営業スランプを抜け出す3つの方法~情報収集・既存顧客訪問・基本動作の再徹底で2、3年目の停滞を突破する

営業職は、入社直後に成果が出やすい「ビギナーズラック」の時期を経て、2~3年目に停滞するケースが多くあります。
理由は、知識や経験が増えることで「自分のやり方」に固執し、顧客や市場の変化に気づきにくくなるためです。さらに、会話が一方的になり、相手の本音を引き出せないことも原因です。
スランプを抜け出すための3つの基本戦略
停滞を打破するには、次の3つを同時に進めることが効果的です。
- 情報収集を目的に動き回り、市場とのズレを修正する
- 親しいお客さまに先に伺い、エネルギーを取り戻す
- 基本動作を再徹底し、ビギナーの気持ちでやり直す
1.情報収集を目的に動き回り、市場とのズレを見つけて修正する
ズレの見つけ方と修正の進め方では、不調時は「売る」より「聞く」を優先することが重要です。多くのお客さまと会い、商品と市場のニーズのズレ、セールストークの陳腐化、戦略の不一致を探します。具体的には、下記の方法が有効です。
- 成約案件と不成約案件の違いを言語化する
- 相手が使う言葉で課題を再定義し、提案の軸を合わせる
- 説明の順番を入れ替え、結論から提示する
- 収集した情報を要点化し、次回の会話で検証する
さらに、質問例と会話のポイントとして、「最近、サービス選定の基準はどんな点で変わりましたか」など、変化を前提にした質問を投げると、相手の本音が出やすくなります。質問はオープン型で、相手の発話割合を増やすことを意識してください。
2.親しいお客さまに先に伺い、エネルギーを取り戻してディフェンスを固める
訪問の目的を明確にする方法として、既存顧客への訪問は営業の原点を再確認する機会です。訪問前に目的を整理しておくことで、会話の質が高まります。具体的には、下記のポイントを押さえることが重要です。
- 近況共有と今期の優先課題の確認
- サービス更新点の要約と利点の提示
- 前回の約束事項の進捗報告
- 次回提案の仮説を短く提示し、反応を得る
さらに、雑談と本題のバランスを取るコツとして、親しい関係でも雑談に偏りすぎると目的がぼやけます。「今日確認したいこと」を事前にメモし、会話のゴールを明確にしましょう。丁寧な言葉遣いを保ち、信頼を積み上げることが成果につながります。
3.基本を再徹底して、ビギナーの気持ちでやり直す
基本動作の見直しチェックリストとして、営業スランプを抜け出すためには、基本に立ち返ることが不可欠です。以下の4つを徹底することで、会話の質と信頼感が大きく改善します。
- 結論先出しで要点を短く伝える
- 敬語の過不足を修正し、相手の時間を尊重する
- 質問を準備し、相手の発話割合を増やす
- メモを取り、次回アクションをその場で合意する
さらに、無意識のクセを修正するための練習法として、基礎トークを暗唱できるレベルまで練習し、録音して確認する方法が効果的です。自分の態度や言葉遣いを客観視することで、謙虚で誠実な姿勢を取り戻し、どのようなお客さまにも安心感を与える営業スタイルに戻せます。
会話設計の4つのコツで、営業担当者との対話を噛み合わせる
営業スランプを抜け出すためには、活動量や基本動作の見直しだけでなく、会話の質を高めることが不可欠です。特に、営業担当者との対話が噛み合わない原因は「話し方の構造」にあります。ここでは、会話を設計する際に押さえるべき4つのコツを紹介します。これらを意識することで、相手の理解度が上がり、信頼関係が深まります。
1.質問を中心に構成する
相手の課題や価値観を引き出す質問を準備し、会話の主導権を相手に渡します
2.結論を先に提示する
「本日お伝えしたいのは3点です」と冒頭で示すことで、相手の理解を助けます。
3.相手の言葉を引用する
「先ほど〇〇とおっしゃいましたが」と言い換えることで、傾聴姿勢を示し、信頼を高めます。
4.次回アクションをその場で合意する
「次回までに〇〇を準備します」と明言し、会話を未来につなげます。
まとめ:実践のポイントを統合して、会話が噛み合う準備と姿勢を整える
情報収集で市場とのズレを修正し、既存顧客との対話で感覚を戻し、基本動作で話し方を磨きます。さらに、会話設計の4原則を取り入れることで、営業担当者とのやり取りはスムーズになります。焦らず淡々とやり切ることで、成果の波は必ず上向きます。
(若手向け)営業基礎研修~ビジネスにつなげる情報活用力強化編
本研修では、営業活動における「お客さま」について考え、「お客さま」によって会話のねらいが異なることを再確認していただきます。
また、お客さまとの会話を一段階あげるための情報収集力を高めるために、講師が提示するテーマと自身のビジネスとを結びつけて会話を続けるワークや、目の前の相手との会話を展開させるワークに取り組んでいただきます。
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