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心理的安全性が若手の離職を防ぐ鍵～リーダーが変わることで「成長実感のある職場」をつくる
「最近の若手はすぐ辞める」「部下から自分の成長が感じられないと言われてしまう」。多くの管理職や経営層が頭を抱えるこの課題の根底には、「心理的安全性」があることをご存じでしょうか。
心理的安全性とは、チームの中で「自分の考えや感情を安心して発言できる状態」を指します。ミスをしても非難されない、意見を出しても否定されない、この安心感がなければ人は挑戦せず学びも起こりません。本記事では、若手社員の離職や成長と心理的安全性がどのように関係するかに焦点をあてて紹介します。
「挑戦できない」「失敗が許されない」～若手が「成長実感を得られない」と感じる職場の構造
若手社員の離職理由として多いのが、「成長実感の欠如」です。その背景には、教育制度やキャリアパスの不備だけでなく、「挑戦できない」「失敗が許されない」職場風土があります。
現場で実際に聞かれる若手社員の声を挙げると、次のようなものがあります。
- 「提案してもすぐに『まだ早い』と言われ、任せてもらえない。自分の考えが形になる感覚がない」
- 「上司が忙しいせいか、質問や相談をしてもすぐに流される。やってみてから指摘されることが多く、成長している実感が持てない」
- 「失敗を恐れて意見を出せない。報告もためらってしまうので、チームに貢献できている感覚が薄い」
- 「毎日ルーチン業務に追われているだけで、新しいことに挑戦する機会が少ない。学びや成長が見えない」
- 「成果を出しても認められず、ただ数字だけを求められる。努力している実感が無く、やりがいを感じられない」
こうした声からも分かるように、若手は心理的安全性の低い環境で自らの成長の芽を摘まれてしまう状況に置かれています。
心理的安全性が低い職場がもたらす４つの影響～意欲の低下・学びの損失・コミュニケーションの停滞・創造力の低下
心理的安全性の欠如は、離職だけでなく、以下の課題を生み出します。
- 挑戦意欲の低下
安全に発言できない環境では、新しい提案や改善策が出にくくなります。 - 学びの機会の喪失
失敗や問題点を共有できないため、チーム全体での学習が進まず、同じミスが繰り返されます。 - コミュニケーションの停滞
部下が情報をため込み、報告・相談が遅れることで、意思決定や業務効率が低下します。 - 組織の創造力の低下
自由に意見を出せない風土は、イノベーションや改善活動の阻害要因となります。
例えば、ある建設現場の若手社員はこう語っています。「現場の改善提案を出しても『まだ早い』と言われるだけで採用されず、結局やる気を失いました」。別のＩＴ企業の若手は、「チームで失敗事例を共有する文化がなく、同じミスが繰り返される。自分の学びにつながらない」と不満を漏らしていました。また、製造業の入社２年目社員は、「上司に質問しても忙しさを理由にまともに答えてもらえず、成長している感覚がない」と話しています。
こうした状況では、若手が成長実感を持てず離職につながるだけでなく、チームの生産性や改善力も低下してしまいます。心理的安全性の欠如は、個人の意欲だけでなく組織全体の成果にも直結するのです。
リーダーの姿勢が心理的安全性を左右する～問い返す・一緒に考える・間を大切にする
心理的安全性を高める第一歩は、リーダーの意識変革にあります。部下が安心して意見を言えるかどうかは、上司の反応と日常のコミュニケーションに大きく左右されます。
リーダーが部下の心理的安全性を高めるためには、これまでの行動を反省し改善する必要があります。たとえば、
- 部下の意見を即座に評価していたリーダーであれば、「どう考えたの？」と問い返してみる
- 失敗を叱責していたリーダーであれば、部下と次の行動を一緒に考えてみる
- １対１ミーティングで部下の沈黙を恐れていたリーダーであれば、間を大切にしてみる
このようなリーダーの言葉づかいや態度一つで、職場の空気は変わります。「間違っても大丈夫」「その意見、面白いね」「一緒に考えよう」こうした何気ない言葉が、部下の中にここでは話していいという安心感を育てるのです。
またメンバーの成果を認め、成功体験を共有することも大切です。「ありがとう」「助かった」「あなたのおかげで前に進めた」といった承認の言葉がチームにどのような影響を与えるかを実感し、日常のマネジメントに信頼を醸成する習慣として落とし込んでいきます。
リーダーがこの姿勢を日常的に実践することで、部下は「ここでは自分を出しても大丈夫だ」と感じ、挑戦と学びが自然と生まれていきます。
心理的安全性向上研修～リーダー自身が意識を変え、風通しのよい職場を作る（半日間）
リーダー自身が部下との関係性を振り返り心理的安全性を高めるための行動を実践的に学びます。
わずか半日間で、理論だけでなく、会議・１対１ミーティング・日常の声かけで使える具体的なスキルを体得可能です。
チームの空気を変え若手の成長実感と組織の成果を両立させる第一歩として、ぜひご体感ください。
本研修のゴール
- 心理的安全性の担保されている職場とそうでない職場の違いを理解する
- 自部署の心理的安全性が担保されているかどうか、現状を確認する
- 心理的安全性を高めるために、チームに対してリーダーとしてできることを考える
よくあるお悩み・ニーズ
- 心理的安全性を高めるために、リーダーとしてどのように行動すればよいのか学びたい
- リーダー自身が、心理的安全性を阻害するような行動をとっていないかを振り返ってもらいたい
セットでおすすめの研修・サービス
（２時間研修）傾聴力向上研修～部下の本音や考えを引き出す
上司として、部下の本音を引き出せるかどうかはとても重要です。例えば、お互いの真意をもって話をすることができなければ、部下のやりがいにつながる指導・育成やキャリア支援は難しいといえます。そこで本研修は、前提として必要な「傾聴力」に焦点をあてます。傾聴の基本原則や姿勢、避けるべき聴き方などを学び、ロールプレイングを通して実践スキルを習得します。
心理的安全性を高める研修
心理的安全性が低ければ、否定や失敗を恐れ、新たな一歩を踏み出せません。また１人ひとりが持っている力を十分に発揮できない状況は、組織の中でダイバーシティ推進が進まない理由になりかねません。インソースでは、「心理的安全性」を高めるために必要となるコミュニケーションスキルやチームワークを向上させる研修や、１人ひとりの力を最大限に発揮させるためのダイバーシティ推進の研修などをご用意しております。
部下とのコミュニケーション実践研修～心理的安全性の高い職場を作る
本研修では、部下とのコミュニケーションの仕方を工夫することで、どのように心理的安全性を高めていくのか習得します。言いたいことを伝えるためのアサーティブコミュニケーション、本音で話せる環境を作るための１対１面談の活用方法を実際によくあるケースをもとに実践的に学びます。研修の最後には、自分のチームの心理的安全性を高めるための具体的な方法を検討していただきます。
