論理的思考力を全社で高める4ステップ~アセスメントから始める研修設計のポイント
![]()
論理的思考力は、組織一丸で業務を推進するための共通言語として欠かせないスキルです。
しかし、論理的思考力を体系的に育成する仕組みを持つ組織は、まだ多くありません。
本記事では、論理的思考に関する全社研修の設計ポイントを事例で紹介します。
論理的思考の全社教育事例
事例1.論理的思考アセスメントを半年に1回受検し、スキルアップを確認する
ある企業では、半年に1回「論理的思考アセスメント」を実施しています。個人のスキルを定量的に把握し、その結果に応じて、ロジカルシンキングやクリティカルシンキング、ラテラルシンキングなどの公開講座を受講。アセスメント→学習→再測定のサイクルを回すことで、社員一人ひとりの成長を実感できる仕組みをつくっています。
事例2.論文作成、問題解決力テストに対する添削指導を受けて繰り返し学習する
別の企業では、論文作成や問題解決テストを通じて、論理展開の力を磨いています。動画で基本を学んだうえで、課題を提出し、専門講師による添削フィードバックを受ける仕組みです。合格点に達しなかった場合は追試を実施するなど、「できるまで支援する」姿勢で、社員の思考力定着を後押ししています。
研修カリキュラム作成のステップ
上記の事例からわかるように、論理的思考力研修は、座学だけでは成果につながりません。アセスメントで現状を把握し、目標に沿って演習を実施、フィードバックを受けるといったステップを踏むことで、スキルが定着します。
研修カリキュラムを立てる際は、4つのステップを意識することが重要です。
1.現状分析と課題設定
研修設計の第一歩は、社員の現状スキルを把握することです。アセスメントツールを活用し、層別に能力の差や弱点を可視化します。これにより、研修内容を最適化できます。
2.学習目標の明確化
研修で何を達成させたいのかを具体化します。たとえば、若手なら「課題を整理し、順序立てて報告する力」、中堅なら「問題解決の意思決定精度向上」、ベテランなら「経験に基づく属人的判断を論理的に再構築する力」といったように、明確なゴール設定が効果を左右します。
3.実務に直結した演習設計
座学中心ではなく、実務課題に基づくケーススタディやグループ演習を取り入れます。演習を通じて、考え方の整理、優先順位付け、論理の筋道の立て方を体感できる内容にします。
4.フィードバックと定着
演習後のフィードバックは、論理的思考の精度を高める鍵です。講師や同僚からの具体的な指摘をもとに、自分の思考パターンを振り返り、改善策を明確にします。さらに、研修後のフォローアップや職場での実践課題を組み合わせることで、学んだ内容が定着します。
社員の成長を加速させる具体的アクション
研修設計に加え、日常業務でも論理的思考力を育む環境を整えることが重要です。
- 日報や議事録で「課題→原因→解決策」の構造を意識させる
- ミーティングでの意思決定プロセスを可視化し、論理の筋道を確認する
- 部下への指導やレビューで論理的整理の手法を伝える
これらの取り組みを組み合わせることで、研修の学びを日常に定着させることができます。
論理的思考力育成がもたらす組織的成果
論理的思考力の育成は、社員個人の業務効率向上だけでなく、組織全体の生産性や意思決定の質を高めます。若手からベテランまで、段階に応じた研修設計と実務での活用が成功の鍵です。現状分析、明確な目標設定、実践演習、定着支援の流れを押さえ、組織全体で論理的思考力を底上げすることが重要です。
階層別テスト|「論理的思考力強化版」、「技術系マネジメント力追加版」
「階層別テスト」では、当社がこれまで実施してきた研修・コンサルティング・アセスメント等に基づき、若手、中堅、ベテラン向けの3階層については、スタンダードの設問に論理的思考に関する設問を4題追加した、「階層別テスト~論理的思考力強化版」を用意しています。
【若手向け】全38問...スタンダード34問+論理的思考強化版4問
【中堅向け】全33問...スタンダード29問+論理的思考強化版4問
【ベテラン向け】全32問...スタンダード28問+論理的思考強化版4問
セットでおすすめの研修・サービス
昇級・昇格試験で活用できる階層別テストオプションサービス
通常の「階層別テスト」では、テスト受検後すぐに個人レポートで、テスト結果を確認することができます。
しかし、昇級・昇格試験では、テスト問題や正解が流出して公平性を損なう場合があります。その対策として、テスト受検後、一定期間、個人レポートを非公開にすることができます。設問、回答、正誤も見ることができなくなりますので問題の流出を防ぐことができます。
お申し込み時にお申し出いただきましたら、弊社にて公開/非公開の設定を変更いたします。また、アセスメント環境発行後に設定を変更することも可能です。設定変更については、数回であれば、無料で対応させていただきます。
インソースの人材アセスメントサービス
「世の中に、活躍できない人はいない!」というコンセプトで作られたアセスメントサービスです。
インソースの人材アセスメントサービスは、個人個人の「能力やスキル」だけではなく「特性(らしさ)」を見える化します。多くの人材が活躍できるような人事戦略を遂行していくことが、長期的に組織が成長していくエネルギー(資産)になると考えています。
もちろん選抜人材の育成も重要ですが、一人ひとりが何を感じ何を思い、何を目指しているかも汲み取り、すべての人材が、より活躍できるような支援を目指しています。
金融・生活 リテラシーアセスメント
新入社員~5年目までの若手社員を想定対象者としている「金融リテラシー」のアセスメントです。
「金融リテラシー」とは、金融商品・サービスを利用する上で必要な知識や判断力のことです。 2022年4月に成年年齢が18歳に引き下げられ、高校教育でも資産形成の授業がスタートしています。
しかし、従業員の「金融や経済に関する知識や判断力」に関して、人事部には根強い課題感があります。特に「投資」、「契約行為」、「ローン/借金」、「詐欺・ギャンブル」など、金銭トラブルについては、多くの事例が聞かれます。社員を金融トラブルや不祥事から守るために、また、金融リテラシーの向上が、社員の就労意欲を高めるためにご活用ください。


