提案を左右する営業ヒアリング力の差とは?成功に導く3つのポイント
営業における初期アプローチで特に重要なヒアリング。
ヒアリングが上手くできたかどうかで提案の質が大きく変わり、受注確度を左右することは言うまでもありません。
ヒアリング上手とヒアリング下手の違い
営業経験が浅いころ、上司や先輩との商談同席で驚いたことはありませんか?
初対面のお客さま相手でも、まるで旧知の仲のようにスムーズに会話が進み、的確にニーズを引き出して提案の糸口をつかんでしまう...そんな場面に立ち会ったことがある方も多いはずです。
「いったい何が違うのだろう?」と、当時はそう感じたかもしれません。
もちろん、知識や経験の差は大きな要素です。しかし、よく振り返ってみると、その違いは商談前から表れています。
たとえば、上司や先輩に「今回のお客さま、どんな状況?」「今回の訪問の目的は?」と聞かれた経験はないでしょうか。
ヒアリングが上手な営業は、商談前からヒアリングに向けた準備を始めます。お客さまの情報を集め、仮説を立て、質問の意図を明確にして商談に臨んでいる。つまり"話を聞く準備"ができているのです。
さらに、実際の商談の場面でも違いが表れます。
ヒアリングが上手な営業は、相手の話し方や表情に応じて、質問の順番や言葉遣いを柔軟に変えながら、会話のキャッチボールをします。自然とお客さまが話しやすい雰囲気をつくりながら、相手の本音、さらには相手も気づいていない本質的な課題感を引き出していきます。
ヒアリング上手とは、豊富な知識や経験だけでなく、「ヒアリングに向けた事前準備」と「相手に合わせた手法の使い分け」に優れている人のことを指すのです。
ヒアリングを成功に導く3つのポイント
それでは、ヒアリングを成功に導くためのポイントをもう少し掘り下げてみましょう。
基本的なポイントは、「事前準備」「適切な質問」「聞き取りのスキル」の3つです。
1.事前準備
- ヒアリング目的の明確化
- お客さまの(業界、競合、会社、担当者、最近の動向など)理解
- ニーズを引き出すためのヒアリング項目の明確化
- ヒアリングの進め方の設計 など
ヒアリングには様々なシーンがあります。アポイントを打診する段階、初回商談、2回目の商談、提案段階など、それぞれの場面で準備をしましょう。
お客さまを理解し、質問項目やヒアリングの進め方を状況に合わせて組み立てることで、より深くお客さまの意図を探ることができるようになります。
2.適切な質問
- 質問する用語の選択
- 深堀に使える4つのキーワード(なぜ、例えば、ということは、ところで)
- 質問の投げかけ方(オープン質問、クローズド質問) など
適切な質問とは、相手に正しく質問の意図が伝わり、適切な回答が得られる質問を指します。そのためには、相手が話しやすい言葉や、回答しやすい投げかけの方法を選択する必要があります。適切な質問の投げかけは、具体的で認識に齟齬のないヒアリングを実現することにつながります。
3.聞き取りのスキル
- 話しやすい雰囲気を作る(雑談の活用、共感の示し方)
- 聞きにくいことを聞く(単刀直入にきく、遠回しにきく、反応をうかがう) など
ある程度の信頼関係はあっても外部の人に自社の問題や課題を話すことには抵抗が伴います。 このような抵抗感を排除して、できるだけ本音で話をしてもらうためのスキルを身につけておくことで、深堀りや信頼関係の構築が可能になります。
上記のようなヒアリングのスキルを身につけることで、豊富な知識や経験がなくてもお客さま自らニーズや課題をお話しいただく助けになり、ヒアリングを成功に導く糧となるはずです。
ヒアリング力を身につけるために
営業現場の人材育成は、どうしてもOJTがメインになるケースが多いです。OJTは優秀な営業担当者のノウハウを伝承するという意味では大きなメリットがありますが、OJT担当者により教える内容やレベルにばらつきが出てしまうというデメリットがあります。そのため、体系的な理解や模擬体験(ロールプレイング)を行うOFFーJTをうまく組み合わせて身につけることが有効です。
(営業向け)ヒアリング力向上研修~質問の引き出しを増やし、お客さまの本質的なニーズに迫る
本研修では、ヒアリングを3つのステージに分け、場面ごとに応じた質問の仕方を習得いただきます。 質問の引き出しを増やし、目的を持ったヒアリングを行うことで、お客様が抱える課題への解決策を導く良い提案に繋げられます。
よくあるお悩み・ニーズ
- 提案をするための情報収集やヒアリングが十分にできていない
- お客さまと仲良くなるけど、提案段階まで持っていけない
- お客さまが抱えている本質的な課題を捉えることができない
本研修の目標
- お客さまと関係を構築し、基本情報を確認するスキルを身につける
- お客さまの課題やニーズを洗い出し、深掘りすることができるようになる
- 聞きにくいことを漏れなく拾い、受注確度を高める方法を理解する
セットでおすすめの研修・サービス
(営業向け)ソリューション提案力強化研修~顧客を分析し、最適解を導き出す
「ソリューション提案」とは、顧客の課題の解決方法を提示しながら、そこに自社の商品やサービスの販売を組み込んで提案する営業スタイルのことです。
ただ商品の説明をするだけでなく、顧客から引き出したニーズを深堀りし、課題解決に必要な商品を適切にコーディネートする力が要求されます。本研修では、ソリューション提案力を向上させるために必要なスキルを習得していただきます。
(営業向け)リレーション構築力強化研修~顧客に寄り添い、担当としての信頼を獲得する
顧客と信頼関係が構築できていなければ、顧客ニーズのヒアリングや商品・サービスの提案には繋げることはできません。
本研修では、「顧客に寄り添う姿勢を身に付け、信頼関係の第1歩を踏み出す」ためのポイントを学んでいただきます。
営業向け 顧客の課題解決研修~顧客の抱える「非・不・未」を見つけ、ソリューションを提案する
ソリューション営業で大事なことは、自社製品を売ることを一旦忘れて、お客さまの課題解決だけを意識して話に耳を傾けることです。
本講座では、そうしたソリューション営業の本質をこの研修で身につけていただけます。