経理に喜ばれるデキル営業になる!事務コスト削減・請求精度・入金確認・提案力強化・他部門連携で成長する方法

営業と経理・財務のコミュニケーションに悩む方は少なくありません。請求書の渡し忘れや入金確認の遅れが、社内の摩擦だけでなく利益の目減りにつながることもあります。しかし、経理と連携し、会社全体を考えた営業は一段レベルの高い営業へと成長できます。この記事では、営業が経理に喜ばれ、利益を守りながら営業力を高めるための4つの具体策を紹介します。
営業はバックオフィスの事務コストを理解して動く
営業は外に出る時間が長く、経理やバックオフィスの実務に触れる機会が少なくなりがちです。だからこそ、事務作業の増減がそのまま「事務コスト」に変わり、会社の利益に影響することを意識して動くことが重要になります。事務コストを減らす営業は、社内の信頼を集めやすく、結果として自身の評価も高まります。
請求書を渡し忘れると2,000〜4,000円の追加コストが発生する
請求書の渡し忘れは、再送付やお詫びの連絡など、目に見えない手間を増やします。速達・バイク便の手配、担当者の電話対応、再印刷の時間などを積み上げると、約2,000〜4,000円の社内コストが発生します。小さな遅れに見えても、積もれば利益を圧迫します。
渡すものは渡し、受け取るものは受け取ることを徹底する
- 納品と同時に請求書を現場で手渡しし、社内台帳へ当日登録
- 受領印・受領メール・受領システム通知のいずれかで確実に受領を確認
- 書類の二重管理を避け、原本の所在と電子データの保存先を共有
- 不備発見時はその場で修正し、再送の手間をゼロにする
- 受領確認後の入金予定日ヒアリングまで一連の流れを標準化
入金が早い営業は会社の資金繰りを守る
資金繰りは会社の血流のようなものです。入金が遅れるほど余計な金利負担が生じ、投資機会を逃します。営業が入金予定を丁寧に確認し、確度の高い情報を経理へ渡せば、全社の運転が軽くなります。
支払い予定日を恐れず確認する具体的フレーズ3つ
- ご都合の良い支払い予定日を確認したく存じます。月末と翌月末のどちらがよろしいでしょうか
- 社内の処理計画に反映するため、入金タイミングをご教示ください
- 御社の承認フローに合わせて請求書の提出日を調整いたします。最適な日程を提案します
入金遅延が利益と資金繰りに与える影響を数字で見る
※前提
本日 9月10日
支払い条件:月末締め翌月末払い 販売額 1,000,000円(利益率10%)
銀行からの借入金利:年利5%
〇9月30日までに請求書が先方へ到着した場合
販売 9月1日 → 請求書到着 9月30日 → 支払い
10月31日
金利負担額=1,000,000円 × 5% × 61日/365日=約8,356円
〇10月1日に請求書が到着した場合
販売 9月1日 → 請求書到着 10月1日 → 支払い
11月30日
金利負担額=1,000,000円 × 5% × 91日/365日=約12,465円
1日の遅れで利息負担が約4,000円増える
わずか1日の遅れが約4,000円の追加負担につながります。売上比では0.4%に見えますが、利益率10%の案件では約4%の利益減です。会社全体で売上
10,000,000,000円の回収が1カ月遅れれば、利益は約40,000,000円減少します。早期入金の価値は、値引き抑制と同じくらい大きいと捉えると行動が変わります。
経理の流れを知ると提案の幅が広がり粗利が上がる
会計・財務の視点を持つ営業は、顧客の購買タイミングや資金事情を読み取り、提案の幅を広げられます。支払いの前倒しや延長の相談は、交渉の好機にもなります。
前倒し支払いの背景を読み、関連商材を提案する
年度末や四半期末の前倒し支払いの相談が来たら、予算に余裕がある可能性があります。関連機能の追加、保守期間の延長、導入部門の拡大など、顧客価値が高まる提案を重ねると、粗利と満足度が同時に上がります。
支払い延長の相談には条件交渉で損失を補う
支払いを延ばしたいという要望には、金利相当の価値と引き換えに条件を整えます。年契約への切替え、成功事例の公開、次回発注のコミット、紹介の協力など、会社の利益に資する代替案を丁寧に提示すると納得感が生まれます。
在庫や他部門との連携で会社全体最適を実現する
営業は、在庫・購買・カスタマーサポートなどの部門と連携することで、全社の最適化に貢献できます。過剰在庫の消化、回収の確度向上、顧客体験の統合が進みます。在庫担当者と連携し、過剰品の価値を丁寧に見極めます。セット化、限定特典、即納メリットの訴求などを組み合わせ、値引きではなく価値の再構成で販売単価の維持を目指します。
まとめ:デキル営業は事務コストと資金繰りを味方にする
バックオフィスの負担を減らし、入金を早める営業は社内の信頼が厚くなります。請求と回収の精度が上がれば、結果として値引きに頼らない利益確保が可能になります。今日からできることはシンプルです。請求書の確実な受け渡しを徹底し、入金予定を丁寧に確認しましょう。経理や在庫担当と情報を共有し、条件交渉や提案に活かす工夫を始めてください。小さな改善が、利益と信頼に大きな影響を与えます。
会社のしくみを知る研修~お金の流れから企業活動を理解する
本研修は、新人~若手の方を対象としています。会社の存続・成長における利益の重要性を理解したうえで、自身の行動の妥当性をはかる「数字の判断軸」を習得し、利益創出を意識した行動が取れるようになることを目指します。
具体的には、経営の基本となる「売上・コスト・利益」の関係性について、また、人時生産性やROI(投下資本利益率)といった経営上の指標について学びます。そのうえで、「自身の人件費を算出する」、「残業の有無によって人時生産性がどれだけ違ってくるかを確認する」などのワークを通じて、企業数字と実際の仕事のつながりを体感することで、働く意欲の向上につなげます。
さらに、企業活動の基本である仕入れから販売、入金までの一連の流れを学びます。その中で考えられるリスクを知ることで、会社の数字を意識して働くことを身につけていただきます。
本研修のゴール
- 会社が利益を出し続けることの重要性を理解できる
- 売上・費用(コスト)・利益の構造を理解し、自分にかかるコスト(人件費)を意識できる
- 人時生産性とROIについて理解し、利益創出につながる行動を意識できる
- 仕入れから入金に至る一連の流れを把握し、売上を上げるまでに起こりうるリスクやコストについての意識を高める
よくあるお悩み・ニーズ
- 自分達の仕事の積み重ねが、会社を構成し社会に影響を与えていることのイメージができていない
- 会社でかかっている費用(コスト)を、自分ごとに考えられていない
- 自分の仕事が会社の利益(売上)や経営にどうつながっているか理解できるようになりたい
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営業力を高めるために営業が取り組むべき内容は多岐に渡ります。営業は、「これだけ出来ればよい」というスペシャリストではなく、まさに人としての総合力が問われる仕事と言えます。
本研修では、お客さまに信頼されるための営業としての心構えを再認識し、信頼関係を築くために必要な雑談やヒアリングの仕方などの具体的なスキルを習得します。
督促電話研修~安心・信頼して話を聞いていただける寄り添い方
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