進まない・まとまらない会議から脱却するための4つのポイント~新たな価値を導くファシリテーターとなる

- なんとなく意見が出ない
- なんとなく決まらない
- なんとなく方向が揃わない
日常の会議で、このような「静かな停滞」をよく見かけます。この「なんとなく」の裏には、小さなズレやコンフリクト(意見の対立)の存在があります。
会議の質は、小さなズレやコンフリクトを活かせるかで決まる
会議の進行だけを考えると、小さなズレやコンフリクト(意見の対立)は、無い方が良いものでしょう。参加者みんなの意見が一致しており、誰も異議を唱えない会議はとてもスムーズに終了します。しかし、議論のない会議は「静かな停滞」より無意味な会議です。ズレやコンフリクトなしの合意形成には会議で生まれる「新たな価値」がないからです。
革新的な製品やサービスの多くは、誕生の過程で「コンフリクト(意見の対立)」と向き合い、合意形成のプロセスを磨きながら生まれています。「そんな発想は受け入れられない」「ブランドを損なう」といった強い否定を受けながらも、対立を丁寧に扱い、価値基準を見える化し、合意形成のプロセスを整えたことで、後に主力商品へと育っていった例は少なくありません。
会議を有意義なものにする4つのポイント
日常的な会議が「なんとなく」で終わってしまう理由は、新たな価値の芽である小さな違和感や価値観のズレが整理されないまま残っているということにあります。より建設的なものにするには、こうした「小さな芽」を拾い上げ、注目して議論することが重要です。
そのような会議を行うために、ファシリテーターが着目すべきポイントは、次の4つです。
ポイント1:参加者の「気になる」を見逃さない
小さな違和感も「ヒント」として拾いましょう。大きな反対がなくても、誰かの「気になる」は価値の出発点です。共有してもらうことで、埋もれた視点が浮かび上がります。
<ファシリテーターの発言例>
- 「ちょっと引っかかったところを、率直に言ってみていただけますか」
- 「はっきりしてなくてもOKです。なんとなく違うと思ったことを教えてください」
ポイント2:反対意見をいいやすい雰囲気をつくる
言いにくい声が出る場ほど、さまざまな意見が噴出し、合意形成の質が高まります。
反対の原因は、間違いではなく「価値基準の違い」です。このことを前提に反対意見をいいやすい雰囲気をつくることもファシリテーターの役割です。
<ファシリテーターの発言例>
- 「別の見方もぜひ伺いたいです」
- 「遠慮なく、気になる点を出してください。むしろ助かります」
ポイント3:必ず、意見を整理する時間をとる
ある程度反対意見が出たら、次は整理する時間です。グルーピングや可視化することで要点が整理され、建設的に議論することができます。
<ファシリテーターの発言例>
- 「いま出た考え方を、一度並べて見比べてみる時間にしましょう」
- 「判断軸がどこにあるのか、整理してみませんか」
ポイント4:優先順位や判断基準を決めてから、合意形成する
結論より先に、決め方を揃えましょう。優先順位や判断基準を整えると、迷走が止まります。合意形成のプロセスが整えば、議論の方向性が一気に明確になります。
<ファシリテーターの発言例>
- 「どの基準で決めるかを、先に決めてしまいましょう」
- 「優先順位を最初に共有すると、迷わず進められそうです」
ズレやコンフリクトから合意に至った会議は、組織に改革をもたらす
会議を有意義なものにするために重要なのは、大きな決断を行うことよりも、その前にある「声を拾う」「違いを並べる」「決め方を整える」といった小さな工夫を丁寧に行うことです。こうした積み重ねが、チーム、ひいては組織の改革を生み出す合意形成を築く土台となります。
ファシリテーション研修~会議を決める合意形成力強化編
本研修では「会議を決める力(合意形成力)」を強化していただくことで、生産性の高い会議を主催できるようになることを目指します。
また、合意形成プロセスをケーススタディで実践していただくことで、確実なファシリテーションスキルの定着を図ります。
よくあるお悩み・ニーズ
- 生産性の高い会議を主催できるようになりたい
- 何も決まらずに会議が終わってしまうことがある
- 意見が多く出ても、それを上手くまとめることができない
本研修のゴール
- 会議を決める合意形成スキルを習得することで「決まらない会議」から脱して、生産性の高い会議を主催できるようになる
- 利害関係の対立をWin-Winの結論に導くコンフリクトマネジメントスキルを向上させる
- ケーススタディを通じて、確実なファシリテーションスキルの定着を図る
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同時に、会議に対する認識や組織や周囲に関わる姿勢をポジティブな印象に変えることを目指します。安心して意見発信できる職場づくりや会議の活性化に役立つコミュニケーション、情報を共有するため議事録作成など、多方面からアプローチし、会議の質を高めるプランです。






