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気がきかない新人にしない育て方~「誰にも迷惑かけてませんが?」その振る舞い、本当に大丈夫?

新人・若手社員の育成において、業務スキルや知識と同じくらい重要なのが「気配り」や「モラル」といった職場での立ち居振る舞いです。

挨拶の仕方や共有物の使い方など、ルールとして明文化されていなくても細やかな配慮ができるかどうかは、チーム全体の雰囲気や信頼関係に大きな影響を与えます。

本コラムでは、こうした「直接は注意しづらいけれど欠かせない行動」を新人にどう身につけさせるか、その具体的な育て方を解説します。

なぜ新人の「気配り」が大切なのか

職場では、明文化されたルールやマニュアルに載っていないことも多く存在します。

例を挙げると以下のような行動です。

  • コピー機のトナーが切れそうなときに自ら補充できるか
  • 上司や先輩・同僚とすれ違った際に自分からあいさつできるか
  • シュレッダーのごみを満杯のまま放置しないか

これらは業務上の重大なミスではありませんが、積み重なると「気が利かない」「周囲に配慮が足りない」という印象を与えてしまいます。逆に、自然に気配りができる新人は信頼を得やすく、職場に早くなじむことができます。

上司が直接伝えにくい理由

近年はハラスメントへの懸念もあり、上司が新人に「気配り不足」を直接注意することをためらうケースが増えています。

例えば「挨拶はもっと自分からするように」「ゴミがいっぱいなら片づけてほしい」と伝えるのは、指導というより個人の性格に踏み込むように受け取られる恐れがあるためです。

そこで、上司が直接は伝えにくい内容に関しては、外部講師による新人研修プログラムとして、配属前に指導してもらうこともおすすめです。

ウチの新人を気配り不足にさせない育て方の3つのポイント

1. 基本動作にプラスαの配慮

あいさつの仕方ひとつ取っても、基本のビジネスマナー研修では教わらないような場面に遭遇すると迷ってしまう新人・若手も多いようです。

たとえば、以下のような席配置の職場で入口から入室するとき、どのタイミングで挨拶するのがよいでしょうか。入口から自席までは10m以上あると考えてください。

挨拶ひとつ取っても、声の大きさ、タイミング、目線の合わせ方で印象は大きく変わります。新人のうちに「ただ形式的にする挨拶」から「相手に好印象を与える挨拶」へとレベルアップさせることが大切です。

2. 社会人としてのモラルを理解する

先輩の中には、お得意さまには内緒で新規取引先に定価の10%引きで販売したり、相手にとって不相応なものを売りつけたりなど、「数字を作るための活動」に流れている人もいるかもしれません。このように「バレなければ平気」「誰にも迷惑をかけていないから問題ない」と考える人は少なくありません。しかし、社会人には、ルールに明記されていなくても守るべきモラルや良識があります。討議やケーススタディを通して、自分の行動が組織全体の信頼を損なうリスクにつながることを理解し、その上で自ら考え、責任ある行動をとる力を育むことが大切です。

3. 実践を通じた定着

研修で学んだことを実際の職場で活かせるかどうかは、実践の場をどれだけ体験したかに左右されます。配属前にロールプレイやシミュレーションを通じて行動を繰り返すことで、気配りやモラルを「知識」から「習慣」へと昇華させることができます。

配属前に「気配り力」を育て、信頼される新人へ

誰もが行う基本的なことをおろそかにすると、周囲に強いマイナス印象を与えてしまいます。一方で、いつでも自然に気配りができる人は、それだけで信頼感を生みます。「気が利かない」のではなく、「気を配るポイントがわからない」だけという新人も多いものです。

だからこそ、配属前にモラルや配慮の重要性を理解させ、実践できるように育てることが大切です。何も言われなくても配慮ができる新人が配属されれば、上司や先輩は安心して実務の指導に専念でき、職場全体の雰囲気も一層良くなります。

(新入社員・新社会人向け)できるビジネスパーソンの10の心得・行動~職場の常識編

企業の人事・教育担当者の方から、社会人として気になる行動や、「できる」と感じる行動などを集め、「10の心得・行動」としてまとめました。

基本のビジネスマナーからステップアップした、信頼を与えるあいさつや言葉づかい・身だしなみ、会社の備品の扱い方、清掃の仕方、コスト意識など、ここまで配慮できたら「できる」とほめられるポイントを早くから知っておくことで、成長を加速させます。

よくあるニーズ・お悩み

  • 自分のことばかりを考える傾向にあり周囲への配慮が足りない
  • 気配りや相手の立場に立った行動を身につけてほしい
  • 共有物の使い方、印鑑の種類、郵送の仕方など身近な知識が足りていないことが多い
  • あいさつなどで相手の印象をよくし、信頼関係をしっかり築けるようになってほしい

本研修の目標

  • 10のポイントで仕事への姿勢を理解する
  • あいさつ、整理整頓など身の回りのことを徹底するポイントを知る
  • 周辺に配慮するために必要な知識を得る
  • 相手の行動の先読みをするための考え方を知る

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セットでおすすめの研修・サービス

(半日研修)【人格の陶冶】社会人としてのモラル・倫理観を高める

仕事における「モラルある行動」とは、単にルールを守ったり、マナーに従うことではありません。明文化や定型がない中でも、「バレなければ平気」ではなく、自分の中に「あるべき姿」を持ち、確固とした判断軸に従って行動することが、モラルのある社会人としての行動につながります。

本研修では、受講者同士の討議を通して、ルールとして明文化されていなくても、社会人としてモラルに従った行動がとれる新人の育成を目指します。

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(新入社員・新社会人向け)シミュレーション研修~実践形式で行う新人研修総まとめ編(2日間)

お客さま先への訪問から上司への報告、企画提案のプレゼンまでを想定し、限られた情報と時間の中で期待に応えるために試行錯誤する実践型シミュレーションです。「ビジネスマナー」「電話応対」「報連相」「チームワーク」「プレゼン」などのスキルを、分かるからできるに変える新人研修の締めくくりに最適なプログラムです。

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【ラインナップ】新入社員研修

近年の新入社員は、与えられた指示を正確に遂行する力は高い一方、「失敗を避けたい」という思いから、正解を求める傾向があります。正解がはっきりしない場面や、自ら考えて動く必要がある場面では戸惑い、なかなか行動に移せないことが多くみられます。

「先回り」して知識を付与すること、「実践」で経験を積ませることは、今の新人・若手を早期に活躍させるうえでの重要なポイントです。さらに、デジタルネイティブ世代にとって成長実感を得やすく、得意分野にできる「デジタル」関連の教育は、飛躍を実現する原動力となります。

インソースでは、これらのポイントを踏まえ、内定者から新人・若手まで一貫した育成プログラムをご用意しております。入社前に身につけた基礎を研修でしっかり固めることで、新人が安心して成長し、現場で力を発揮できるようご支援いたします。

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