ストレスに負けないレジリエンスの鍛え方!~就職氷河期世代ライターの経験より

ストレスに負けないレジリエンスの鍛え方!
~就職氷河期世代ライターの経験より

現代の日本では、「働き方改革」や「ダイバーシティ推進」といった職場環境の改善に取り組む組織が増えています。しかし、職場でのストレスから心の病にかかり休職や離職してしまう人は依然として増加しており、深刻な社会問題となっています。

かく言う私も、未経験からライター職に転じた当初は、毎回真っ赤に修正指示が書き込まれた原稿を突っ返され、ストレスを抱える日々が続きました。

今では大幅な修正をされる機会は減りましたが、どんなに慣れた仕事でも、失敗したり挫折感を味わったりすることを完全にゼロにするのは難しいものです。大切なのは、困難にぶつかった際に生じるストレスと上手に付き合い、一日も早く前向きな気持ちを取り戻すことではないでしょうか。

そこで本日は、「ストレスとうまく付き合い、逆境を"チャンス"に変える」ための力、「レジリエンス」の鍛え方について、私の経験を交えながらお伝えします。

■レジリエンスとは?

「レジリエンス」とは、様々な日本語訳がありますが、ここでは、「困難にぶつかっても、しなやかに回復し、乗り越える力(=精神的回復力)」と定義します。レジリエンスを鍛えることで、仕事の失敗や責任などでストレスがかかっても心の健康を保ち、ストレスを自分の成長につなげる力が身につくと考えられています。

レジリエンスを鍛えるためのキーワードは以下の4つです。

1.感情のコントロール

2.自尊感情

3.自己効力感

4.人間関係

それでは、具体的にどうしたらよいのか見ていきましょう。

〔1〕「感情をコントロールする」スキルを身につけ、失敗を成長のチャンスに変える

どんなにストレスフルな状況でも成果を出せるビジネスパーソンは、自分の感情をコントロールするスキルを持っています。しかし、まだ実績をあげた経験の少ない若い世代やキャリアチェンジの途中にある人などは、仕事の失敗や責任の発生を重く受け止め、心が折れてしまいがちです。

苦しいことや辛いことがあっても柔軟に回復できるよう、自分の感情をコントロールするスキルは、ちょっと訓練すれば誰でも獲得することができます。

●自分の心の持ち方や物事の捉え方を変える

心理学には、「出来事(Activating Event)に対して、考え方・信念(Belief)が解釈を与え、結果(Consequence)として行動や感情が引き起こされる」という理論があります。この理論を、それぞれの頭文字をとって「ABC理論」といいます。

ABC理論図

私がライターの仕事を始めたばかりの頃は、ABC理論に当てはめると、このように考えがちでした。

A【出来事】今日もメールの文章に誤脱字が多く、上司から指摘を受けてしまった

B【考え方/否定的】ミスばかりする自分は使い物にならない

C【結果/行動や感情】ライターなんて向いてないから辞めてしまおう......

「自分のミス」という出来事ををなかったことにはできません。大事なのは、「起きてしまった出来事をどう解釈するか」です。考え方やものの見方を、否定的なものから肯定的なものに変えるだけで、失敗した後の行動が変わりました。

A【出来事】今日もメールの文章に誤脱字が多く、上司から指摘を受けてしまった

B【考え方/肯定的】ミスは誰でも起こすもの。次は気をつけよう!

C【結果/行動や感情】二度とミスが起こらないよう、チェックのやり方を見直そう!

このように、自分の心の持ち方や物事の捉え方を変えることで、失敗を「成長のチャンス」に変えることができます。

〔2〕困難に立ち向かう力は「自尊感情」から生まれる

自尊感情とは、一言で言うと「"自分には価値がある"と感じる気持ち」です。自尊感情が高い人は、自分の「強み」も「弱み」も含めて、ありのままの自分を受け入れることができます。自身で把握している「強み」と「弱み」のバランスを取ることで自尊感情が高まり、レジリエンスも鍛えられます。

しかし、自分の「弱み」はすぐに列挙できるけど、「強み」を見つけるのは難しい、という人も多いのではないでしょうか。

●「弱み」は「強みの原石」

「弱み」と「強み」は表裏一体だとよく言われます。自分では「弱み」だと思っていても、他の人から見たら「強み」になることがあります。

私の「弱み」としては、どちらかというと人見知りで、誰とでも気軽に話をするのが苦手だという意識があります。でも、それは慎重さの裏返しであり、気心の知れた相手とならと良好な関係を長く継続できるので、むしろ誠実さの証しという「強み」だと言ってもいいかもしれません。

このように、自尊感情を高めるには自分の「強み」を知ることが何より大切です。「弱み」とは「自分を成長させるための要素」であり、「強みの原石」と捉えることができるようになったら、こんなに心強いことはありませんね!

〔3〕「自己効力感」があれば何でもできる!

自己効力感とは、「私は達成できる」、「私は乗り越えることができる」と自信を持つ力のことを指します。「自分の中に、困難・課題を解決する力がある」と感じることで、実際に困難なミッションに立ち向かう時にも前向きに取り組めるようになります。

自己効力感を高めるために、2つの方法をおすすめします。

[1]成功体験を振り返り、自分の成長を実感する

「仕事で成功したことなんてあったかな......」と思う方も多いかもしれません。でも、これまでの経験を振り返れば、「できるようになったこと」が必ずあるはずです。

【私のライター初心者時代】

自分の原稿にたくさん赤が入ると、まるで自分そのものを否定されたような気になり、とても落ち込んだ。

【経験を積んだ現在】

要点を上手くまとめるテクニックや、終始一貫した文章の書き方などが身につき、ライティングスキルの向上を感じられるようになった!

このように自分の成長を実感することで、「成功体験の積み重ね」ができます。やがて、新しいミッションへの挑戦も、「私にはできる」と自信を持つことができます。

[2]上手くいっている人の真似をして、成功事例を自分のものにする

自己効力感を高めるための方法としては、「モデリング」も有効です。モデリングとは、自分が真似したいと思うお手本(ロールモデル)を立て、その人の所作や行動を真似ることで、その人と同じ結果を出すというものです。

【私が苦手だったこと】

メールやコラムの新しいテーマ探し。ミーティングで話を振られるのが辛い......

【真似した人】

同じ部署のアイデアマン。常に思いついたことを書き留めるためのツールを持ち歩いている

【真似した行動】

「ネタ帳」を作り、ニュースや新聞などで気になったワードを何でもメモする

【結果】

ミーティングの場においても、ただ座って話を聞いているだけの状況から脱して、自分のアイデアを口に出せるように!

このように、「自分に求められるスキルをすでに身につけている人」などをロールモデルにすると、よりモデリングの効果が高まります。

〔4〕良好な「人間関係」が心の支えとなる

困難な状況には、必ずしも独りで立ち向かう必要はありません。周囲と良好な関係が築けていれば、大きな助け得られます。自分の中だけで「私はできる」と思うより、周りの人に「あなたならできるよ」と言ってもらえたら心強いですよね!

職場で良好な人間関係を築くポイントは、「発信」と「傾聴」です。

[1]自己開示と情報発信をする

仕事で気兼ねなくコミュニケーションを取れるようになるには、「自分はこんな人間です」と周囲の人に知ってもらうことが有効です。そこで、自己紹介に使えそうな「自分情報」を洗い出しておくと、相手の状況に応じて情報発信がしやすくなります。

【自分情報の例】

年齢、社歴、出身地、出身校、家族構成、学生時代のサークル活動、休日の過ごし方、好きな食べ物、好きな映画、好きなスポーツ、etc.

たとえ世代が違っても、共通点が見つかれば親近感がわき、相手との距離もグッと縮まります。相手に必要以上に気を遣うことがなくなれば、コミュニケーションも活性化し、仕事やパフォーマンスが向上します。

ただし、自己開示の内容が、相手によってはセンシティブなテーマ、切り口となる場合もあります。例えば政治色の強い話や宗教の話、自慢話や極端な自虐ネタを切り出すと、逆に相手を遠ざけてしまう恐れがあります。

【相手を選ぶ話題】

・家族の話(プライベートな話は好まない方もいる)

・学歴の話(自虐のつもりでも相手の状況を知らないと逆に自慢話と思われる)

このような話題も、同じような境遇の相手となら盛り上がることも大いにあります。しかし、唐突に明け透けな話をするのは、相手を戸惑わせてしまいます。自己開示で大事なのは「タイミング」です。相手の反応を見ながら、段階を追って進めましょう。

[2]相手の話を傾聴する

コミュニケーションを取るには自己開示や情報発信をすることが欠かせません。しかし、こちらから一方的に話し続けるのではなく、相手の話をしっかり聴くことも同じくらい重要です。

そこで必要になるのが「傾聴」のスキルです。相手に話しやすさを感じさせ、相手に気分よく話をしてもらうためのスキルを身につけ、双方向のコミュニケーションを成立させることが、良好な人間関係づくりにつながります。

【傾聴のポイント】

・表情は柔らかく

・相手の話をさえぎらない

・あいづちをする

・ペースを合わせる

私が最近感じるのは、自分より上の世代や下の世代からの話を先入観ナシで聞くことの大切さです。「私たちの世代は苦労した」的な自分の価値観を押し付けず、"いま"活躍している人の話に耳を傾けることで、多様なものの見方を習得したいものです。

■おわりに

私もなかなかの「ネガティブ人間」だったのですが、紆余曲折の人生経験を通じて、困難にぶつかった時の前向きな対処法が身についてきたという実感があります。

しかし、経験を重ねていなくても、レジリエンスについての知識を「学ぶ」ことで、困難をしなやかに乗り越える力を身につけることは可能です。私も早く知っていれば、もっとラクに生きてこられたのかも......なんて、最後にネガティブになってはいけませんね(笑)。

ストレスとうまく付き合うことで、プレッシャーのかかる状況においても、むしろ自身の成長のチャンスだと前向きに捉えられるようになります。多くの方がレジリエンスを身につけて、輝く日々が送れますように!

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