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データ分析のやり方はシンプル!初心者でもすぐに実践できる基本の3ステップ

データ分析に挑戦してみたいけれど、結局どうやって進めればいいのだろう?

これは、多くの方が最初に直面する課題です。Excelによる集計までは対応できても、その先の分析段階に進もうとすると、途端に進め方が不明瞭になり、立ち止まってしまうことが少なくありません。必要なデータの収集方法、適切な分析手法の選択、成果物の活用方法など、判断に迷う場面は多岐にわたります。

もっとも、データ分析は特別な才能や高度な専門技術を必要とするものではありません。重要なのは、体系的な手順を踏むことです。分析の道筋を明確にし、そのプロセスに沿って進めていくことで、初学者であっても確実に成果を得ることが可能です。

本コラムでは、データ分析の基本的なやり方について、初めて取り組む方にも理解しやすい形でご紹介いたします。

データ分析のやり方~データ分析は課題解決のプロセス

データ分析の目的は、単なる数値の操作や集計ではなく、ビジネス上の課題を解決するための意思決定を支援することにあります。売上の停滞、顧客満足度の低下、コストの増加といった日々の現場で生じる課題の背後には、必ず原因と改善の手がかりが存在します。データ分析とは、そうした手がかりを体系的に見出すプロセスといえます。

このプロセスを着実に進めるためには、出発点と到達点を明確に定め、適切な手順を設計することが不可欠です。

データ分析の前に~目的・仮説を立てる

データ分析の前に大切なのはなぜデータ分析を行うのかを言葉にすることです。

例えば売上が落ちている原因を知りたい新商品のターゲットを明確にしたいといった具体的な問いを出発点にします。課題が曖昧なままでは、どんなに立派なデータを扱っても迷走してしまいます。

次におそらくこうではないかという仮説を立てます。

例:売上が下がっているのは特定の地域で需要が落ちているのではないか
新商品のターゲットは30代の男性がいいのではないか

仮説を検証する作業としてデータ分析を行うため、仮説は正しくなくても構いません。

データ分析のやり方~基本の3ステップ

データ分析の基本の3ステップは以下の通りです。各ステップについて詳しく解説します。

ステップ1.データを収集・整備する

まずは、課題と仮説を検証するためのデータを集めます。販売データ、顧客アンケート、アクセスログ等の社内にあるデータや、政府機関や公的機関の公開データを活用します。

ただし、データはそのままでは欠損や誤記が含まれることが多いため、前処理としてデータの整形と加工を行うことが不可欠です。データ整形はデータクレンジングとも呼ばれます。 データ整形はデータを正しくするため、データ加工はデータを使いやすくするための作業です。

ステップ2.分析手法を選び、実行する

次は、どの手法でデータを読み解くかを決めます。単純な集計やクロス集計から始めても十分に価値があります。慣れてきたら相関分析や回帰分析なども検討するとよいでしょう。重要なのは難しい方法を使うことではなく、課題に合った方法を選ぶことです。

分析手法の例

  • クロス集計:2つ以上の設問項目を組み合わせて集計する
  • 基本統計量:平均、中央値、標準偏差をまとめて表示する
  • ヒストグラム:データの分布状況を視覚的に表現する
  • 移動平均:短期的な季節変動やイベントの影響を除外して、長期的な傾向を把握する
  • 相関分布:2つの変数の間にどの程度関係があるかを示す
  • 回帰分析:2つの変数の因果関係を予測する

ステップ3.結果を解釈し、洞察を得る

分析の結果はグラフや数値として現れますが、それをどう解釈するかが本当の勝負です。地域Aではリピーター率が低いという発見があれば、その背景にある要因を考え、改善策に結びつけます。データはあくまでヒントをくれる存在であり、意思決定をするのは人間です。

また、分析結果は可視化することで情報が直感的に理解しやすくなり、説明や意思決定を円滑にする効果があります。目的に応じて適切なグラフを選び可視化しましょう。

グラフの選び方

  • データ項目の比較:棒グラフ、円グラフ、レーダーチャート
  • データ項目同士の関係:散布図
  • 時間経過による推移:折れ線グラフ
  • データの散らばり具合:ヒストグラム、箱ひげ図

データ分析は小さなステップの積み重ね~初心者におすすめの進め方

データ分析の初心者がよくつまずくのは手法から入ってしまうことです。

フォーマットを活用して必要な情報を洗い出し、基本のステップに沿って小さく検証を繰り返すことが成長の近道になります。

データ分析は、特別なスキルを持った専門家だけのものではありません。正しいステップに沿って一歩ずつ進めれば、誰でも成果を得ることができます。重要なのは、課題を明確にし、仮説を立て、データを整え、分析して、アクションに結びつけるという流れを常に意識することです。

今日からできる最初の一歩として、自分の仕事の中でデータを見て解決したい課題を一つ書き出してみてください。その問いが、あなたのデータ分析の出発点になります。

インソースでは、データ分析に取り組むビジネスパーソンを応援するための研修を数多くご用意しております。ぜひご活用ください。

データ分析のやり方をより詳しく学びたい方におすすめの研修

はじめてのデータ分析研修~データを読み解く力を習得する

本研修では、PCを使用せずに「データの読み解き方」を学びます。

統計学の基礎知識に基づいたデータを読み解く力を習得し、実際のビジネスでデータを活用するイメージを身に付けます。

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ビジネスデータの分析研修~職場で活かせる統計の基礎とデータ活用法を学ぶ

本研修では、PC(エクセル)を使用して「データ分析の手法」の基本を学びます。ビジネス場面に応用できるデータ分析の基本的な考え方やデータ整理の仕方を学んだ上で、エクセルを用いた相関係数の計算や回帰分析の手順を習得していただきます。

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課題設定力、仮説思考力を身につけたい方におすすめの研修

課題設定力研修~主体的な問題解決のための手法とマインド

本研修では、本当に解決すべき重要な問題を見極める「問題発見~問題分析~課題設定」までの、問題解決に必要な課題設定までのプロセスに特化して学んでいただきます。

日々様々な問題に取り組む中で、より本質的で価値のある解決方法を模索する全てのビジネスパーソンに向けた研修です。

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仮説構築力向上研修~仕事の精度とスピードを高める思考法を身につける

本研修では、スピーディかつ効率的に結果を出すための方法として、先にあたりを付けてその正誤を確かめる、という仮説思考の基本を学びます。

ソリューション提案や課題解決など業務のあらゆるシーンで必要とされる仮説の構築・検証ができるようになることを目指します。

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Excel、Pythonを使った本格的なデータ分析を身につけたい方におすすめの研修

<速習!>(半日研修)(中級者向け)Excel研修~ピボットテーブルを用いたデータの集計・分析編

本研修では、羅列された数字・事象を、手軽に意味ある情報に変換できる「ピボットテーブル」の使い方を学ぶ研修です。

実践を通じ、使えるようになるための慣れを蓄積いただきます。

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(2時間研修)モダンExcel研修~操作実演でPower Query、Power Pivot、ダッシュボードを理解する

本研修では、「モダンExcel」と呼ばれるPower Query(パワークエリ)とPower Pivot(パワーピボット)を用いたExcelで、どのようなことができるのかを2時間で理解します。

最新機能を使うことで、複数のExcelやcsvに散らばった情報をまとめ、ミスなく集計し、さらに見栄えの良いダッシュボードとして瞬時に可視化できます。組織内のデータを扱う立場・役職の方のみならず、その方々に指示を出す上席の方にとっても、有益な研修です。

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データ分析を行う際に必要となる考え方についても、ワークを通して身につけていただくことができます。 Pandasの基礎においても、演習問題を適宜挟むことによって、知識の定着を図ります。

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