新人・若手から育むリーダーシップ~4段階の育成プロセスで組織を強くする

リーダーシップは、一部の人だけが持つ特別な能力ではありません。新人から始めて段階的に育んでいくことで、誰もが持ちうる力です。特に不確実性が高まる今、危機や変化に強いリーダーを育てることが、組織の持続的成長には欠かせません。
本コラムでは、新人・若手・中堅といったそれぞれの段階で取り組むべきポイントを整理し、実践的なリーダーシップ教育の方向性をご紹介します。
新人期~困難に向き合う姿勢と振り返りの習慣
リーダーシップの第一歩は、新人として「社会人の基盤」を固めることです。それは単に目の前の仕事をこなすだけではなく、困難に直面しても諦めず挑戦し続ける姿勢や、自らを振り返り改善していく習慣を持つことにあります。
新人期に身につけたい姿勢
- 困難に向き合う粘り強さ
うまくいかないことや壁にぶつかることは避けられません。その時に「やり切る」「工夫して突破する」姿勢を持つことが、リーダーとしての成長の土台となります。 - 振り返りと改善を繰り返す習慣
仕事が終わった後に「どこがよかったか」「どこを直すべきか」を必ず振り返ることで、次の行動がより良いものになります。この改善サイクルが、成長を加速させます。 - 学び続ける意欲
上司や先輩からのフィードバックを素直に受け入れ、知識やスキルを吸収していくことが、早期の成長につながります。
新人期にこうした姿勢を身につけることで、将来的に危機や変化の中でも冷静に行動できるリーダーシップの芽が育ちます。
若手(2~3年目)~与えられた環境下で、創意工夫し成果を広げる
入社して数年、若手期になると任される範囲が広がり、責任ある業務を担う機会も増えます。この段階で大切なのは、新人期に培った基盤をさらに強化し、困難に挑む姿勢を成長の糧へと変えていくことです。また、今ある環境や限られた資源を最大限に生かし、自分なりに創意工夫をすることが、次のリーダーシップにつながります。
若手期に身につけたい姿勢
- 困難を成長機会と捉える姿勢
難しい業務やトラブル対応を避けずに取り組むことで、自らの成長と周囲からの信頼を得ることができます。 - 創意工夫による成果の拡大
与えられた条件や限られた資源の中で工夫し、最大限の成果を引き出す力を養います。環境を変えるのではなく、生かす発想がリーダーシップの基礎となります。
中堅~他者の知見やスキルを活かし、成果への執着を持つ
単純に任された業務を担うだけでなく「成果へのこだわり」を持つことが必要となってきます。現状に満足することなく、さらに成果を出すにはどうするのか、また自身では困難と思われる仕事にも敢えて挑戦し、その中で適切な目標や計画の立て方を身につけていきます。さらに、自部署だけでなく他部署との協働にも取り組むことで、個の力では難しい課題もクリアできることを学んでいきます。
リーダー~組織全体の成果を意識する、管理職への意識転換
自分の成果だけでなくチームや組織全体の成果を意識する段階に入ります。既存のやり方に疑問を持ち、改善を提案し、新しい試みに挑戦することが求められます。
後輩を育てる役割も増えるため、全体を見渡しながら成果を最大化する意識が必要です。こうした意識改革を進めることで、危機や変化に対応できるリーダーへと成長します。
危機・変化に強いリーダーに共通する力
- 困難に挑み続ける粘り強さ
- 振り返りと改善を繰り返す習慣
- 今ある環境・資源を最大限に生かす創意工夫
- 一つ上の階層の視点を持つ
- 組織全体を見渡す視点と育成意識
これらは一度に身につくものではなく、段階ごとの積み重ねによって育まれていきます。
リーダーシップは、役職に就いてから学ぶものではなく、新人期からの挑戦と改善の積み重ねで育ちます。若手期には困難を糧にし、創意工夫によって成果を広げ、中堅期には組織全体を意識することで、危機や変化にも強いリーダーが育ちます。
組織として段階的に教育を進めることが、持続的な成長を支える土台となるのです。
新人・若手から段階的にリーダーシップを育むプラン
現場の状況を柔軟にとらえ、素早い判断で成果を上げる「危機に強い」主導者を創出するには、新人のうちから時間をかけて戦略的に「リーダーシップを開発する」ことが大切です。
新人からリーダー層までを4階層に分け、各2回の研修を通しリーダーシップを身につけていただくプランです。
現状の課題
- リーダーシップを発揮できない
- 若手・中堅の仕事への姿勢が好ましくない
解決策
- 「組織が求めるリーダーシップ」を構成する要素を詳細に提示し、周知する
- 特定メンバーにのみ、一度にリーダー研修を実施するのではなく、新人の時から徐々に「組織が求めるリーダーシップ」の構成要素を身につける教育を全員に実施する
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