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データ分析ツールを導入しても施策に繋がらない?5つの統計学の基礎で、データを「意味ある情報」に変える

「データ分析ツールとしてBIを導入したけれど、データを活用できていない」
そんな悩みを抱える企業が増えています。

その原因の多くは、統計学の理解不足です。ツールは便利ですが、あくまで「手段」です。 その前提となる「数字の意味」を理解していなければ、分析結果を読み解くことも、意思決定に活かすこともできません。

分析が空回りする理由~統計学の基礎がなぜ必要か

データ分析の現場では、「グラフは作れるけど、グラフのデータから次になにをすべきか分からない」という声が少なくありません。例えば、社内研修を実施して、満足度が平均80点だったとしても、ばらつき(標準偏差)が大きければ、真に満足度が高かったのか、実は判断できないというケースも多いのです。こうした誤解を防ぎ、データを「意味ある情報」として扱うためには、統計学の基礎が不可欠です。

たった5つ!データ分析ツールを使う前に理解すべき統計学の基礎

統計学の世界は広く、難解な数式も多いですが、実務で使うのはほんの一部です。まずは以下の5つを理解するだけで、データの見方が大きく変わります。

  1. 平均(Mean)
    複数の数値の中心を示す指標です。採用者の年齢や研修満足度など、全体像を把握するのに有効です。
  2. 分散・標準偏差(Variance/Standard Deviation)
    データのばらつきを示す指標です。例えば、満足度の平均が80点でも、ばらつきが大きい場合は、一部の極端に高い評価や低い評価が影響している可能性があります。
  3. 相関(Correlation)
    2つの変数の関係性を示します、例えば「研修参加回数」と「スキルの定着率」に相関があるかを調べることで、施策の有効性を検証できます。
  4. 回帰分析(Regression)
    ある変数が他の変数にどのような影響を与えるかを数式で表すものです。人事評価と給与の関係など、予測に使うことができます。
  5. 母集団とサンプル(Population/Sample)
    全体を代表する一部のデータ(サンプル)から、母集団の傾向を推測する考え方です。アンケート調査や統計分析の基礎として重要です。

これらは、Excelでも簡単に扱える指標です。ツールの使い方を覚える前に、まずはこの5つを理解することが実務で使えるデータ分析の近道となります。

統計学の基礎を学ぶ4つのステップ

統計学の基礎を学ぶ、おすすめの手順は以下の通りです。

STEP1:ビジネス統計の入門書を読む

数学的な書籍ではなく、ビジネス統計の入門書を読みます。「マンガでわかる統計学」など、図解やストーリー形式の書籍から始めると理解しやすいです。

STEP2:Excelで実践してみる

実際の業務データを使って、平均や相関を算出してみることで、理解が深まります。

STEP3:社内研修を活用する

統計学の基礎を扱う社内研修やeラーニングがあれば受講します。また、リーダーの立場であれば、チーム全体のスキル底上げを目的に研修を企画するのも有効です。

STEP4:データ分析ツールを操作する

STEP1~3を実施し、基礎が身についた後に、ツールを使うことで、より高度な分析が可能になります。

事例紹介~統計学で研修が変わった!スキル定着率15%改善の事例

ある企業では、研修後の満足度は高いものの、学んだスキルが業務に活かされないという課題がありました。

人事担当者が統計学を学び、研修満足度とスキル定着率の相関を分析したところ、「満足度が高くてもスキル定着率が低い研修」があることが判明しました。そこで、思いきって、定着率が低い研修を中止し、定着率の高い研修のケーススタディを増やすなど、「定着率」を中心に研修体系を再設計しました。結果、スキル定着率が15%改善し、意味のある研修に繋がりました。

このように、統計学は「なんとなく」から「根拠ある」改善へと導いてくれるのです。

じっくり学ぶ統計学研修~数字を活かす仕事術(1日間)

画像・写真

統計学の基礎を実務で活かすには、まずは使える知識を身につけることが重要です。

インソースでは、1日で統計学の基礎を習得できる研修をご用意しています。本研修では、データの基本的な性質やよく使われるグラフでの表現方法などを学びます。データ分析でよく使われる推測統計学についても詳しく解説し、複雑なデータ分析を将来行っていくための素地を作ります。

本研修のゴール

  1. データの特徴を表すための基本的な表現方法を理解する
  2. データの性質を理解したうえで、それぞれの意味を読み取ることができる
  3. 推測統計学の基本的な考えを理解し、どのような場面で活用できるかわかる

よくあるお悩み・ニーズ

  • データ分析・活用をするために、何をどこから始めたらいいのかわからない
  • 統計検定3~4級レベルの統計学の知識を身につけたい
  • 統計学をどんなことに活かせるのか知りたい

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セットでおすすめの研修・サービス

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例えば業務効率の改善や採用基準の見直しに向けて、社内に眠っているデータを活用できるようになります。

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