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「楽に仕事をする」ための、やる気の出し方~行動心理学の活用で、誰でも実践できる簡単な習慣とコツ

「やる気が出ない」「仕事に取り掛かるのが億劫」と感じる瞬間は、誰にでもあります。しかし、やる気は待っているだけではなかなか訪れません。脳や心理の特性をうまく活用し、行動をきっかけにして引き出す方が効率的です。

本記事では、心理学や脳科学、行動経済学などを活用した具体的なやる気の出し方をご紹介します。今日から実践できる方法ばかりですので、ご自身でお試しいただくことはもちろん、自チームのメンバー・部下・後輩のモチベーションを上げたい上司・先輩の立場の方は、ぜひ部下のモチベーション向上にもお役立てください。

1.行動と習慣でやる気を引き出す

とにかく始める

やる気は、「行動」によって生まれます。「行動をするためのやる気」を待っていても自然に生まれる可能性は低く、「行動したらやる気がでてくる」というほうが現実的です。

始める前は面倒だと感じていた作業も、始めてしまえば意外と集中して続けられる、という経験は誰にでもあるのではないでしょうか。これは、作業を始めることで脳が刺激され、集中力や意欲を高める物質が分泌される「作業興奮」といわれる状態です。特に「最初の4分間」を頑張るだけで、その後も仕事がスムーズに進む傾向があります。

例えば以下のような「ルール」「規律」をもってモチベーションを待たず行動を起こす習慣をつけることが、楽に仕事をするための第一歩と言えます。

  • 最初の一歩をとにかく踏み出すために、まずは何も考えずPCやアプリを立ち上げる
  • 4分間だけ集中するためにタイマーを設定し、その時間は手を止めないというルールを作る
  • 始めは質よりも量を意識し、作業が一段落したときに初めて振り返る

笑うことで脳をリラックス状態に

「笑顔」は脳に良い影響を与えるとされています。ストレスホルモンであるコルチゾールが減少し、β-エンドルフィンやセロトニンといったリラックス物質が分泌されます。作り笑いでも効果があり、気持ちの切り替えに役立ちます。

  • 朝、鏡の前で笑顔を作ってみる
  • 休憩中にお笑い動画や漫画を楽しむ
  • 同僚や友人との軽い雑談の時間を作る

背筋を伸ばして脳を目覚めさせる

姿勢を正すと、呼吸が深くなり、副交感神経が活性化してリラックス効果が得られます。また、視線を上げて空や遠くの景色を見るなど、広い視野を意識するとリフレッシュになります。

    • 朝一番に背筋を伸ばして深呼吸する
    • 長時間座った後には、軽くストレッチする
    • 30分に一度は顔を上げ、窓の外や空を眺める

2.環境と意識の切り替えでモチベーションを保つ

外見を整えて意識を変える

服装や髪型を整えることで、自然と意識が「仕事モード」に切り替わります。在宅勤務中は、部屋着のままだと集中力が低下しやすく、やる気が出にくくなります。一見すると意味がなさそうな行為でも、「切り替えスイッチを押す」儀式のような感覚で以下のようなことに取り組んでみましょう。

  • 髪型を整える
  • 清潔感のある服、新しい服に着替える
  • オンライン会議前には必ず身なりを整える

鏡を見て自分に声をかける

自分に対する肯定的な言葉や信念を繰り返し唱えることで自己肯定感を高める「セルフ・アファメーション」と呼ばれる手法があります。例えば、鏡を見ながらポジティブな言葉をかけると、自己効力感が高まり行動がしやすくなります。

  • 「自分ならできる」と声に出し、自分に言い聞かせる
  • 自己肯定感が高まる動画や音楽を用意し、定期的に視聴する
  • 上記のような行動を朝のルーティンに組み込む

3.脳を刺激してやる気を高める工夫

小さな新しいことに挑戦する

同じ作業ばかりでは脳が飽き、やる気が低下します。小さな変化や新しい体験を取り入れると、ドーパミンが分泌され自然と意欲が高まります。

  • 新しい作業場所を試したり、席替えをしてみる
  • 例えばPC作業ならキーボードやマウスなど、可能な範囲で道具を変えてみる
  • 普段あまり話さない人に話しかけてみる

言葉をポジティブに置き換える

行動経済学の「フレーミング効果」を利用し、作業の印象を良くすることで取り掛かりやすくなります。フレーミング効果とは、同じ情報や選択肢であっても、「伝え方」や「表現方法」を変えることで受け手の認識や判断、行動に影響を与える現象のことです。

  • 「書類整理」→「デスク周りの快適化」
  • 「会議準備」→「迅速な意思決定のための場づくり」
  • 「片付け」→「作業効率アップのための環境改善」

まとめ~やる気は行動から生まれる

やる気の出し方は人それぞれですが、共通して言えるのは「やる気は行動から生まれる」ということです。

小さな一歩やちょっとした習慣の積み重ねが、大きなモチベーションの循環を生み出します。今回ご紹介した方法は、すぐに始められるものばかりです。全部を一度に実践する必要はありません。まずは自分に合いそうなものを一つ選び、継続してみることから始めてください。毎日の積み重ねが、やる気の持続と仕事効率の向上につながります。

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