OJT中盤で見える新人の伸び悩みと育成担当者の負担~「育成の仕組みづくり」で悩みを解決

新年度に入社した新入社員も、夏を迎える頃には配属先の業務にある程度慣れ、日々のOJTも中盤に差しかかってきます。
各部署でのOJTが着実に進む一方で、次のような「伸び悩み」が気になってきた、という声もよく耳にする時期です。
- 複雑な対応になると、すぐに先輩に頼ろうとする
- 新しい業務に対し「まだ教わっていません」と消極的な姿勢を見せる
- 指示されたことはこなすが、自分で考えて行動しようとしない
新入社員が「先輩」として後輩を支える立場になる前に、こうした課題を乗り越え、「積極性」や「主体性」を発揮できるようになるには、このタイミングでOJTの進め方を見直してもいいかもしれません。
OJT担当者を支える「育成の仕組みづくり」
伸び悩む新人に対して、OJT担当者もまだ経験の浅い若手であることが多く、一方的な手順指導だけでは通用しないと感じながらも、どう関わればよいか戸惑う場面も少なくありません。こうした問題を解決するためには、「OJT担当者を一人にしない」「育成に組織全体で関わる」ことがポイントとなります。具体的な施策は以下の3つです。
1.OJT担当者の指導力向上を支援する
まず必要なのは、OJT担当者自身の育成です。若手が指導にあたる際は、「どのように声をかければよいか分からない」「後輩との距離感がつかめない」といった不安を抱えています。だからこそ、コミュニケーションやフィードバックの基本を改めて学ぶ機会を用意し、安心して指導に臨めるようにすることが大切です。
2.上司やチームメンバーも育成に関わる
指導はOJT担当者の専任業務ではありません。育成の視点で周囲のメンバーや上司が関与することで、新人の視野が広がり、チーム内で「教え合い・学び合い」が自然と生まれてきます。例えば、業務の振り返りをチームで行う、定期的な1対1面談を実施するといった工夫も有効です。
3.成長を「見える化」して励みにする
「できたこと」「成長したこと」を明確に言葉で伝えることで、新人自身の自己効力感が高まり、次のチャレンジへの意欲が生まれます。そのためには、業務の指示だけでなく、日々の関わりの中で承認や励ましの言葉を惜しまない姿勢が求められます。
OJT指導への前向きな意識が「次世代リーダー」を目指すきっかけに
指導する立場になった若手社員にとって、「育成は面倒なもの」と感じさせてしまうと、その先の成長にも影響します。逆に、「新人の成長が自分の励みになる」「関わり方で相手の変化が見える」といった喜びを実感できると、リーダーシップやマネジメントに対する意欲も高まっていきます。
つまり、組織全体で育成する仕組みをつくることは、新人の主体性を育むだけでなく、将来のリーダー候補を増やし、組織を強くすることにもつながるのです。
指導力強化研修~新人・若手のホウ・レン・ソウを上達させる(1日間)
本研修では、新人・若手のOJTを担う方を対象に、ホウ・レン・ソウを自然に引き出す指導スキルを1日で習得します。「自分で考えず、すぐに聞いてくる」「いいことは報告するが、不都合なことは報告しない」など実際に考えられる部下・後輩のケースを通じて、後輩が主体的に動くよう促す声かけや距離感の取り方を実践的に学び、安心して育成に臨めるようになります。
よくあるニーズ・お悩み
- 部下・後輩がなかなかホウ・レン・ソウをしてくれず、悩んでいる
- 部下・後輩が報告や相談をしやすいような環境づくりがしたい
- 部下・後輩とのコミュニケーションそのものを改善したい
本研修のゴール
- 部下・後輩が安心してホウ・レン・ソウを行える環境づくりや動機付けができる
- 部下・後輩のホウ・レン・ソウに対して、適切な指導やフィードバックができる
- 部下・後輩のタイプ別に、指導方法を使い分けることができる
セットでおすすめの研修・サービス
内気な人のためのOJT指導研修~控えめだからこそ寄り添える強みを生かす
OJT担当は新人・後輩と長時間を共にします。内気で人とのやり取りに疲れやすい人にとっては重荷となり、自分に適任か不安を抱くこともあります。しかし、指導を受ける部下側からの評価は意外に高く、その上司も内向的な指導者の「堅実さ」を買っています。
本研修は、内気を自認する人に向けて、自分の特性を部下指導における長所に変えていただくための考え方と手法をお伝えするプログラムです。
チームメンバー育成研修~教え合いで自律的に学び続ける
プロジェクト型の仕事が増えつつある現代は、世代や階層の異なるメンバーとチームを組んで働く機会が少なくありません。
本研修では、特定の指導者をつけずにメンバー間で行う育成の手法や、教え合いのコツを学びます。異なる経歴を持つメンバーが属するチームにおける、教える・教わる関係が固定されない仕組み作りや、自律的に学び続けられるようにサポートする方法を考えます。
OJT監督者講座~OJT担当者を支援し、戦略的に部下を育成する
本講座では、OJT監督者としての役割を理解し、効果的な部下育成のサポート方法を学びます。特に、現代の若手社員を指導するOJT担当者が抱える悩みや不安に焦点を当て、それらを解消するための具体的な方法を詳しく解説します。




