不調の兆候を見逃さない、放置しない。管理職が知るべき部下のメンタルヘルス管理とストレスチェック活用法

季節の変わり目は、体調やメンタルの調子を崩しやすい時期です。管理職の方は、ご自身だけでなく、部下の状況にも気を配らなければなりません。
特に、メンタルヘルスの不調は、小さなサインに気づき、日常的にフォローすることが重要です。
また、年に一度のストレスチェックは、組織全体の課題を見える化し、改善につなげる有効なツールです。
本コラムでは、管理職が実践できる部下のメンタルヘルス管理の基本と、ストレスチェックの結果を活用した職場づくりについて具体的に解説いたします。
管理職が知っておくべき部下のメンタルヘルス管理の基本
メンタルヘルス管理において重要なのは、部下の状態を「気づく」「声をかける」「対応につなげる」という流れを意識することです。不調は突然ではなく、日常の小さな変化として現れます。どのように気づけばよいのか、以下のような兆候に注意を向けることが大切です。
遅刻や無気力...部下の小さな変化に気づくチェックリスト
下記のようなサインは、部下の人数が多かったり、繁忙期だったりすると見落としてしまうかもしれません。業務的な指摘の前に、まずは「最近どうですか」と声をかけることが効果的です。
【行動面】の変化
- 遅刻・早退・欠勤が増える
- 作業スピードが極端に遅くなる/急に早くなる
- 会議や雑談で発言が減る、あるいは不自然に多くなる
【感情・態度】の変化
- 無気力で覇気がなく、笑顔が減る
- 「疲れた」「もう無理かも」などの口癖が増える
- 周囲との関係を避けるようになる
【外見・身体面】の変化
- 身だしなみや清潔感に気を配らなくなる
- 眠そうにしている、集中力が続かない
- 頭痛・肩こり・胃の不調など体調不良を頻繁に訴える
1on1や感謝の共有、日常のコミュニケーションが支えるラインケア
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日常のコミュニケーションで行うラインケアは、管理職が部下の変化に気づき、早めに対応するための基本的な取り組みです。
- 定期的な1on1で業務状況と気持ちを確認する
- チーム内で成功体験や感謝を共有する場を設ける
- 相談があった際には否定せずに受け止める姿勢を持つ
これらはすべて、部下への日常的なメンタルヘルス管理につながります。信頼関係を強めることで、部下が不調の兆しを示した際も、早めに相談してもらえる環境を作ります。
ストレスチェックを職場の雰囲気づくりに活かす5ステップ
ストレスチェックは「個人のストレス度を測るツール」と思われがちですが、職場全体の雰囲気改善や組織づくりにも活用できます。具体的には次のようなステップがおすすめです。
1.集団分析で、「職場の傾向」を把握する
「集団分析」では、その集団が抱えるストレス要因を数値で見ることができます。まずは現状把握として、何が主なストレス要因となっているかを確認します。
2.結果を職場のメンバーで「共有」する
集団分析の結果を共有し、職場の全員で「ここを改善していこう」と意識することが、職場環境改善の第一歩となります。
3.「小さなアクション」から始める
日常的に取り組めて、改善行動を続けられることが重要です。ちょっとした席替えや、朝に10分だけ近況を話す時間を作るなどでも有効です。小さな改善を積み重ねて、少しずつ全員が「なんとなく働きやすい」という状態を目指しましょう。
4.管理職が「行動で示す」
管理職本人も多忙な中で、新しい動きを取り入れることはなかなか億劫かもしれません。それでも管理職本人が前向きに改善活動に取り組む姿勢を見せること、感謝の言葉を口にするなどが、職場の雰囲気づくりには欠かせません。
5.定期的に「振り返る」
年に一度のストレスチェックでは、その改善活動の結果をまた集団分析で見ることができます。人事異動など組織的な変化もありえますので、改善活動の振り返りと数値の変化を毎年チェックすることが重要です。
ストレスチェック後の職場改善プログラム
ストレスチェックを活用した5つのステップで、職場の課題が可視化でき、改善に向けたアクションを始めることができます。しかし、集団分析の結果の読み方や具体的な改善策を自分たちだけで考えるのは、少しハードルが高い場合もあります。
そこで、管理職向けに専門的なサポートや研修プログラムを活用することで、職場のメンタルヘルス改善をより確実に進めることが可能です。
インソースでは、管理職層や受検者の方に向けて、集団分析の数値の読み方、改善のヒントを学べるプログラムをご用意しています。お客さまのストレスチェック結果に基づきカスタマイズを行いますので、毎年実施することで、より効果的に職場のメンタルヘルス改善に役立てることができます。
ストレスチェック実施後のお悩みを解決します
- 分析結果の読み方
- 結果に合わせた改善策
- 管理職と受検者、それぞれのプログラムを用意
- 受講方法は、集合型研修・オンライン研修が選べます
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