感を高めます。少し難しい仕事に挑戦させ、成長を促すやり方が効果的です。組織の成果にもつながり、本人の承認欲求を満たすこともできる方法です。

⑤効率の良い学びで育てよう

世界中のリーダーの考えや、効率的な仕事のやり方をネットで知ることができるZ世代は、わざわざ根性論や精神論を聞くことに時間を割くことを良しとしません。タイパ重視のZ世代は、「わからなかったらあとでネットで調べればいいや」と考えがちです。 そのため、「わからないことがあっても聞いてくれない」「距離を感じる」とお悩みの方もいらっしゃるかもしれません。 しかし、自分のペースで学ぶことに長けているのはZ世代の長所でもあります。動画やオンラインで学べる環境を用意すれば、都合の良い時間に自分のペースで学びを深めることでしょう。 一方、実践が必要な業務に関しては、経験を振り返り、気づきを引き出す経験学習サイクルで上司・先輩が支援することが有効です。

⑥体験を共有しよう

消費傾向からZ世代を見ると、「保守的で実用主義」と評されるそうです。ブランドよりも本質を重視し、所有する必然性のないものについては、サブスクリプションサービスなどで代用するなど、合理性を重視し、柔軟に対応します。 一方で、商品コンセプトに共感できたり、応援につながったりするようなものに対しては、お金を惜しまないのもこの世代に特徴的な傾向です。

"働く"ということにおいても、自分が共感できる商品・サービス・上司や先輩と出会った時には自身のエネルギーを注ぐであろうことが想像できます。同じチームで良い体験を共有できれば、組織に対し、帰属意識を持つことにつながります。

4.まとめ

Z世代は多様性に対する受容性が高いと言われています。これは、裏を返せば「自分自身の多様性も認めて欲しい」という願望でもあります。 多様性が当たり前なので、Z世代とひとくくりにされることに強い拒否感を感じます。1人ひとりが違う人間であると認め、1人ひとりを尊重する個別対応の育成スタイルが求められます。 結果も出していないのに主張する姿勢に対し、違和感を感じる管理職世代の方も多いことと存じますが、多様な考えを持つ人たちが共存できる組織であることは、全ての世代にとって働きやすくなることを意味します。前向きに受け入れていけると良いですね。

自分とは違う、と切り捨ててしまうと分断が生まれます。異なる価値観を抱いていたとしても、お互いを認め合い、同じ時代の体験を共有することは可能です。Z世代と意見を交換することで生み出される新しい創造を楽しみに、お互いの力を併せてみてはいかがでしょうか。

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