生産性を高める上司部下コミュニケーション~伝え方の見直しこそ、最も確実で持続的な業務改善策
「きっと相手も理解しているはず」「これは常識だから説明しなくても伝わるだろう」このような「思い込み」が原因で、コミュニケーションのミスや認識のズレが生まれていませんか。
部署間でトラブルが起きたり、部下との関係性がぎくしゃくしたり、手戻り作業が増えてしまう背景には、心理的安全性が欠けた職場環境が隠れていることも少なくありません。
生産性を高めたいのに、会話の質が低いために逆に時間が奪われてしまう。そんな現場の悩みを解決するために、本記事では、日常のやり取りに潜む思い込みがなぜトラブルや非効率を招くのかを解説し、その解決に向けたコミュニケーション改善のヒントを提示します。
思い込みが招く認識のズレと生産性低下
私たちは日々の業務の中で無数の判断をしています。その際、無意識に「自分の前提条件」を相手も共有していると考えてしまいがちです。
例えば、上司が部下に「今日中に資料を仕上げて」と伝えたとします。上司は「定時までに欲しい」と思っていたとしても、部下は「今日退勤するまで」と解釈するかもしれません。両者が確認を怠れば、時間になってから「まだできていないのか」と叱責することになり、納期の遅延や無駄なやり直しにもつながります。
言葉にされなかった思い込みから生じる認識のズレは、信頼関係を損ない、組織全体の生産性・パフォーマンス低下を招きます。
心理的安全性を高めると生産性も向上する
コミュニケーションのズレを減らすためには、「心理的安全性」も重要です。心理的安全性とは、「ここで発言しても大丈夫」「質問しても咎められない」という安心感のことです。
もし部下が「上司の意図を確認したいけど、怒られるかもしれない」と感じて質問を避けてしまえば、誤解は放置されます。逆に、「確認してくれてありがとう」と受け止められる環境であれば、不要な手戻りは減り、結果として生産性の向上につながります。
心理的安全性が高いチームでは、意見交換が活発になるだけでなく、部門間の壁を越えた協力も生まれやすくなります。
現場で生かせる上司部下のコミュニケーションの3つのポイント
では、現場でどのように日常業務での会話や情報の伝え方を改善し、心理的安全性を育めばよいのでしょうか。例えば、次のような取り組みが効果的です。
1.「常識」を言語化する
「普通はこうだろう」という前提を言葉にして共有する習慣をつけることが第一歩です。例えば、納期であれば「何時までか」を確認するというように、曖昧な表現ではなく具体的に伝えあうことが大切です。
2.確認を歓迎する文化をつくる
「それってつまりこういうことですか?」という確認を手間や反抗ではなく「信頼のサイン」として受け止めましょう。上司自身が確認を奨励することで、部下は安心して聞き返せるようになります。
3.対話の場を意識的に設ける
1対1ミーティングや定例ミーティングで、単なる進捗報告だけでなく「どう感じているか」を話せる時間を確保することで、認識の食い違いを早期に発見できます。
伝え方の見直しこそ、最も確実で持続的な業務改善策
「思い込み」が生む認識のズレは、誰にでも起こり得ることです。しかし、それを防ぐ工夫と、心理的安全性を意識した日常業務での会話や情報の伝え方の積み重ねによって、職場の関係性は大きく変わります。
ミスコミュニケーションを減らすことで、時間や労力の無駄を省き、生産性の向上につながります。人と人との関わり方を丁寧に見直し、会話や伝え方を改善することが、最も確実で持続的な「業務改善策」なのです。
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インソースグループでは、伝え方の改善やミスコミュニケーション防止を通じた生産性向上の取り組みをサポートしています。上司・部下間の指示の出し方やフィードバックの方法など、現場の日常業務に直結する会話の改善を多面的にご支援いたします。
よくあるお悩み・ニーズ
- 業務上で発生する、思い込みによるミスコミュニケーションを改善したい
- 社内のコミュニケーションを活性化させたい
- 管理職に必要な部下とのコミュニケーション能力を向上させたい
本研修の目標
- 事実と解釈の違いを理解し、相手と認識を合わせることからミスコミュニケーションを削減することにつなげる
- 心理的安全性の高い環境をつくるコミュニケーションを学ぶ
- コミュニケーション能力の向上を通じて、発信力の高い人材を育成する
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