地域ブランドに磨きをかける~伝統工芸の海外マーケティング戦略
地域に根ざした伝統工芸は、日本ならではの文化資源として国内外で注目を集めます。魅力を生かし、自社の価値として高めていくにはストーリー性と戦略性を備えたマーケティングが不可欠です。
本コラムでは「地域ブランド」「伝統工芸」「海外マーケティング」「商品開発」の観点から、具体的にどのようなアプローチが有効かを丁寧に解説します。後半では、こうした取り組みを支えるインソースグループの支援サービスもご案内いたします。
地域ブランドとしての伝統工芸を伝えるには
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伝統工芸を地域ブランドとして確立するためには、その背景にある歴史や技術、人々の思いを顧客に「見える形」で伝えることが重要です。
職人の顔や制作過程を映す写真や映像、素材や伝承の説明をパッケージやWebに掲載し、物語を定期的に発信することで、消費者の共感を得やすくなります。こうした情報発信は、国内外を問わずブランドの魅力を確実に届ける礎となります。
海外マーケティングと商品開発の融合
海外に販路を広げる際には、現地のニーズや文化、生活スタイルへの理解が欠かせません。展示会やオンライン商談などで直接的な接触機会を設けると同時に、現地バイヤーが求める商品フォーマットへの対応も必要です。
また商品開発においては、「デザイン経営」の視点を取り入れ、形や用途、コストバランスに配慮しつつ、トレンドや文化に調和したデザインを提案することが大切です。これにより、伝統の技術と現代的な感性を合わせた新たな価値ある商品を創出できます。
また、こうした取り組みは単発で終えるのではなく、支援終了後も地域が主体となって推進できるよう、自走体制を整えることが求められます。
長期的なブランド育成と支援の視点
ブランド構築とは一過性の成果を追うものではなく、地域・企業が自律的かつ継続的に魅力を育てるプロセスです。そのためには、地域企業だけでなく、行政・金融・デザイナーなど支援者を巻き込み、知見やネットワークを共有する共創体制が望まれます。勉強会やワークショップ、高度な専門家によるハンズオン支援を通じて、経験とナレッジを地域内部に蓄積し、支援が終わっても動き続けられる体制を築くことが鍵となります。
伝統工芸事業者向け海外進出支援
ここまで、地域ブランドの価値を高め、海外展開や商品開発といった具体的アクションをお伝えしました。最後に、これらを包括的に支えるインソースグループのサービスをご案内いたします。
地域固有の資源や文化を活用した商品の海外販路を拡大することで、地域の商品を広くPRしたい方や、海外販路開拓に挑戦する事業者の支援を行い、地域に魅力ある新しいブランドを創出したい方へ、地域に根付く伝統と文化を活かした伝統工芸品の海外販路開拓支援を行っております。
特徴・ポイント
- 伝統工芸品の新商品開発支援に豊富な実績を有するミテモだからこそできる、商品開発までの具体的なステップの提示
- 海外での販路開拓に精通しているデザイナー・ブランドマネージャーなどの多様なネットワークを活かした支援体制
- 事業終了後も事業者が海外販路開拓を継続的に取り組めるよう、海外市場におけるトレンドなどのサポート研修を実施
セットでおすすめの研修・サービス
インバウンド向け観光メニュー開発および海外PR支援
事業者に加え、専門家やボランティアとチームを組み、多方面でメニュー開発を推進。インバウンド専門家やクリエイティブ支援との連携により、観光客のニーズに合った商品を届けます。さらに、海外実店舗とのネットワークを活かし、OTAだけでなく現地販売まで展開可能です。
地場産業活性化支援サービス
デザイン経営を取り入れた事業開発・イノベーション手法を学び、事業化を促進する実践型プログラムです。
多様な価値共創パートナーと協働し、中小企業の新事業・新商品開発や新市場進出を後押しします。後半には経験豊かなアドバイザーのハンズオン支援を受け、具体的な事業化・ビジネスモデル化へとつなげます。
海外事業戦略研修(2日間)
海外事業を展開する際、有効かつ現実的な戦略を立てられるようになるための研修です。
具体的には、PEST分析やSWOT分析などの環境分析の手法やグローバルマーケティングについての考え方、自社の課題発見のための視点を身につけます。


