「営業3.0」って何?~モノを売る「営業1.0」、ソリューションを売る「営業2.0」の先にある共創型営業の姿

顧客の注文に応じて速やかにモノを調達する「御用聞き営業」、顧客の課題を解決するための商品・サービスのパッケージを提供する「ソリューション営業」。
これらは、現在も顧客から支持される重要な営業スタイルです。しかし、これらの営業スタイルだけでは、顧客満足を実現し、選ばれ続けることが難しいケースもあります。
解決策はもちろん、何が課題なのかすらまだ見えていない顧客に対し、目指す成果を一緒に定め、課題を見つけ、策を組み立て、成果が生まれるまで関わり続けるような営業スタイルが今、求められています。モノを売る「営業1.0」、ソリューションを売る「営業2.0」の先にある「営業3.0」、つまり「共創型営業」を実践するためのポイントを解説します。
営業1.0・営業2.0・営業3.0の違いとは
あらためてここで、営業1.0、営業2.0、営業3.0の違いについて整理しておきます。営業1.0は、商品やサービスそのものを売る営業です。機能、価格、品質、納期などを説明し、いかに自社商材が競合より優れているかを伝え、選んでいただくことが中心になります。お客さまの課題が明確で、比較対象もはっきりしている場合には、今でも有効な営業スタイルです。
営業2.0は、課題解決型の営業です。お客さまの困りごとを聞き取り、その解決策として自社の商品やサービスを組み合わせて提案します。営業1.0よりもお客さまに対する深い理解が求められ、提供するものの付加価値も高まります。
では、営業3.0とはどのようなものでしょうか。まず、お客さま自身もまだ言語化できていない課題を一緒に整理し、何を目指すべきかを定義するお手伝いから始めます。さらに、実行可能なシナリオを描き、成果が出るところまでお客さまと一緒に伴走します。こうした営業スタイルを表す「共創」とは、ある一時だけお客さまと関わる活動を指すものではありません。スタートからゴールまで、双方がともに知見、情報、リソースを持ち寄り、共に価値を生み出す継続的な活動となります。
共創型営業で最初にやることは「成果」の確認
営業3.0に移行するうえで、最初の分岐点になるのは、お客さまの「要望」をそのまま受け取るか、その先にある「成果」に目を向けるかの違いです。たとえば、「社員教育を強化したい」といったお客さまからの要望があったとします。営業1.0であれば、研修などの自社サービスの説明をするでしょうし、営業2.0であれば、その要望を実現するための解決策として、さまざまなサービスを組み合わせたパッケージを提案するでしょう。しかし営業3.0では、まず次のように考えます。
成果を確認するための問い
「その施策によって、どのような状態を実現したいのか」
「成果が出たと判断する基準は何か」
「現状と理想の間に、どのようなギャップがあるのか」
「お客さま側で変える必要がある業務、体制、行動は何か」
「導入後に、誰がどのように定着を支えるのか」
ここで大切なのは、お客さまの口にする要望を否定することではありません。要望を入口にしながら、その奥にある実現すべき成果をお客さまと同じ言葉で捉え直すことです。これにより、単なる見積依頼への対応ではなく、成果に向けたお客さまとの協働が始まります。
「ベンダー」ではなく「パートナー」と認識される分水嶺
お客さまから「ベンダー」と認識されるか、「パートナー」と認識されるか。その分水嶺となるのは、お客さまの要望にどれだけ高い満足度で応えられたかではなく、お客さま側の成果にどこまで当事者意識を持って寄与できたか、という営業側の思考です。たとえば、「新しいシステムを導入したい」と相談された場合、その要望に合う製品を提案するだけなら優秀なベンダーにはなれても、共創パートナーとは限りません。
営業3.0では、まず「システム導入によって、どのような状態を実現したいのか」を確認します。業務時間を短縮したいのか、ミスを減らしたいのか、顧客対応を改善したいのかによって、必要な取り組みは変わります。
さらに、お客さまの成果を妨げている原因がシステム以外にある可能性も探ります。業務手順、役割分担、評価制度、現場の習慣などに問題があるのなら、システムを導入しただけでは期待した成果は生まれないからです。このように、お客さまと一緒に成果を定義し、その実現に必要なことを共に考えるのがパートナーなのです。
営業3.0の活動はForward Deployed型になる
近年、FDE(Forward Deployed Engineer)と呼ばれる、現場に入り込んで実装まで責任を負うエンジニアが注目されています。営業3.0の活動は、必然的にこのForward Deployed型になっていきます。つまり、営業担当が社内に持ち帰って提案書をつくるだけでなく、お客さまの現場に近い場所で、課題の発見、仮説の提示、解決策の調整、導入後の定着支援まで関わる形になるのです。具体的には、次のような動きが必要となります。
共創型営業で実践したい行動
- 商談前に、お客さまの事業環境と業界動向を確認する
- 初期の面談では、商品説明よりも成果の定義に時間を使う
- ヒアリング内容を、現象・原因・制約・成果に分けて整理する
- 完成形の提案ではなく、仮説として方向性を提示する
- 導入後の定着、効果測定、改善サイクルまで提案に含める
- お客さま側の関係者が動きやすい言葉に翻訳して伝える
営業3.0は共創型の営業
Forward Deployed型の営業では、営業担当自身が「売る人」から「成果実現の前線に立つ人」へと役割を変えていきます。ここに、営業3.0の難しさと面白さがあります。
共創型営業研修~顧客と共に未来を創る「営業3.0」へのバージョンアップ(1日間)
ここまでご紹介してきた共創型営業の考え方とプロセスを、体系的に身につけていただける研修です。意識合わせから関係構築、テーマ設定、仮説構築、シナリオ設計、伴走支援まで、共創型営業の一連のプロセスをステップごとに学びます。あわせて、共創パートナーに欠かせない「誠実さと共感力」「俯瞰力と洞察力」「構想力と翻訳力」の身につけ方もお伝えします。
プログラムやワークは、お客さまの課題やお悩みに応じて柔軟にカスタマイズいたします。数を追う営業に限界を感じている、より付加価値の高い営業スタイルを模索しているといった課題をお持ちでしたら、ぜひ一度ご相談ください。貴社の営業を、次のステージへと後押しいたします。
おすすめの対象者
- ソリューション型サービスを提供する営業職
- 顧客の課題解決に携わるコンサルタント
- カスタマーサクセスとしての活動に関わる方
よくあるお悩み・ニーズ
- 数を追う営業に限界を感じており、より付加価値の高い営業スタイルを模索している
- 最近、ウチの商材に直接関係のない相談も受けることが多くなった
- コンサルティング料を堂々と見積りに入れられるようになりたい
セットでおすすめの研修・サービス
ソリューション営業研修~論理的思考強化編(1日間)
表面化していない顧客の課題を見つけるために不可欠な、深く考える力を養う研修です。ソリューション実現のための7か条や、6W3Hを用いた情報整理、PREP法(プレップ法)を活用したわかりやすい伝え方など、ロジカルシンキングの手法を自身の営業活動に直結させて学びます。
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