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「また却下された」を防ぐ若手営業の提案術~成果につながる意見具申の進め方

「また却下された...」
「自分は嫌われているのかもしれない」

営業職として働く若手社員の中には、上司への提案がなかなか通らず、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。実は、提案が通らない背景には、個人の能力や人間関係だけではなく、もっと根本的な理由が潜んでいることがあります。

本コラムでは、職場でよく見られる事例をもとに、若手営業が上司へ提案を通すために必要な視点と行動について解説します。上司との信頼関係を築き、提案の打率を上げるためのヒントを、ぜひご参考ください。

「上司に嫌われているのでは」と感じる若手営業が増えている?

営業職向けの研修や面談の場で、「何を提案しても上司に却下される」「自分は信頼されていないのでは」といった声をきくことがあります。これらは特に、若手社員に多く見られます。
例えば、若手営業担当者が顧客への提案書を作成し、上司に見せたところ「商材Aを提案するための根拠が書かれていない」「見積金額を変えたほうがよい」と却下され続け、「自分の意見は軽く見られている」と感じ、モチベーションが大きく下がってしまう、というようなことです。

しかし、上司側の視点に立ってみると、提案そのものが悪いわけではなく、「会社の方針と少しズレている」「タイミングが合っていない」「説明が不十分」といった理由で却下されているケースがほとんどです。具体的な理由とよくある事例を3つご紹介します。

1. 会社の方針や営業戦略を把握していない

会社が今、何を重視しているのか、例えば「既存顧客の深耕」なのか「新規開拓」なのかを把握せずに提案しても、的外れになってしまいます。

事例:キャンペーンの提案

ある若手営業が「新規顧客向けのキャンペーン」を提案しました。内容は魅力的でしたが、会社は「既存顧客との契約更新率の向上」を最優先していたため、「今は新規よりも既存対応が先」と却下されました。

2. 上司が重視する評価軸を理解していない

上司が何を「良い提案」と考えるかは人によって異なります。数字重視なのか、顧客満足度重視なのか、リスク回避型なのか。その傾向を把握せずに提案してしまうと、内容が良くても通らないことがあります。

事例:新規顧客への値引き提案

若手営業が新規顧客との契約を取り付けるため、「初年度20%値引き」という条件を強調して上司に報告しました。しかし上司は「長期的な関係構築」を重視するタイプでした。値引きによる売上減や、価格に依存した関係になるリスクを懸念し、「短期的な数字は良くても、戦略的ではない」と却下されました。

3. 過去の却下理由を振り返っていない

提案が却下された理由を記録し、パターンを分析することで、次回の提案に活かすことができます。過去の失敗を振り返らず、同じ方向性で繰り返し提案してしまうと、「改善されていない」と見なされ、信頼を損ねることにもつながります。

事例:営業資料の刷新

営業資料の刷新案を3回却下された若手社員が、過去のフィードバックを確認せずに再提出。内容は抽象的で、現場の声やコスト根拠も不十分。「また同じ内容か」と言われ、再び却下されてしまいました。

提案を通すには「上司の視点」で考えることが必要

若手営業が陥りがちなのが、「自分はこう思うから」「この方が良いはずだ」と、自分の視点だけで提案を組み立ててしまうことです。まずはその考え方を一度手放し、「上司がどう考えるか」「会社としてどう見られるか」を軸に再構築することが必要です。

この視点の切り替えは、営業活動における「顧客視点の理解」と同じです。上司もまた、社内の重要なステークホルダーであり、相手の立場や考え方を踏まえた提案が求められます。

上司との信頼関係と提案力は、日々の積み重ねで築かれる

提案の内容だけでなく、日頃のコミュニケーションや信頼関係も、提案の通過率に大きく影響します。上司との関係性が希薄なままでは、どれだけ良い提案でも「本気度が伝わらない」「背景が分からない」と判断されてしまうことがあります。

日常的な報連相や雑談、業務外のちょっとした会話も、信頼構築には効果的です。接触回数が増えることで、相手に安心感を与え、提案の受け入れ態勢が整いやすくなります。

さらに、提案は一度で通るとは限りません。準備を重ね、実行し、結果を振り返る。このサイクルを繰り返すことで、提案力は確実に向上します。上司からのフィードバックを素直に受け止め、次回に活かす姿勢が、信頼を積み重ねる鍵となります。

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