現代管理職に求められるDEI&B推進とは?
現代の職場では、多様性を尊重し、公平で受け入れられる環境を作ることが企業や組織の競争力に直結すると考えられています。その中心にあるのがDEI&B(Diversity, Equity, Inclusion, Belonging)です。DEI&Bを実践することにより、組織は創造性やエンゲージメントを高め、持続的な成長を実現することができます。
DEI&Bを構成する4つの要素
Diversity(多様性)~まずは自身のアンコンシャスバイアスに気付く
多様な視点や背景を持つ人々が集まることで、組織はイノベーションを促進し、柔軟で強い組織へと成長します。多様性を活かすためには、アンコンシャスバイアス(無意識の偏見)を認識し、その影響を最小限に抑えることが必要です。
Equity(公平性)~平等と公平の違いを知る
公平性を確保するためには、平等と公平の違いを理解することが重要です。平等はすべての従業員に同じものを提供することですが、公平は従業員一人ひとりの状況やニーズに応じて適切なサポートを提供することです。
公平性が欠けると、従業員は不公平感を抱き、モチベーションやエンゲージメントに悪影響を及ぼします。
Inclusion(包摂・受容)~職場の文化・環境を改めて見直す
インクルーシブな職場とは、すべてのメンバーが自分らしくいられる環境であり、一人ひとりの意見やアイデアが尊重され、受け入れられる文化が根付いている場所です。管理職は、チームメンバー全員が意見を自由に表現し、活用できるような環境を作り出さなければなりません。
Belonging(帰属意識)~心理的安全性の確保が肝
帰属意識とは、職場において自分が受け入れられている、価値がある存在である、と感じることです。
帰属意識を醸成するためには、まず心理的安全性の確保が重要です。従業員が安心して意見を言い、失敗を恐れずに行動できる環境を作ることで、自己表現を促進します。また、個の尊重を忘れず、各メンバーが自分らしく活躍できるよう配慮することも大切です。貢献実感をつくるために、メンバー一人ひとりの成果や努力を認め、感謝の意を示すことがモチベーションにつながります。
また、チームの目指す方向を定め、一体感を生むことで、全員が共通のゴールに向かって進む意識を持ち、強いチームワークを築くことができます。これらの要素をバランスよく実践することで、帰属意識が高まり、組織全体のエンゲージメントが向上します。
DEI&B推進における現場でのお悩み
DEI&B推進において、制度や方針は整いつつありますが、現場での実感が伴わないことが悩みとして多く聞かれます。管理職が公平に接しているつもりでも、従業員からは不満や違和感を感じる場面が少なくありません。また、過度な配慮や遠慮が逆にコミュニケーションの障害となり、関係づくりが難しくなることがあります。多様性を尊重するあまり、従業員一人ひとりに過度に配慮しすぎてしまうと、逆に本音を言いにくい環境が生まれてしまうことがあります。
このようなギャップを埋めるためには、柔軟で実践的なアプローチが必要であり、従業員との信頼関係を深め、実際の行動としてDEI&Bが根付くような取り組みが求められます。
現代管理職のためのDEI&B推進研修
本研修は、Diversity(多様性)、Equity(公平性)、Inclusion(包摂・受容)に加えて、近年特に注目されているBelonging(帰属意識)に焦点を当てた、管理職向けのDEI&B推進プログラムです。
DEIの形式的な導入にとどまらず、一人ひとりが「ここにいていい」と実感できる職場づくりを目指します。研修では、多様性を活かすマネジメントの視点や、無意識の偏見(アンコンシャスバイアス)への気づき、公平性の確保、インクルーシブな関わり方などを体系的に学びます。
よくあるお悩み・ニーズ
- 制度は整ってきたが、現場での受け入れられている感覚が感じられない
- 公平に接しているつもりでも、不満や違和感を生む場面がある
- 「配慮しすぎ」「遠慮しすぎ」で、かえって関係づくりが難しく感じる
本研修の目標
- DEI&B(多様性・公平性・包摂・帰属意識)の本質的な意味を理解する
- 無意識の偏見(アンコンシャス・バイアス)や形式的な対応の限界に気づく
- 自組織・自チームの現状を振り返り、明日から実践できる具体的な行動を言語化する
セットでおすすめの研修・サービス
インクルーシブ・リーダーシップ研修~多様性を包括するマネジメント
組織の多様性が進む中、従来の統率型のリーダーシップとは異なる「インクルーシブ・リーダーシップ(包摂型リーダシップ)」が注目を集めています。
個人を尊重し、個性の違いを活かしながらチームの成果を上げるこのリーダーシップは、変化の激しい今の時代にフィットしたもので、「心理的安全性」「1on1ミーティング」「キャリア自律支援」といった、近年のマネジメントワードとも通底したものといえます。
(半日研修)ダイバーシティ推進研修~基本知識を習得し、当事者意識を醸成する
ダイバーシティ推進が謳われて数年が経過しました。数年前までは女性の活躍推進がメインテーマでしたが、最近ではシニア層、LGBT(XQ)、障がいのある人材の活躍も求められるようになっています。
なかなか話題にのぼることは少ないですが、男性もまた活躍を求められる人材であることは言うまでもありません。すべての働く個人が、自らの組織貢献のあり方やキャリアの築き方を、改めて考えなければならない時代へと突入しています。本研修では、ダイバーシティに必要な知識の確認、多様な人材への理解の促しを目的とし、ダイバーシティ推進・実現の基本を学んでいただきます。
(半日研修)ダイバーシティ時代のハラスメント防止研修
パワーハラスメント(パワハラ)やセクシュアルハラスメント(セクハラ)だけでなく、マタニティハラスメント(マタハラ)や外国人差別、LGBTへのセクハラなどについても学びます。
また、2020年6月施行のハラスメント防止対策強化についての理解も深めます。
ハラスメントに関する法律や世間の価値観は、常に変化しています。かつては問題視されなかったことも、時代の流れとともに見方が変化し、ハラスメントと認定されることもあります。 そのため、現状にあったハラスメントへの理解を深めるとともに、複数のメンバーで協力し合って職場のハラスメントを撲滅していくことが大切です。
【全力討議】ダイバーシティ&インクルージョン研修~「個」を活かし競争力を高めるための組織戦略を考える
組織にとって多様性の促進が必要であることが叫ばれるようになって久しいですが、残念ながらわが国は、ダイバーシティ推進の入り口である女性活躍推進すらままならない状況にあります。
一方で、人材の多様性がイノベーションや組織の強靭性をもたらし、競争力を高めることに気づいている企業は、さらなるダイバーシティ&インクルージョンの推進に力を入れており、国内企業間の取り組みの格差はますます開きつつあるといえます。
この研修では、「社会的責任」としてではなく、競争力強化のための「組織戦略」としてのダイバーシティ&インクルージョンの推進について学んでいただきます。研修内で受講者の方の意見交換の時間を多めにとることで、自組織のダイバーシティ推進についてしっかりと考えていただく内容です。