ビジネスマナーは相手と信頼関係を築く土台~仕事を円滑に進める3つのポイント

ビジネスマナーは相手と信頼関係を築く土台
~仕事を円滑に進める3つのポイント

新しい生活様式がすでに常態となり、私たちを取り巻くビジネス環境は大きく変化しました。

口元をマスクで覆い、伏し目がちに極力他者と接近を避けるスタイルは、これまで推奨されてきたビジネスマナーとは大きく異なります。 相手と距離を取るために声かけをあえて控えるなど、人との接し方も手探りの状態が続いています。社会的な変化に流され、誰しもが積極的なコミュニケーションを取ることを控えがちではないでしょうか。

このような中、十分な研修(教育)が受けられず、マナーに自信が持てない新人・若手が見受けられます。 また、新しく変わりつつある常識に合わせ、意識向上を求められる中堅層などにも、今の社会人にふさわしいビジネスマナーを全社的に見直したいというお問い合わせを数多くいただいております。

そこで本日は、ビジネスマナーの本質を再度お考えいただくとともに、対面でも非対面でも欠かせないビジネスマナーのポイントをご紹介いたします。 ビジネスマナーを見直す機会としてぜひお読みください。

1. 若手と中堅層以上のビジネスマナー ~その違いと対策

<若手のビジネスマナー>
若手世代はいつの時代も「ビジネスマナーがなっていない」「学生気分が抜けてない」と 言われがちです。一概にはいえませんが、その理由は2つ考えられます。

1. ビジネスシーンではどのようなことが非礼にあたるかを単純に"知らない"
2. ビジネスマナーの必要性を知らずに、勝手に不要と判断しそのプロセスを省略してしまう

若手は、何故ビジネスマナーが必要なのかといった意味やメリットを肚落ちさせると、柔軟に 行動変容しやすい世代です。加えて、近年の若手は学習意欲が高いため、敬語やビジ ネス文書の知識を学ぶことで自信に繋がります。

例:ビジネスマナーが身についていないために起こるデメリット

<敬語が話せない/身だしなみが不快な相手に対して人が抱く感情>
図々しいのかな?見下されているのかな?一般の常識を供えた人ではないのかもしれない......
 ↓
<不信感・軽く扱われたと感じる反発・組織全体へのイメージ低下>
一緒に仕事をしたくない・関係構築したくない
 ↓
<デメリット>
商談に持ち込めない・仕事を円滑に進められない可能性がある

ビジネスシーンにおいて、特に初対面の相手に対しては不安や警戒心を抱きやすいもの です。礼をつくした所作によって相手の警戒心を下げ、話を聴く気持ちになってもらう ことが大事です。不安が解消されず、信頼関係を構築できないと、その後で挽回する ことが難しく、コミュニケーション不足に陥りがちです。

<中堅層以上のビジネスマナー>
一方、ベテランと呼ばれる中堅層以上の世代の中には、ビジネスマナーの意味や意義を "わかっている"のに、行動が伴わない場合があります。慣れや我流でそのままになって しまっており、正しい所作を習慣化することが難しい世代といえます。

この世代には、「常識が変わりつつある」ということを納得してもらう必要があります。携帯 電話の使い方やコンプライアンスの捉え方など、昨今のビジネスシーンでの認識が大きく 変わってきています。最新の常識・常態をキャッチアップしつつ、マナーの意義を再確認 してもらうことが狙いです。

中堅層以上の世代には、基本のビジネスマナーを再度習得するだけでなく、「心情理解」 「共感」「配慮」といった一歩進んだビジネスマナーを実践し、組織の顔として活躍いた だくことが求められます。組織の規範となるマナーを上司・先輩が体現することで、 若手世代にも良い影響を及ぼします。

2. 非対面でも顕著に表れるビジネスマナー3つのポイント

ビジネスマナーは相手を不快にさせないことが原則です。目から入る情報(視覚)、 電話など耳から入る情報(聴覚)の両面から気分を害すると、その後の コミュニケーションに支障をきたすことがあります。多様な働き方が見直された今、 リモートでコミュニケーションする機会も増えております。 今回は特に、対面、非対面どちらにも求められる基本のビジネスマナー3点に絞ってご説明します。

(1)第一印象で失敗しないための雰囲気づくり
(2)流れをつかんで確実に対応する電話応対
(3)職場内でも不可欠な正しい敬語と伝え方

以上3点は電話やオンラインといったツール、メールやチャットといった文書で 関係を構築する際にも、特に重要視されるビジネスマナーです。

(1)第一印象で失敗しないための雰囲気づくり

人は、情報を発信する人の印象を直感的に判断します。印象とは、身だしなみや 表情といった「視覚」に訴えるものと、声のトーンや語尾などの「聴覚」に訴えるもの があります。

【第一印象で気になる順番】

第一印象(見た目)には、雰囲気全てが含まれます。
・立ち居振る舞い
・マスク越しでも笑みが伝わるか(無表情になっていないか)
・あいさつに敬意があるか
・あいさつは明るいか
・姿勢はいいか(猫背、ひじつき) など

明るく自信にあふれた様子を演出することで、「お客さまに安心していただく」 ことが目的です。マスクをとった笑顔の写真があれば、オンライン名刺などで 活用すると、会話が広がり初めて会う方にも安心していただけます。

(2)流れをつかんで確実に対応する電話応対

リモートワークや非対面での会議や打合せが増加し、移動時間をかけず効率よく 営業できるインサイドセールスも拡充しています。しかし、固定電話を使用した り、ビジネス電話応対の経験がないため電話応対に苦手意識がある若手世代も 少なくありません。正しい電話応対ができる人材を多く育てることは組織に とって大きな課題となります。

感じが良い応対に加えて、相手の意図を捉えて簡潔に話ができることは、相手の 時間に対して配慮ができているという意味でビジネスマナーと言えるでしょう。 流れをつかんで確実に対応することが求められます。

■正確に応対する
・正しい発音、聞きとれる声で話す
・語尾をはっきりと言い、早口でまくしたてない
・メモをとりながら聞き、復唱して確認する

■迅速に応対する
電話では音声だけが頼りです。待ち時間は実時間よりも長く感じることを忘れず に、電話を取り次ぐ相手に情報を確実にパスする流れを理解しましょう。

例:取り次ぐ相手が不在の場合
・情報提供
 (当日中に戻る予定の場合)「14時頃には戻る予定でございます。」
・相手の意向を伺う
 「戻りましたらお電話を差し上げるようにいたしましょうか。」

電話をかけてきた方がどうしたいのか、意図をくみ取り、流れを瞬時に判断してお応えします。
・折り返す提案
「かしこまりました。××が戻りましたらお電話差し上げるよう申し伝えます。」
・伝言を残す提案
「××が戻りましたら、□□の※※さまからお電話をいただきましたことを申し伝えます」

(3)職場内でも不可欠な正しい敬語と伝え方を身につける

社会人にふさわしい敬語を使うことは、社外のお客さまだけでなく、職場内の業務を円滑に 進めるためにも必要です。新年会や歓迎会といった飲食を伴う懇親会が開催できない今、 社員・職員同士の距離を縮めるためには、普段からの相手を不快にさせない心遣い・言葉 遣いで確実にコミュニケーションをとることが必要です。

■相手の時間を奪わないよう伝え方に配慮する
・情報の要約をする
・何のためにそれを伝えるのか整理する
・事前に話す順番を考える
・メールや文書の標題は、概要が一目で伝わるよう15~20字で具体的に書く

■うっかり使用してしまう言葉に注意する
例1:上司に対して「了解です」×
   立場が上の方に対しては「承知いたしました」〇
例2:上司・先輩に対して、「書類のほうをお持ちします」×
   立場が上の方に対しては、「書類をお持ちします」〇

3. ビジネスマナーがあるからできる「依頼」「断り」

ビジネスシーンでは、言いにくいことを言わなければいけない場面も多々あります。代表 的な例が「依頼」と「断り」です。敬語を上手に使いこなす人は、その場に応じて、相手 が受け止めやすい言い方でメッセージを伝えることができます。相手の感情に働きかけ、 相手を動かす(依頼する)際に活躍するのが「クッション言葉」です。

■依頼する場合~相手の負担を想像する
こちらの要望を依頼をすることは、相手に負担をかけてしまうことも 考えられます。相手が依頼を引き受けやすい話の流れを理解しましょう。

【依頼する際のフロー】
1. クッションとなる言葉を最初に使う
「誠に申し上げにくいのですが」「お差し支えなければ」
 ↓
2. 相手に依頼する
「店内では斜めに着席していただけますか?」「こちらのマスク入れをご使用ください」
 ↓
3. 感謝の気持ちを伝える
「ありがとうございます」「よろしくお願いいたします」

■お断りする場合 ~断られる側の視点に立つ
反対に、お客さまやステークホルダーからのご要望に、どうしてもお応えできない場合が あります。クッション言葉を活用してお断りをする流れを理解しましょう。

また、相手の要求を満たすことができなくとも、「話を理解してもらえなかった」と失望 させないように努めましょう。お問い合わせをいただいた場合、お客さま(相手)の 要求は「(問い合わせに対して)どうしたらいいか答えてほしい」です。

【お断りする際のフロー】
1. まずは「感謝の気持ち」を伝える
「お問い合わせいただき、ありがとうございます」
 ↓
2.「謝意の言葉」とセットで断りの旨を伝える
「誠に申し訳ございませんが、こちらでは承ることができません」
「せっかくでございますが、そういったサービスはやっておりません」
 ↓
3. 代替案の提案やご意見として承る旨を伝える
「よろしければ担当部署の番号をご案内いたします」
「ご意見は今後のサービス改善の参考にさせていただきます」

断る際は言い切りで終わらせず、先んじてご提案を示すことが顧客満足度を考えた ビジネスマナーです。理屈だけで相手を納得させることが難しい場合も、相手の要求 に応える努力を示し、受け取りやすいメッセージに変えて伝えるようにしましょう。

まとめ

ビジネスマナーの基本を振り返ってきましたが、マスク越しでの表情がわかりにくい昨今、 相手の立場になって考え、丁寧に伝えることでコミュニケーションを補うことが求められ ています。 心から出た言葉や気遣いが、相手との距離を縮め、時には感動を呼ぶことすらあります。 普段の言動に「足元が悪い中お越しいただきありがとうございます」や「ご負担をおかけ しました」といった何気ない一言を加えるだけでも、印象を大きく変えることができます。

リモートワークなど働き方が多様化する中、誠意や言葉遣いを工夫することは、職場内 において円滑に仕事を進めるうえでも重要です。 自分と相手との常識のずれをなくし、相手を思いやる姿勢は、オンライン(非対面) 時代に活躍するために非常に大切です。今後、新しい生活様式がどのように変化した としても、細やかな配慮ができることは大きな強みになります。

年始や新年度スタート時は、新しいメンバーが増えたり、新担当者との顔合わせが多いなどビジネスマナーや他者との関わりを見直す良い タイミングです。自身・組織のビジネスマナーの見直しを、ぜひ一度ご検討ください!

<関連リンク>

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