業務自動化、何から始める?今すぐ取り組める5つのステップ~対象業務とツールの選び方

人手不足が叫ばれる中で、業務の自動化は欠かせません。しかし、いざ業務自動化を始めようと思っても、どの業務から自動化したらいいかわからない、ツールが多すぎて選べないと、なかなか一歩を踏み出せない方も多いのではないでしょうか。
本記事では、誰でも自動化に取り組める5つのステップと、実務で役立つ主要な自動化ツールを整理してご紹介します。
業務自動化が求められる3つの背景~組織の成長戦略のために
現代のビジネス環境では、以下の要因から業務自動化の必要性が高まっています。業務自動化はコスト削減だけではなく、組織の戦略的な成長のための投資として位置づけられています。
- 人手不足の深刻化:労働人口の減少に伴い、限られた人員で業務を回す必要がある
- 働き方改革への対応:残業削減や多様な働き方を実現するため、業務効率化が不可欠
- デジタル技術の普及:RPAや生成AIなどの技術が幅広い組織で活用可能になっている
業務自動化の進め方~最優先で「捨てるべき業務」を見つける5ステップ
一度に全ての業務を自動化しようとするのではなく、段階を踏んで進めることが成功の秘訣です。
1.自部署の業務を洗い出す
担当業務を洗い出し、処理頻度や所要時間、関係者を明確にします。各業務に毎月どれくらい時間がかかっているかをチェックすると、効果測定がしやすくなります。
2.自動化できるか判断する
業務がルール化されているか、例外となる処理が多くないかなどの観点から、業務の自動化適性を評価します。自動化しやすい業務の特徴は以下の3点です。
- 手順が固定化されている業務
- 人間の判断を必要としない業務
- PC上で完結する業務
3.費用対効果を検討する
自動化による削減時間と、開発・導入に要する工数を比較し、投資対効果を検討します。自動化で削減できる時間が、コストを上回るかが判断の目安です。
4.具体的な作業手順を1ステップずつ分解する
作業を最小単位まで分解し、条件や分岐、入力データの仕様を明確にします。
分解の例:ブラウザを開く→組織内システムを開く→検索条件を入力してシステム内で検索→検索結果のデータを取得→取得したデータをExcelに転記して保存→終了
5.システムで再現する
分解した手順をツールやシステムで再現し、検証と改善を繰り返します。最初は小規模なプロセスから始め、成功体験を積むことが大事です。
業務自動化に使えるツール・手段
自動化には次のようなツールがあり、業務の性質に応じて選ぶことが重要です。
| ツールの種類 | 主なツール | 特徴 | 得意な業務の例 | 習得の難易度 |
|---|---|---|---|---|
| 生成AI | ChatGPT、Copilot、Gemini | 自然言語(人が書く・話す言語)で操作ができる。非定型業務の一部を効率化できる | 文章作成、議事録の要約、アイデア出し、FAQ対応 | ◎ |
| ノーコード※ローコード | Kintone、Power Apps※GAS(Google Apps Script) | プログラミングの知識が無くてもアプリケーションやシステムを作成できるため、新しい自動化システムを簡単に作成可能※ローコードツールはプログラミング知識が必要 | 業務プロセス全体の改善(申請フロー、メール通知、タスク管理など) | ◎ |
| RPA (ロボティック・プロセス・オートメーション) |
Power Automate Desktop、WinActor® | 人間が行う単純な繰り返し作業を、ロボットが自動的に行う。既存の業務をそのまま自動化できる | 定型業務の自動化(Excel操作、Web入力、帳票作成など) | ○ |
| プログラミング | Python、VBA | プログラミングスキルの習得が必要。柔軟性が高く、複雑な処理が可能 | ほとんどすべての定型業務の自動化(データ処理、Web操作、Excel操作など) | △ |
まずは業務の棚卸しから始めましょう
①業務の洗い出し → ②自動化の適性判断 → ③投資対効果の検討 → ④作業の分解 → ⑤ツールで再現
の5つのステップを活用すれば、段階的に無理なく自動化を進めることができます。また、ツール選びは業務の性質に合わせることがポイントです。定型業務にはRPA、非定型業務には生成AIなど、適材適所で選ぶことで効果が高まります。自身の業務を思い浮かべ、ぜひ業務自動化への一歩踏み出してみてください。
(半日研修)業務自動化入門研修~ツール選びのコツと5つの手順
本研修では、自動化できる業務の特徴や主なツール・手段を学びます。具体的には、自動化できそうな業務をリストアップし、それぞれに合った最適なツールを考えます。
注意すべき点や開発にかかるコストも確認し、研修の最後には、自動化を進めるための5つのステップを踏まえて今後の計画書を作成します。
よくあるお悩み・ニーズ
- 業務の効率化・自動化に取り組みたいが、何から始めればよいのかわからない
- 手作業で同じ業務を繰り返しており、時間浪費やヒューマンエラーに悩んでいる
- 対象の業務を自動化して問題ないかどうか、判断できない
本研修のゴール
- 自動化しやすい業務の特徴を理解する
- 業務に合わせて、最適なツールや手法を選ぶことができる
- 業務自動化を進める際のステップを理解し、業務改善に取り組める
業務の洗い出しについて詳しく学びたい方におすすめの研修
業務削減研修~自動化(RPA)に向けて業務フローを見直す
本研修では、業務時間削減を目的に、課題の整理方法や業務の洗い出しの仕方を学びます。
研修では実際に自部署の業務フローの作成を行い、RPAなどによる自動化改善のポイントを理解します。
ツール別に詳しく学びたい方におすすめの研修
Power Automate Desktop入門研修~定型業務を自動化する(2日間)
RPAやPower Automate Desktopを一から学ぶ研修です。基礎的な概念だけでなく、Excelの転記やWebブラウザ情報の取得など実務で使える要素を多く盛り込んでいます。
手元の操作を記録し変換するレコーディング機能は使わずに演習を進めるため、自動化のフローを自分で作成できるようになるプログラムです。
ChatGPT×Pythonプログラミング研修~Excel・WEB操作自動化編(3日間)
ChatGPTを活用し、日常業務を自動化するプログラムの作成を目指します。ChatGPTの基本的な使い方や効果的なプロンプト作成の方法を学びながら、プログラミング初心者でも効率的に成果物を作り上げるスキルを習得します。
自動化の視点と技術を身につけることで、日常業務をより効率化し、実践的で即戦力となるスキルを得ることができます。









