インソース 事業推進室

生成AIでは代替できない「創造力」を高めるための3つのマインドと2つのスキル~10の思考バイアスを捨てる

生成AIなどの技術革新により、情報収集やデータ分析は瞬時に行える時代になりました。しかし、既存の知識や手法だけでは差別化が難しく、顧客視点で新しい価値を生み出す「創造力」が、個人や組織の成果に直結する重要なスキルとなっています。

本コラムでは、創造力を高める具体的なマインドとスキルについて紹介します。

創造力は「育てられる」~まず押さえたい3つのマインドと2つのスキル

創造力を高めるには、マインドセットとスキルを組み合わせて実践することが重要です。

3つのマインド

  1. 知的好奇心を持つ:新しい情報や技術に関心を持ち、業界動向や顧客行動を調べる
  2. ゼロベースで考える:既存の前提にとらわれず課題や業務を見直す
  3. 顧客を意識する:常に顧客目線で価値を考える

2つのスキル

  1. 課題設定力:実現したい目的を明確にし、その目的に近づくための課題を設定する
  2. 発想力:多角的にアイデアを広げ、実行可能な解決策に落とし込む

「ゼロベース」の難しさ~思考のクセに気づく

3つのマインドのうち、多くの人がつまずくのが「ゼロベースで考える」こと。人はどうしてもこれまでの経験から固定観念を持ってしまうものです。それを意識的に取り除くためにも、まずは自身の思考のクセに気づく必要があります。

あなたはどの傾向が強い?10の思考バイアス

  1. 結論ありきで考える(結論に合う都合のいい事実のみを集めてしまう)
  2. 新しいものを軽視する(従来の考え方を変えることができない)
  3. 新しいものを重視する(新しいことを優先し、古いものを軽視・無視してしまう)
  4. 自分の記憶に依存する(すぐに思い出せる事実に頼り、情報収集を怠ってしまう)
  5. 初期情報に依存する(最初に仕入れた情報だけに依存して考えを集めてしまう)
  6. 相関関係と因果関係を取り違える(何らかの相関がみられることに対し、因果関係があると思い込んでしまう)
  7. 経験が邪魔をする(過去の知識や経験に頼り過ぎ、新たな視点を見つけられない)
  8. 他責で考える(上手くいかなかった際に、運や他人のせいにしがち)
  9. 希望的観測で考える(客観的な事実でなく、希望で予測立てをしてしまう)
  10. 不確実性を過小評価する(ポジティブに考え過ぎて、将来の不確実性を軽視してしまう)

発想力の伸ばし方~キーワードは「発散と収束」

2つのスキルのうち、「課題設定力」は従来の業務でも求められためイメージしやすいが、「発想力」を鍛えるには具体的にどうすればよいのか分からない、という方が少なくありません。アイデアを生み出す「発想力」には、枠にとらわれない自由さと顧客のニーズを狙ったシャープさの2要素が求められます。これらをうまく組み合わせた考え方が、「発散と収束」です。

  • 発散:思いついたアイデアを否定せずすべて書き出し、多角的に視点を広げる
  • 収束:顧客視点や実現可能性を基準に優先順位を整理し、具体策に落とし込む

「発散」時のポイント

  • 出された意見を否定したり、評価したりしない
  • どんなアイデアも受け入れる
  • 質より量を重視する
  • メンバーの立場は気にせずに意見をたくさん出す

「収束」時のポイント

  • 目的、ゴールを改めて確認する
  • 「そもそも⋯⋯」の視点で捉え直す
  • 「誰が出したアイデアか」で判断しない
  • 折衷案に逃げないようにする

創造力は「正解のない時代」を生き抜くビジネススキル

正解のない時代を生き抜くビジネスパーソンにとって、生成AIでは代替しきれない「創造力」は、これからますます欠かせないビジネススキルとなっています。

創造力というと、デザイナーなど一部のクリエイティブ職のものと思われがちですが、実は今回お伝えした3つのマインドと2つのスキルを組み合わせれば、誰でも発揮できる「実践的な力」です。ひらめきを待つよりも、これまでの課題や業務をいったんゼロベースで見直し、「発散と収束」を意識しながらアイデアを磨いていく――そんな日々の積み重ねこそが、無理なく創造力を育てていくことにつながるのではないでしょうか。

成果を生む創造力の鍛え方~ゼロからアイデアを生む実践マインドとスキル

ビジネスの世界では、何かを企画したり解決策を考えたりするような場面において欠かすことのできない「クリエイティビティ(創造力)」。

本研修では創造力を鍛える下地として必要な3つのマインドと2つのスキルを学んでいただきます。その実用性を一つひとつワークで理解しながら学んでいただけますので、明日からの業務で早速活用をしていただけます。

よくあるお悩み・ニーズ

  • 新しいアイデア、課題解決策を考えたいが、なかなか思いつかない
  • 様々な視点から発想する方法を学びたい
  • AI時代にも活躍できるよう、創造力を高めたい

対象者

  • 物事の本質を見極める力を向上させたい方
  • 考えを深掘りする力を高めたい方

>公開講座の詳細はこちら

>講師派遣型研修の詳細はこちら

>動画教材の詳細はこちら

セットでおすすめのサービス

トリプルシンキング実践研修~クリティカル・ラテラル・ロジカルシンキングを応用する(2日間)

本研修は、クリティカルシンキング、ラテラルシンキング、ロジカルシンキングの3つのスキルをトリプルシンキングとし、自ら発想して、課題解決や新たな企画を実現させるためのステップを、演習やケーススタディを通して学んでいただきます。

クリティカルシンキングやラテラルシンキングを用いて柔軟かつ新たなものの見方を獲得するとともに、ロジカルシンキングを用いてアイデアや解決策を整理し、実現に向けて周囲を説得するまでのステップを、豊富な演習を通じて体感・体得いただくプログラムです。

>公開講座の詳細はこちら

>講師派遣型研修の詳細はこちら

TRIZに学ぶ発想力研修~「あちらを立てればこちらが立たず」を克服する

解決策を検討する中で「こうすれば良くなるけど、それを変えると他の部分で困る...」と悩まされたことはありませんか。TRIZは、こうした状況にブレイクスルーをもたらす手がかりとなります。

特許の分析から生まれた知見だけあって、身の回りの便利なあのアイテムも、あの発明も、発明原理で説明できてしまうのが面白いところです。発明の共通点を知り、湧き出るアイデアにワクワクする機会をお届けしたく、本研修を開発しました。

>公開講座の詳細はこちら

>講師派遣型研修の詳細はこちら

>動画教材の詳細はこちら

AI時代のクリティカルシンキング研修~求められる「疑う力」と「活かす知恵」(1日間)

生成AIが一般のビジネスパーソンにも浸透し、あらゆる業務の中で活用されるようになりました。しかし、生成AIが出したアウトプットを無批判に受け入れてしまうと、間違いや偏りを見逃すことになり、業務上のリスクになりかねません。

本研修では、生成AIの特性と活用シーンを理解し、クリティカルな視点でアウトプットをチェックする力を養います。そのうえで、生成AIを真に有効なパートナーとして駆使する方法を学びます。

>講師派遣型研修の詳細はこちら

関連記事

関連シリーズ一覧