50代、文系。そんな私が、HTMLメールを書けるようになったことは以前お話したと思う。
生成AIに関しては、ソースコードの修正に時々活用していた。しかし、こと文章作成に関しては「生成AIなんて使えない」と思い込んでいた。というか、生成AIが文章を作れるようになってしまったら自分の仕事が脅かされると思っていたのだ。
しかし、ある日急に気づいた。よく考えてみると生成AIってすごい。日本語が通じるんだもの......!
今から35年前、私が社会人になった1990年頃は、DOSというオペレーティングシステムだった。無機質なグレーの画面に明滅する黄色いカーソルにプロンプトを打ち込む。フロッピーディスクの中身を確認したければ「dir」、ファイルをコピーしたければ「copy」などの決まった呪文(コマンド)を唱えなければコンピューターと意思疎通することは不可能だった。生成AIのすごいところは言語もコマンドも不要。日本語で、しかもくだけた言葉で会話できるのだ。これを使わない手はないのでは......?
生成AIなんて理系の人や若者のもの、と思っていたけれど、いざ触ってみると、これが意外と頼れる。今回は、50代文系の私が生成AIをどんな風に使っているのか、リアルな体験を聞いて欲しい。
私たち中高年世代は、悩みやわからない事は人に聞くしかなかった時代に育っている。調べるといってもせいぜい図書館。対面でのコミュニケーションが主体だったので、相手の表情を読んでトーンを変えたり、ニュアンスを読み取って聞き方を変えたりといったスキルを自然と身につけている。雑談・相談・対話の力はすでに持っているが、当たり前すぎてその力に気づいていない人も多いと思う。
中高年に対話力があると言える背景
1.作文に使う
まず一番助かっているのは「文章を整える」こと。メールやコラムの記事を書くとき、生成AIに「校正して」「300字に要約して」とお願いすると、スッと整った文章が出てくる。
私が良く使う言葉は以下の通り。
どれも、私が実際にAIに書き込んだ言葉。AIは「かしこまりました!」とすぐに代替案を考えてくれる。「文章にタイトルをつけるなら?」「5案出して」などなど、まさに"書く相棒"。
もちろん、事実確認は必要だし、意外とおバカなところもあるから最終的な原稿作成は私の仕事。しかし、ゼロから書くよりもAIが書いた文章を自分風にリライトする方が絶対早い。
「ワークショップと研修の違いをわかりやすく説明して」「表にまとめて」「Wordに貼り付けやすい形式で。罫線は一番細いもので」
――こんなお願いも、生成AIは次々と聞いてくれる。作ってもらった表はダウンロードしてワードやパワポに張り付けることもできる。
今まで、表形式で情報を伝えたいときは、自社のウェブ上にある表を画像として取り込んで使っていた。思ったような表がなかったり、一部を修正したかったりする場合はExcelで新たに作成していた。それを生成AIはものの五分で作ってくれる。
思い付きを投げかけるとすぐに作ってくれるので、どんどんアイデアが膨らんでくる。
あとはアウトプットされたものを工夫したり修正したりするだけ。思ったより時間はかからない。その修正だって生成AIに言えば秒で完成。
生成AIが作ってくれた表は、頼めば、HTMLソースにしてくれる。書いてもらったら右上の「コードをコピーする」をクリックするとエディターに張り付けられる
効率が良いだけでなく、手打ちによるミスを減らすこともできると良いことづくめだ。
何かを考えるとき、一人で悩んで煮詰まってしまうことがある。特に記事作成はゼロから作り上げる作業。生成AIは、構成を考えるところから手伝ってくれる。「書きたいけどまとまらない...」というときの強い味方になってくれる。
たとえば「なぜ物価高なのに富裕層が台頭してきたの?」と入力すると、時代背景などをまとめて教えてくれる。一人ブレスト相手として、アイデアの幅が広がる感覚。ライターは孤独な職業だけど、AIなら付き合ってくれるし、発想が広がっていくのがわかる。
私が良く使う言葉は以下の通り。
どれも厳しめで、無茶ブリも多いけれど、AIは「承知しました!」と言ってすぐに書いてくれる。ひとり編集会議をしているようなものだ。
時には役割を設定することもある。
とターゲットを設定することも有効だ。
「事例風にして」「インタビュー形式でサンプルを作ってみて」と、読者が読みやすい形式でアウトプットしてもらうことも多い。
生成AIって、なにも難しいものではなかった。話しかければ、ちゃんと返してくれる。考えを整理してくれる。煮詰まったときにそっと対話に乗ってくれる、優しい同僚みたいな存在。
以下はAIの答え
「もちろんです!」
「大丈夫ですよ!」
「お手伝いしましょうか?」
時には「本当に?なぜそう思うの?その根拠は?」と突っ込む私に対し
「鋭いですね!」「とても良い視点ですね」と返してくれたりする。
こんな会話が楽しくて仕方ない。ひょっとすると、「おしゃべり力」のある人ほど、生成AIと相性がいいのかもしれない。対話の最後には、相手は人間じゃないとわかってはいても「いつもありがとう、本当に助かったよ」と打ち込みたくなる自分がいる。
どころで、AIで生成される文章は正しい内容であるとは限らない。特にビジネスで使用する場合は人によるチェックが必要。あくまでも思考や情報の整理を手伝ってくれるアシスタントであるということは忘れないようにしたい。
実を言うとこの記事も生成AIに力を借りている。「中高年が生成AIに向いているって記事を書きたいんだよね。手伝ってくれる?」
■似たテーマ・関連テーマの記事一覧
更新
50代おしゃべりな私が生成AIを使ったら
~中高年の対話力でAIと仲良くなる
50代・文系・おしゃべりな私が生成AIを使いこなす理由とは?文章作成・表作成・アイデア出しなど、中高年だからこそ活かせる"対話力"でAIと仲良くなる活用術をリアル体験でご紹介します。
更新
新人がぶつかりやすい「4つの壁」
~新入社員の6か月間の成長ストーリー
新入社員がぶつかる「4つの壁」を、入社から6ヶ月間のストーリー形式でお伝えします。新人の抱く悩みをふまえ、上司・先輩が具体的にどんな言葉をかけたら克服につながるかを「先輩の言葉」としてご紹介いたします。実際に指導する際の声掛けやアドバイスの参考にしていただければ幸いです。
更新
インソースが考えるDX人材育成教育で社員をDX人材へ
WEB版ENERGYvol.04(2020年冬号)インソースが考えるDX人材育成教育で社員をDX人材へ|DXとは社内外のデータとデジタル技術を活用して、業務改善やビジネスモデルの変革をすることです。データはどれだけ使っても減らない資産であり、これを徹底的に活用することこそがDXです。つまり、できるだけ多くの社員がデータを使い倒せるようになることが肝要となります。
更新
キャリアデザイン研修を語る
インソースの「キャリアデザイン研修」の効果、特徴、演習(ロールプレイング)内容等について、研修制作者が語るページです。インソースの「キャリアデザイン研修」は、「そもそも『ワーク』の部分が充実しないと『ライフ』が充実しない」という考えをベースにしており、自分について改めて見直し、今後の生き方につなげていただく研修です。
更新
Microsoft365ではじめるDX
Outlook予定表のスケジュールアシスタント機能を利用すると、イベント開催日時の参加者の予定を一覧して、空いている時間を見つけられます。各人の予定にカーソルを合わせると、予定の詳細が確認できます。
更新
DX(デジタルトランスフォーメーション)を人材育成で実現する
DX(デジタルトランスフォーメーション)の注目度が高まっている今、本ページではDXの推進方法とDX人材を育成する方法を丁寧に解説いたします。また、株式会社インソースの事例や経営陣を含め、全社が取り組むべきDXの4つのステップをご紹介いたします。
更新
社員全体の教育基盤をLeafで構築~社内からでも社外からでも常に使い勝手の良いシステム【三菱UFJ信託銀行株式会社】
日本の信託銀行でリーディングカンパニーの1つとして、法人・個人を対象にした幅広い金融サービスを展開する三菱UFJ信託銀行株式会社。Leaf(リーフ)は同社の教育管理システムとして利用されており、今回は、人財育成・研修担当の設樂様にお話を伺いました。
更新
「仕事の標準化」で業務改善とリスク管理の両立
「仕事の標準化」を徹底することで、リスクは間違いなく軽減し、さらに業務改善にもつながります。標準化のためのキーワードは、「機械化」、「分業」、「集約」です。
更新
壁を乗り越える~年齢ごとの「壁」と向き合うには
コロナ禍は、多くの人に自分の仕事やキャリアについて考えるきっかけを与えました。今後はどうなるかわからない、果たしてこのままでよいのかという漠然とした不安が多くのビジネスパーソンの中に生まれました。キャリアを考えることの重要性が改めて認識された今、当社内ではキャリアや仕事を考えるうえでの悩み・不安を「壁」ととらえ、アンケートを実施しました。
更新
DX研修はインソースへ~インソースは「文系」のDX人材が多い会社です!その理由とは
昨今、デジタルトランスフォーメーション(DX)が組織経営に欠かせないものとして重要性を増しています。DXとはITとデータを活用した破壊的イノベーションのことを意味しています。AIが様々な分野で導入されつつある現代において、DXの重要性はさらに高まり続けるでしょう。それに比例するようにDXを実現できる人材が今以上に必要となります。
更新
ChatGPT研修を語る
IT研修やプログラミングに強いPython学院チームの政田と井村が、本研修が生まれた背景や特色についてたっぷりと語ります!
更新
キャリアプラトーを防ぐ~仕事の意欲・キャリアの停滞を生み出さないためには
キャリアプラトーとは、「今後のキャリアで現在以上のポストに昇進する可能性が低く、停滞状況にあること」を指します。本ページでは、キャリアプラトーのリスクを防ぐために、その概要を理解し、仕事の意欲・キャリアの停滞を生み出さない方法について考えます。
更新
離職防止のためのキャリア教育~若手がぶつかる「壁」に対応する
近年、企業組織におけるキャリア教育に注目が集まっています。キャリア教育が注目される背景とその重要性、離職防止との関係性についてまとめました。
更新
若手社員がぶつかりやすい「4つの壁」
~1年間の成長ストーリー
若手社員がぶつかる「4つの壁」を、1年間のストーリー形式でお伝えします。新人のころとは違う悩みに、上司・先輩が具体的にどんな言葉をかけたら克服につながるかを「先輩の言葉」としてご紹介いたします。実際に指導する際の声かけやアドバイスの参考にしていただければ幸いです。
更新
上手に手放す
インソース創業20周年企画として募集した、「壁を乗り越えた経験大賞エッセイ」。集まった135件の応募作品のなかから、みごと大賞を受賞した作品を発表いたします。
更新
リーダーとしての転換点
インソース創業20周年企画として募集した、「壁を乗り越えた経験大賞エッセイ」。集まった135件の応募作品のなかから、みごと大賞を受賞した作品を発表いたします。
更新
“積み上げる”だけじゃない?“幅を広げる”スキルアップのすすめ
長い社会人生活を通じて、育児や介護、自身の体調の変化など働くうえでの「壁」にぶつかる人は多く、また社会情勢の変化や技術革新により、職種転換を余儀なくされる可能性もあります。今と同じ働き方ができなくなっても、“次”の仕事がある状況にしておくには、あらゆる方向でスキルの“幅”を広げておくことが得策です。
更新
ジョブ・クラフティング
「ジョブ・クラフティング」を人事・労務の観点から解説します。ジョブ・クラフティング(jobcrafting)のcraftは「職人的な技能」、craftsmanshipは「職人芸」という意味です。つまり、ジョブ・クラフティングとは、自分の仕事に対して、自信とやりがい・こだわり、プロとしての責任を持ち、質の高い仕事を行うための意識の持ちようのことをいいます。
更新
持続可能な成長をするためのアンラーニング
~知識・スキル・ノウハウのアップデート
更新
壁を乗り越える研修シリーズを語る
◆対談者小林(WEB制作部門)矢野(テキスト作成部門)村上(テキスト作成...
下記情報を無料でGET!!
無料セミナー、新作研修、他社事例、公開講座割引、資料プレゼント、研修運営のコツ
※配信予定は、予告なく配信月や研修テーマを変更する場合がございます。ご了承ください。
配信をご希望の方は、個人情報保護の取り扱いをご覧ください。
無料セミナー、新作研修、他社事例、公開講座割引、資料プレゼント、研修運営のコツ
登録は左記QRコードから!
※配信予定は、予告なく配信月や研修テーマを変更する場合がございます。ご了承ください。
配信をご希望の方は、個人情報保護の取り扱いをご覧ください。