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仕事に前向きになれない時の処方箋~ポジティブシンキングの実践方法

「最近、仕事に前向きになれない」「失敗が怖くて挑戦できない」...そんな悩みを抱えている方にこそ知ってほしいのが「実践的ポジティブシンキング」の考え方です。

ポジティブシンキングは、ただ楽観的になることではありません。状況を冷静に受け止め、そのうえで自分の思考を前向きに切り替える力のことです。ここでは、仕事で実践できる4つの考え方を具体的にご紹介します。

1.ABC理論で出来事の「受け止め方」を前向きに変える

仕事でミスをしたとき、「もうダメだ」と落ち込むか、「次はもっと良くしよう」と前向きに捉えるかで、その後の行動は大きく変わります。これは心理学の「ABC理論」にも通じる考え方です。

ABC理論とは、出来事(A)は、考え方やものの見方によって解釈を与えられ(B)、その結果が感情や行動(C)を引き起こすというものです。

  • A(Activating Event):出来事
  • B(Belief):その出来事に対する考え方
  • C(Consequence):結果として生まれる感情や行動

不安や不満などの歓迎できない感情や、そのような感情によって引き起こされる「非生産的な感情や行動(C)」の原因は、「状況や出来事(A)」そのものだと思いがちですが、実際の原因は「出来事に対する考え方(B)」です。
「考え方(B)」が否定的な思い込みであれば、必要以上に落ち込んだり、怒ったりと非生産的な気持ちや行動をとってしまいます。

肯定的な感情や行動をとるためには、まずは自身の考え方に注目しましょう。

例: 上司に提出した報告書の誤りを指摘された

<落ち込む(否定的)>

  • 出来事(A):上司に指摘された
  • 考え方(B):指摘されるのは悪いこと
  • 行動(C):自信喪失。どうせ報告書なんて作れない

<前向き(肯定的)>

  • 出来事(A):上司に指摘された
  • 考え方(B):指摘は成長のきっかけである
  • 行動(C):真剣に上司の話を聞く

2.自分の思考のクセに気づき、ネガティブを手放す

私たちは無意識のうちに「どうせ無理」「また失敗する」といったネガティブな思い込みにとらわれがちです。これらは「思考のクセ」と呼ばれ、代表的なものは以下のようなものです。

  • 全か無か思考:「完璧でなければ意味がない」
  • 一般化のしすぎ:「一度失敗したから、もうダメだ」
  • マイナス化思考:「うまくいっても、どうせ次は失敗する」

こうしたクセに気づき、少しずつ手放していくことで、ポジティブな思考が育まれます。まずは「自分はどんなクセを持っているか」を振り返ってみましょう。

<思考のクセに気づくための4つの方法>

  1. 思考ログをつける:ネガティブに感じた出来事と、そのときの心の声を書き、どのクセかラベルをつける
  2. 「その考え、本当?」と自問する:根拠や反対の証拠、他の見方を探す
  3. 事実と解釈を分ける:出来事(事実)と自分の解釈を書き分ける
  4. ポジティブな置き換えをする:「失敗した」→「改善のポイントを見つけた」など

3.自分の強みに目を向け、自信と信頼を築く~弱みも活かせるかも

思考のクセを手放すことで、自分の強みや価値に目を向けやすくなります。ポジティブに働くには、まず「自分を認める」ことが大切です。自分の得意なスキルや経験を素直に受け入れることで、自己肯定感が高まり、自信を持って仕事に取り組めます。

また、自分では弱みだと思っていたことも、他の人から見ればチームにとって価値ある強みになることがあります。こうした違いに気づき、互いに認め合うことで、チーム全体の信頼感ややる気も高まります。

信頼感は、あいさつやアイコンタクト、相手の話を聴くといった日常の小さなコミュニケーションによってさらに強化されます。自分の得意なことやサポートできることを伝えたり、相手の貢献を具体的に褒めることも、信頼関係を深めるポイントです。まずは自分から、積極的に気持ちの良い関わり方を始めてみましょう。

4.アサーティブな伝え方で前向きな人間関係をつくる

自分の強みや価値に目を向けられるようになると、職場での人間関係にも前向きさを発揮しやすくなります。しかし、前向きに考えることができても、人間関係にストレスがあると行動に移す力は弱まります。だからこそ、職場でポジティブな考えを実際に発揮するには、人間関係のストレスを減らす工夫が欠かせません。

そこで役立つのが「アサーティブ・コミュニケーション」です。アサーティブとは、自分の意見を伝えつつ、相手の気持ちも尊重する姿勢のことを指します。非主張的(我慢する)でも攻撃的(感情的にぶつかる)でもない、第三の選択肢です。アサーティブな伝え方ができると、職場の雰囲気が前向きになり、チーム全体で建設的な行動や話し合いがしやすくなります。

まとめ~小さな実践から前向きな仕事へ

ポジティブシンキングは、特別なスキルではなく、日々の考え方や行動の積み重ねです。自分の思考のクセに気づき、少しずつ前向きな受け止め方を身につけることで、仕事のやる気も、職場の雰囲気も変わっていきます。今日から、できることを一つずつ試してみましょう。

ポジティブシンキングをより体系的に学び、職場で実践的に活用したい方には、以下の研修がおすすめです。

仕事の意欲向上研修~ポジティブシンキングを仕事に活用する

ポジティブな考え方は「仕事に対するモチベーション向上」だけでなく「周囲との良好なコミュニケーション」にもつながります。本研修は、ポジティブシンキングの手法を身につけていただき、職場のコミュニケーション改善への活用を目指していただきます。

本研修のゴール

  1. 自分の考え方の傾向を認識し、モチベーションのコントロールができる
  2. 自分の失敗を多角的な視点で評価し、気持ちを切り替えることができる
  3. 積極的に他者とコミュニケーションを取ることで、自身の肯定感構築とチームメンバーのモチベーションアップにつなげることができる

よくあるお悩み・ニーズ

  • 自分の仕事について、悪い点ばかりが気になってしまう
  • 職場の同僚や上司・先輩に対して、ついつい否定的な態度をとってしまう

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セットでおすすめの研修・サービス

ポジティブシンキングの研修とあわせて、心と体のバランスを整える研修もおすすめです。

レジリエンス研修~しなやかにストレスと向き合い、回復力を身につける

レジリエンス(resilience)とは「精神的回復力」のことを指します。

同じような困難にぶつかった場合でも、「困難をチャンスに変えて成長できる人」「不安を抱く人」「困難を避けようとする人」など反応はさまざまです。本研修ではレジリエンスを鍛えて、しなやかに感情をコントロールし、困難を乗り越えて成長することを目指します。

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メンタルヘルス研修~セルフケア

働くうえで重要となる健康を維持するには、風邪や怪我の予防といった体の管理だけでなく、精神(メンタル)の管理も不可欠です。

本研修では、メンタルヘルス及びストレスに関する適切な知識を身につけ、自身のストレスをコントロールする方法を考えます。

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リーダーのためのストレスマネジメント研修~ストレスをうまく活用して自分も職場も元気にする

「ストレス=悪いもの・排除すべきもの」と思われがちですが、上手く活用すれば、自分自身や相手を前向きに動かす刺激や原動力にもなります。

本研修では、管理職・リーダーの方を対象に、①自分②チーム③キーパーソン(上司)の3方向へのストレスマネジメントを学びます。良いストレスを設計し、悪いストレスを排除することで、自分も職場も元気にする方法を獲得いただきます。

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