2025年11月28日
ゼネコン大手の大林組<1802>は2025年11月中旬以降に、クリティカルエンバイロメント分野(研究施設、データセンター、病院、工場などの高度な環境管理が要求される施設)に強い、米国の建設会社GCON(アリゾナ州フェニックス)と、グループ会社2社(同)を子会社化する。
米国で住宅や病院、教育施設などの建設事業を手がける傘下のウェブコー(カリフォルニア州サンフランシスコ)を通じて実施する。
米国で急成長しているクリティカルエンバイロメント分野に本格参入するとともに、ウェブコーの拠点であるカリフォルニア州に隣接するアリゾナ州に事業領域を拡大することで、大林グループの企業価値向上につなげる。
GCONは、アリゾナ州やニューメキシコ州など米国10州で、データセンターや半導体製造、ヘルスケア、航空、商業、高等教育、公共事業などの分野で建設事業を展開しており、2024年の売上高は約3億2500万ドル(約487億円)だった。
半導体製造施設の改修工事実績で高い評価を得ているほか、コロケーター(複数のユーザーがスペースを共有し、サーバーやネットワーク機器などを設置するデータセンター)向け施設の建設でも多くの実績を持つ。
米国のデータセンターや半導体製造施設などの建設、改修などの需要は、AI(人工知能)の普及によって拡大しており、今後も成長が見込まれている。
またGCONが拠点を置くアリゾナ州をはじめとする米国の南西部は、こうした施設の集積地として投資が活発化しているという。
大林組は、日本やアジア諸国でクリティカルエンバイロメント分野での施工実績を持っており、GCONの現地ネットワーク、顧客基盤、施工実績を活用し、急成長する米国のクリティカルエンバイロメント分野に本格参入することにした。
国内の建設市場は、老朽化インフラの改修や維持管理に対する需要が拡大しているほか、サプライチェーンの強靭化政策などによる民間工事の増加などもあり、当面は底堅い受注環境が見込まれる。
ただ将来は人口減少により、建築市場が縮小することが予想されるため、海外市場開拓の動きが見られる。
大林組などの大手ゼネコンが会員の海外建設協会がまとめた海外工事受注実績によると、受注額はコロナ禍の2020年に大きく落ち込んだあとは急速に回復しており、2023年度、2024年度は2年連続で過去最高を更新した。
大林組は海外での事業拡大に力を入れており、直近では2023年に水処理関連施設を主力とする米国の大手建設会社であるMWH US Acquisitions,Incを子会社化。これに先立つ2011年にもカナダで土木工事を手がけるKenaidan Gloup Ltd.を子会社化した実績がある。
同社では2025年8月に公表した「コーポレートレポート 2025(統合報告書)」の中で、アジアについて「強化対象国を絞り込み、非建設事業のM&Aを含むエリアごとの参入戦略を実行していく」としており、今後もM&Aには力を入れる計画だ。
大林組のほかにもゼネコン大手では、鹿島<1812>が2022年にシンガポールの不動産企業セントラル・キャピタルを子会社化しており、中堅ではトーエネック<1946>が2024年にタイの電気、空調管工事のトライエンを、東洋エンジニアリング<6330>がブラジルのエンジニアリング企業TSPIをそれぞれ子会社化している。
大林組では構想力(コンサルティング力、エンジニアリング力)、実現力(施工力)、人間力(人材力)の三つを自社の強みとして位置付けており、総売上高の95%ほどを占める建設事業を中心に、3%ほどの不動産事業、2%ほどのその他事業(ソフトウエア開発、販売、再生可能エネルギー発電事業など)で事業を構成している。
2025年3月期は売上高2兆6201億100万円(前年度比12.7%増)、営業利益1434億4200万円(同80.7%増)と好調に推移した。
国内建設事業で大型工事の進捗やMWHの子会社化などで2ケタの増収となったのに加え、国内建設事業で好採算案件への入れ替えや追加請負金の獲得などで、2倍近い営業増益となった。
2026年3月期は、大型工事が竣工したことによる反動や施工キャパシティに見合った計画的な受注活動などにより、売上高は2兆5600億円(同1.2%減)、営業利益1220億円(同14.4%減)を見込む。

2026/3は予想
配信元:文:M&A Online
■関連読み物一覧
公開
予算と時間をかけないメンタルヘルス対策~「小さな職場環境改善」で離職防止とストレス軽減を実現する方法
従業員のメンタルヘルスや若手離職、業務過多によるストレスに悩む組織は増えており、早期対策が求められています。予算をかけず実践できる「小さな職場環境改善」の具体策を分かりやすく解説します。
公開
「ちょっとした工夫」で変わる、心と体のコンディション管理~ストレスチェックとセルフケア教育の活用方法
季節の変わり目に増えやすい心身の不調。そこから生じる業務のパフォーマンス低下を防ぐために、職場で取り組める簡単なセルフケアを解説。すきま時間で実践できる方法と合わせて、ストレスチェックを活用したセルフケア教育の進め方を紹介します。
公開
日報は3つの視点で上達する~自分語りのエッセイ化を防ぎ、業務理解を深める書き方ガイド
日報を短時間でまとめながら、業務理解を深めるための書き方を整理したコラムです。業務・成果・課題・所感を簡潔にまとめる基本から、エッセイ化を防ぐ工夫、所感に大事な点を3つ挙げる上級者の書き方までを扱い、日々の成長につながる日報作成のポイントを紹介しています。
公開
欲しい人材が集まる・ミスマッチを減らす採用サイトの作り方~効果的なコンテンツ例と作成ポイント
採用サイトは情報の「量」より「中身」が重要です。応募の質を高め、入社後のギャップを防ぐためのコンテンツ制作のポイントをまとめました。ターゲット設定から情報の優先順位、公開後の運用方法まで、採用課題を根本から解決するための戦略的なサイト運営のコツを紹介します。
公開
現場は「ガイドライン」ではなく「マニュアル」を求めている~実効性のあるカスハラ対策のために
カスハラ対応は企業の喫緊の課題です。ガイドラインだけでは現場は動けません。従業員が安心して対応できるよう、実態に即したルールとマニュアルの整備が重要です。
公開
行政のストレスチェックを「小さなDX」で改善する~完全アナログから脱却するためのスモールスタート
自治体のストレスチェック運用で課題となりやすい受検率の低迷や紙運用の非効率、DX化の壁を整理し、改善策を具体的に解説。情報の透明化やハイブリッド受検、分析活用、段階的なDX導入など、実効性を高めるための実践的なステップを紹介します。
公開
「つながらない権利」~2026年法改正を見据えて人事が今すぐ準備すべき、勤務時間外連絡のガバナンス
「つながらない権利」が注目されています。人事は、業務上必要な連絡の定義づけ、ハラスメントとなる不適切な連絡の線引き、制度づくりと運用ルールの整理を進める必要があります。
公開
心理的安全性が若手の離職を防ぐ鍵~リーダーが変わることで「成長実感のある職場」をつくる
心理的安全性とは、チームの中で「自分の考えや感情を安心して発言できる状態」を指します。この安心感がなければ、人は挑戦せず、学びも起こりません。本記事では、若手社員の離職や成長と心理的安全性がどのように関係するかに焦点をあてて紹介します。
公開
健康経営&DX時代に欠かせないメンタルヘルス対策~セルフケアを職場文化に根付かせる方法
ストレスチェックや集団分析による可視化、セルフケアeラーニングなどの教育、職場環境改善の仕組みを通じて、社員のメンタル不調を予防しセルフケアを習慣化。DX活用や管理職教育も取り入れ、離職防止と生産性向上を実現する健康経営の具体策を解説します。
■関連シリーズ一覧
■関連商品・サービス一覧
公開
富裕層向け接客研修~立ち振る舞いや応対のポイントを学ぶ
公開
新人・若手向けビジネスマインド研修~理念理解と経験学習で成長基盤を築く(半日間)
公開
視座を上げて主体性を発揮する研修~仕事をつくり出すビジネスパーソンになる
公開
心の整え方研修~感情を味方につけてレジリエンスを高める
公開
【アルバイト向け】みんなで気持ちよく働くためのシフトの基本
公開
新入社員のための健康マネジメント〜睡眠から始めるコンディションづくり
公開
(新入社員・新社会人向け)ホウ・レン・ソウ実践ワークショップ(1日間)
公開
セルフブランディング研修~強みの明確化と戦略的な発信で唯一無二を目指す(1日間)
公開
【飲食・小売店_店長・店舗責任者向け】カスタマーハラスメント対応の基本
下記情報を無料でGET!!
無料セミナー、新作研修、他社事例、公開講座割引、資料プレゼント、研修運営のコツ
※配信予定は、予告なく配信月や研修テーマを変更する場合がございます。ご了承ください。
配信をご希望の方は、個人情報保護の取り扱いをご覧ください。
無料セミナー、新作研修、他社事例、公開講座割引、資料プレゼント、研修運営のコツ

登録は左記QRコードから!
※配信予定は、予告なく配信月や研修テーマを変更する場合がございます。ご了承ください。
配信をご希望の方は、個人情報保護の取り扱いをご覧ください。
人事のお役立ちニュース