アセスメント統計からみる上級管理職の「経営視点不足」~財務・マーケティングの強化とアセスメント活用法

上級管理職に求められる役割は、自部署の方針を定め、経営戦略を実行・推進することです。
しかし、当社がこれまで多数の企業に対して実施してきたアセスメント結果を分析すると財務知識やマーケティングなど、経営に直結する分野での知識不足が明らかになっています。これは特定の企業に限った現象ではなく、上級管理職層に広く見られる傾向です。
本記事では、複数企業のアセスメント結果から浮かび上がった上級管理職の課題、その改善施策を紹介します。
上級管理職の共通課題は「財務知識」と「マーケティング」
財務知識に関する設問の正解率は50%程度
当社の階層別アセスメント結果では、コストマネジメントの平均点が最も低く、標準偏差も大きい傾向が見られました。特に財務知識に関する設問の正解率は、初級管理職で約60%、上級管理職では約50%にとどまっています。経営状況を適切に理解するためには、経営数字の見方や財務知識が欠かせません。
マーケティング知識についても正答率50%
また、「経営戦略」の出題分野の平均点も低い傾向であり、特にマーケティングに関する設問の正解率は初級・上級管理職ともに40〜50%程度でした。管理職として業績拡大を主導するうえで、基礎的なマーケティング知識は不可欠であり、財務知識と同様に共通課題として全体教育をすることが求められます。
アセスメント結果から導かれる、上級管理職育成の重点改善策
アセスメント分析によって、上級管理職では「財務知識」と「マーケティング」に課題がある傾向が明らかになりました。これらの課題に対しては、以下のような改善策が考えられます。
財務リテラシーの底上げ
- 損益計算書・貸借対照表・キャッシュフローの読み方を実務に紐づけて学習
- 自社の財務データを題材にした演習の実施
- コスト構造を可視化し、意思決定にどう影響するかを学ぶ
マーケティング基礎の体系的な習得
- STP・4P・カスタマージャーニーなどの基本フレームを理解
- 自社市場・顧客分析のワークショップ
- 「売上をつくる視点」を強化するケーススタディ
アセスメントを活用した、スキルアップ施策の進め方
明らかになった課題を着実に解消するためには、アセスメント結果をどのように育成計画へ反映するかが鍵となります。ここからは、アセスメントを起点としてスキルアップ施策を進めるための具体的な進め方を紹介します。
アセスメントを利用して現状を可視化する
まず必要なのは、どの分野で強みを持ち、どの分野に課題があるのかを客観的に可視化することです。アセスメントは、感覚的な評価に頼るのではなく、数値として把握できる点が大きな強みです。正答率や標準偏差を確認することで、教育の優先順位を明確にすることができます。
アセスメント結果をデータ分析し、研修計画を立てる
可視化されたデータをもとに研修計画を策定します。個人差が大きいカテゴリについては、全員一律の教育ではなく、個別最適化された学習支援が必要です。
アセスメントで高得点を取った層には高度な内容を、苦手な層には基礎からの学び直しを提供することで、効率的に底上げを図ることができます。
実践を通じてスキルを定着させる
知識を学ぶだけでは不十分であり、実務に応用する機会を設けることが欠かせません。例えば、研修で学んだ財務知識を部門予算の策定に活かす、マーケティング戦略を新規事業の企画に適用するなど、現場での実践を通じてスキルを定着させることが求められます。育成施策は、学びと実践を往復する仕組みにすることで、成果へとつながります。
アセスメントを起点にした上級管理職育成のすすめ
上級管理職のマネジメント力を高めるためには、まず現状を正しく把握することが欠かせません。アセスメントを通じて財務知識やマーケティング理解の不足を明らかにし、データに基づく育成施策を展開することで、組織全体のマネジメント力を底上げできます。特定の個人に依存せず、全員が一定以上の知識とスキルを持つ状態を目指すことが、持続的な成長の基盤となります。
階層別テスト 上級管理職
インソースでは、上級管理職の能力を可視化し、育成に結びつけるアセスメントサービスを提供しています。財務やマーケティングを含む幅広い分野で、組織の課題を明確化し、具体的な育成プランを策定することが可能です。
「階層別テスト」では、当社がこれまで実施してきた研修・コンサルティング・アセスメント等に基づき、上級管理職(部長以上の社員と想定)の社員に求められるスキルを洗い出し、以下のカテゴリを作成しました。
- プロジェクトマネジメント
- 経営戦略
- 人材マネジメント
- リスクマネジメント
- コストマネジメント
本テストではこれらのカテゴリ・スキルについて、ビジネス場面で必要な「知識」を問うとともに、ケーススタディなどを通じてそれを「活用できる力(活用力)」を有しているかどうかを測定します。
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上級管理職研修~経営代行者としての責務を果たす
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もはや、前例を踏襲していくだけでは企業、組織を守り、大きく成長させることは困難です。そんな現代の部長が持つべきマネジメント能力を向上させる研修です。
中期経営計画策定を通して、経営者視点を身につけるプラン
約半年間で次期経営者候補が実際に中期経営計画を策定し、成果物の発表、講師のフィードバックまで行います。その中で、組織の将来を創る経営者としての視点を醸成していくプランです。
管理職を10~20名程度選抜し、中期経営計画の立て方を学びます。次に、自社の利益構造を把握する視点と新たに企画を立てるスキルを強化します。計3回の研修を通じて、経営計画力を向上させ、実際に計画書を策定します。講師からのフィードバックで改善を重ね、最後はプレゼンテーションを行います。
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