3分でわかる!TRIZに学ぶ問題解決プロセス~2ステップで「発明」の原理をビジネスに応用する

TRIZ(トリーズ)は、「発明的問題解決理論」という意味のロシア語(英文字表記)の頭文字をとったものです。
旧ソ連の特許審査官ゲンリッヒ・アルトシュラー(1926-1998)らが、特許事例を分析し、一連の法則を発見して基礎を築いた理論です。
- Teoriya[Теория]...理論
- Resheniya[Решения]...解決
- Izobretalskikh [Изобретательских]...発明
- Zadatch[Задач]...問題
(凡例:英文字表記[ロシア語表記] ...意味)
TRIZ(トリーズ)とは~5段階の発明レベル
TRIZの核心は、膨大な数の特許・技術文献を統計的に分析し、そこから「どのような問題解決が革新的なのか」「技術システムはどのように進化していくのか」といった法則性を抽出・体系化した点にあります。
アルトシュラーは、特許を分析するにあたり、発明のレベルを5段階に分類しました。
以下の図の通り「既存技術の組み合わせ」から「まったく新しい原理の発見や発明」までの5段階のうち、TRIZがその威力を発揮するのは第2~第4段階としています。
問題解決のステップ1:トレードオフを見つける
TRIZの問題解決プロセスの最初のステップは、問題の核となるトレードオフの要素を抽出することです。
問題解決にあたって、ある面を改善するとその作用によって他の面で悪化する作用が現れるような、「あちらを立てればこちらが立たず」というトレードオフの状態を、TRIZでは技術的矛盾といいます。
アルトシュラーは、産業や科学のさまざまな分野で、同様の技術的矛盾をもつ問題とその解決方法が繰り返されていることを発見しました。この問題と解決方法の組み合わせを一般化させてまとめたものが、40の発明原理です。
問題解決のステップ2:40の発明原理を参照し、適用する
問題から矛盾を抽出したら、適した発明原理に基づいて解決策のアイデアを出します。
例として、局所性質原理を参照してみましょう。この発明原理では、物体などにあえて不均質に偏った部分をもたせることで、問題を解決します。完全に分けることはできない1つのものを場面によって使い分ける、といった場合に助けになります。
例:金属の表面硬化処理 <表面のみ硬度を上げることで、外圧からの強度を上げる>
発明原理をビジネスに応用する
TRIZの問題解決プロセスは、製品・技術の発明だけでなく、設計やマネジメントの分野でも応用することができます。
たとえば、「チームの人材が持つ特性やスキル」を「局所性質原理」の考え方で偏らせれば、人事異動や研修体系のアイデアを得られるかもしれません。
例:ITスキルが低く活躍できないベテラン人材を、社内コンサルタントとして活躍させる
TRIZは、「こうすれば良くなるけど、それを変えると他の部分で困る...」というような状況にブレイクスルーをもたらす手がかりとなります。特許の分析から生まれた知見だけあって、身の回りの便利なあのアイテムも、あの発明も、「発明原理」で説明できてしまうのが面白いところです。
TRIZに学ぶ発想力研修~「あちらを立てればこちらが立たず」を克服する
TRIZに学ぶ発想力研修では、問題点を整理する手法をおさえ、解決策のアイデア出しを演習形式で行います。科学的に導き出された理論に基づき、経験や感覚に頼らず発想する力を磨くプログラムです。
よくあるお悩み・ニーズ
- 目の前の問題に対して有効な解決策がなかなか得られない
- 現実的に解決策となり得るアイデアを出せるようになりたい
本研修の目標
- TRIZの特徴と問題解決の流れを理解する
- 発明原理を活用したアイデア出しの仕方を身につける
- 導き出した解決策を検証し、ブラッシュアップできるようになる
ワーク例:発明原理を用いて解決策のアイデアを出す
- 「分割原理」を用いて、新人採用フローを見直す
- 「逆発想原理」を用いて、缶飲料の販売数を上げる
- 「局所性質原理」を用いて、効果的な人事異動を行う
セットでおすすめの研修・サービス
中堅社員~管理職向けイノベーションを起こす中核人材を長期的に育成するプラン
3年間で、イノベーション実現に必要なフレームワーク(マーケティング、デザイン思考、企画力など)を学び、外部環境の変化に適応して新規事業を企画できる人材を育成するプランです。
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論理的思考アセスメント~ロジカルに考える力を14項目に分解し評価する
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(半日研修)ChatGPTを活用した発想力強化研修
ChatGPTをアイデア発想における優秀なパートナーとして、上手く使いこなせるようになるための研修です。
質の高いアイデアを引き出すためのプロンプト(指示文)を理解し、的確な質問ができるようになることを目指します。また、アイデアを発散・収束するうえで有効なフレームワークをどのようにChatGPTと組み合わせて活用できるか、実例をもとにご紹介していきます。