仕事の「伝わらない」を解消する~3つの視点、エトス・パトス・ロゴスからコミュニケーションを捉えなおす
仕事では、自分の考えや思いを誰かに伝え、行動を促す場面が毎日のように発生します。一方、言いたいことをわかりやすく相手に伝えることには、難しさも伴います。これまでに、「自分の考えを伝えても相手になかなか届かない」「既に説明したことについて、何度も質問されてしまう」など、もどかしい思いをした方もいるのではないでしょうか。
伝えるだけでは「伝わらない」
相手に伝わらないときや、伝えても動いてもらえないとき、多くの人は、発言の内容や論理性に問題があったと考えます。しかし、それより手前の段階で、相手はあなたの話に耳を傾ける気がなくなっていたのかもしれません。
相手が「きく気」になるには、まずあなた自身が相手に真摯に向き合い、信頼・共感を得ることが重要です。それは、古代の哲学者アリストテレスが述べた相手に動いてもらうための要素「エトス(=信頼性)」「パトス(=共感性)」「ロゴス(=論理性)」に通じます。それぞれ順番に説明していきます。
相手に動いてもらうための3つの要素~エトス・パトス・ロゴス
コミュニケーションの順番は、「①信頼を獲得する」、「②共感を得る」、「③論理的に話す」の順で進めます。
①信頼してもらう~初対面の"壁"を突破する
知らない人の話を疑うのは、人間として当然の反応です。初対面の人に、用件から話し始めないようにしましょう。自己紹介やあいさつを通して、相手に「この人の話なら聞いてもいい」と思ってもらうことが大切です。
②共感してもらう~うなずきやすい雰囲気をつくる
相手の話に耳を傾け、そこにある思いに寄り添う形で発言することではじめて、相手の共感が引き出せます。また、相手の話をよくきくことは、自分がこれから伝える話のどこに相手の関心があるか、きっかけを探すことにもつながります。あいづちやうなずきなどをしっかり行いつつ、「どのような切り口なら相手がうなずくのか」を考え、返事をするような気持ちで伝えることを意識しましょう。
③論理的に話す~腹落ちさせる
難しい商談や上司への提案の「最後の一押し」として身につけたいのが、この論理性です。商談終了後にお客さまが自分の提案を思い返し「やっぱり買った方がよさそうだな」と思っていただくためには、頭で納得してもらうことが欠かせません。適切な根拠とロジカルな話の構成で、わかりやすく話すことを心がけましょう。
上のような順番でコミュニケーションを行うように意識するだけで、日々の報告や依頼、提案の質はグッと上がります。インソースが提供する「コミュニケーション研修~エトス・パトス・ロゴスで伝える力を強化する」は、これら3つのポイントを軸に、「相手を動かす伝え方」を実践的に学びます。日々のやり取りで「言いたいことが伝わらない」と課題を感じている方におすすめの研修です。
コミュニケーション研修~エトス・パトス・ロゴスで伝える力を強化する
ビジネスにおけるコミュニケーションの目的は「相手に動いてもらう」ことです。
本研修では、アリストテレスが見出したコミュニケーションにおける3つの要素の習得を通じて、相手に動いてもらうスキルを高めます。
本研修の目標
- 自分のコミュニケーションのクセに気づく
- 感情をうまくのせて情報伝達ができる
- 相手にわかりやすく伝えることができる
受講者の声
- 普段のコミュニケーションが、話すか聞くかのどちらかに寄り過ぎていることがわかった
- 人として信頼を得ることを優先し、共感を得られるような方向につなげていきたい
- ロゴス(論理性)が苦手だと改めて自覚した。何か主張したいときは、一度文章化してから話す
セットでおすすめの研修・サービス
コミュニケーション講座(冊子教材付き)
本研修では、コミュニケーションを「きく」と「話す」に分解し、解説していきます。相手目線に立ち、しっかりと伝えるためのコミュニケーション方法を学習できます。
アサーティブコミュニケーション研修~自他尊重のスタンスで言いにくいことを伝える
アサーティブとは、相手の状況・気持ちを尊重しながら、自分の主張を正直に伝えることです。本研修では、豊富なワークとケーススタディを通じて、アサーティブな伝え方を学びます。
対人関係構築研修~円滑なコミュニケーションのためのスキルを習得する
対人関係の構築を促進するためのテクニックや考え方を習得する研修です。 相手と適切な距離感を保ち、よい関係を築くにはどのような行動をとればよいかについて、ワークを通じてじっくり学びます。