新任・初級管理職を育てるアセスメント活用法~課題可視化から実践ステップまで
新任管理職・初級管理職の育成にアセスメントを活用する具体手法

リーダーとしての責任が増す新任管理職や初級管理職にとって、自身の強みや課題を客観的に把握することは成長の第一歩です。
しかし、多くの組織では「感覚や経験」に頼った評価や育成が中心で、個々の管理職に最適な支援が行き届いていないケースが散見されます。そこで注目されるのがアセスメントを活用した管理職育成です。本記事では、アセスメントの具体的な活用方法と実践ステップを解説し、即行動に移せる知識を提供します。
新任管理職が必ず直面する3つの部下育成の壁~見落としがちな落とし穴
新任管理職は、部下管理や業務推進、報告・連絡・相談など複数の役割を同時に担う必要があります。その結果、以下のような課題が生じやすくなります。
- 部下指導の方法が不明確で、個々の能力を十分に引き出せない
- 自身のリーダーシップスタイルや意思決定の癖を客観的に理解できていない
- 役割期待と自己認識の間にギャップがあり、成果を安定して出せない
こうした課題を整理する際に、アセスメントは客観的データを提供する重要な手段となります。
アセスメントを活用するメリット
1.能力や課題を可視化
アセスメントにより、管理職一人ひとりの強み・弱みや行動特性を定量的に把握できます。これにより、育成方針を個別化でき、効果的な研修計画やOJT支援につなげられます。
2.育成効果の測定が可能
研修や育成施策を実施後も、再度アセスメントを行うことでスキル向上や課題解消の度合いを確認できます。これにより、育成施策の改善や次のステップを具体的に判断できます。
3.管理職自身の自己理解を促進
アセスメント結果は客観的なフィードバックとなり、管理職自身が自身のリーダーシップスタイルや行動傾向を理解するきっかけとなります。自己認識の向上は、部下育成や意思決定力の向上につながります。
実践ステップ:アセスメント活用による管理職育成
管理職の強みと弱みを数値化する~アセスメントで課題を見える化
まずは、管理職の役割と期待される成果を明確化します。その上で、アセスメントにより現在のスキルや課題を把握することが重要です。例えば、リーダーシップ力、課題解決力、コミュニケーション力など、業務上必要な能力項目ごとに現状を可視化します。
課題別に育成プランを設計する~具体的アクションで成果を出す
アセスメント結果をもとに、各管理職に適した育成計画を策定します。例えば、
- コミュニケーションに課題がある場合は、部下との1対1面談の実践とフィードバックの機会を増やす
- 意思決定が遅い場合は、ケーススタディや小規模プロジェクトでの経験を積ませる
など、具体的な行動に落とし込むことが重要です。
研修とOJTを連動させて成果を上げる管理職育成のステップ
アセスメントは単独で効果を発揮するわけではありません。研修やOJT、上司やメンターによるフォローアップと組み合わせることで、管理職の成長を加速できます。定期的にアセスメントを実施し、進捗を可視化することで、計画の柔軟な修正も可能です。
インソース流育成の具体例~課題解決と成果向上のストーリー
インソースでは、新任管理職向けに階層別アセスメントを活用した育成プログラムを提供しています。アセスメントにより個々の課題を可視化し、研修とOJTを組み合わせて育成を実施。結果として、多くの管理職が部下育成力やリーダーシップ力を着実に向上させています。
アセスメントを活用した育成のポイント
- アセスメント結果を育成計画に直結させる
- 定期的に結果を振り返り、計画を柔軟に修正する
- 管理職本人の自己理解を促し、主体的な成長を支援する
- 組織全体での育成方針と連動させる
これらのポイントを押さえることで、育成効果を最大化できます。
管理職育成におけるアセスメント活用の効果
新任・初級管理職は、組織における重要な役割を担っています。個々の強みや課題を客観的に把握し、適切な育成計画を立てることが、組織全体の成果向上につながります。アセスメントを活用することで、管理職育成の効果を高め、実践的な行動につなげることが可能です。
階層別テスト 初級管理職
「階層別テスト」では、当社がこれまで実施してきた研修・コンサルティング・アセスメント等に基づき、初級管理職の社員に求められるスキルを洗い出し、以下の通りのカテゴリを作成しました。
①プロジェクトマネジメント、②経営戦略、③人材マネジメント、④リスクマネジメント、⑤コストマネジメント。本テストではこれらのカテゴリ・スキルについて、ビジネス場面で必要な「知識」を問うとともに、ケーススタディなどを通じてそれを「活用できる力(活用力)」を有しているかどうかを測定します。
セットでおすすめの研修・サービス
【アセスメント研修】次世代リーダー研修~自身の強みと課題を知り、キャリアアップする(2日間)
本研修では2日間の研修を通じてリーダーとしての強みや課題を把握し、それらを踏まえて自身のリーダーシップの確立や苦手の克服を目指していただきます。必要なマインドやコミュニケーションスキル・業務管理の手法を学び、リーダーとしての素地を強化します。
上記と並行してチームディスカッションやビジネスゲームでのアウトプットを課題探求性・チャレンジ・完遂性・協働性からなる8つの項目からアセッサーが評価することで、知識の定着度合いや応用力・自身の思考の特徴を客観的に評価します。
研修後には、「個人ごとの強み」および「改善すべき事項」を記載した個人評価シートをお渡ししますので、行動変容や能力開発につなげることができます。
次期管理職向け研修~プレイヤーとの違いを理解し、その日に向けて準備する
次期管理職候補の方の中には、すでに管理職と同レベルの業務を実質的に担っている方もいらっしゃいます。しかし、それはあくまで管理職の一部の機能のみを実践しているだけかもしれません。
本研修では管理職に求められる役割をあらためて理解し、達成すべき組織目標を活動計画に落とし込むワークなどを通して求められる心構えとスキルを学びます。


