今日から始めるRPA導入計画~現場で使える業務自動化の4ステップ

「繰り返し作業に時間がかかる」「人の手によるミスが減らない」こうした現場の悩みに対し、近年注目されているのがRPA(Robotic Process Automation)です。
RPAとは、パソコン上の操作をロボットに代行させることで、業務の自動化・効率化をはかるツールのことです。しかし、どの業務を自動化すべきか迷う方も多いものです。本記事ではRPAを導入するための流れや注意点について解説します。
現場で失敗しないRPA導入の4ステップ~手間とミスを減らす実践法
1.まずはここから~RPAで自動化すべき業務の見極め方
最初に行うべきは、RPAで自動化できる業務の特定です。自動化のポイントは以下の通りです。
- 定型的で繰り返し作業が多い業務
- システム間のデータ転記や集計作業
- 複雑な判断を伴わない作業
- エラー発生時の手順が明確な業務
例えば、Excelへの定型的な入力作業や、組織内のシステムからのデータ収集・転記、Webから自動で情報を取得し整理する業務などです。自動化するうえでは、まず担当者間で作業手順を統一しておくことが必要です。手順が曖昧なまま自動化すると、エラーや予期せぬ結果が発生します。
2.小さく始めて成功体験を作る~導入業務の優先順位の決め方
業務の洗い出しが終わったら、どの業務からRPA化するか優先度をつけることが重要です。導入初期は、成功しやすく効果が見えやすい業務から着手することで、組織内の理解と協力を得やすくなります。また、RPA担当者だけでなく、業務を実際に行う現場の理解と協力を得ることも重要です。円滑に導入するためのポイントは以下の3点です。
- 小規模でも効果が明確な業務から開始する
- 関係部署と調整し、運用ルールを事前に設定する
- 成功事例を組織内で共有して理解を促進する
3.RPAツール選びの決定版~Power Automate・UiPath・WinActorの使い分け
RPAツールは操作性や導入コスト、セキュリティ、サポート体制を考慮して選ぶ必要があります。代表的なものとして、以下のツールがあります。
- Power Automate
OutlookやExcel、Teamsと簡単に連携でき、ボタンを押すだけで業務を自動化できます。パソコンが得意でない人でも、Microsoft製品に慣れていればすぐに使い始められます。 - WinActor
画面もマニュアルもすべて日本語でわかりやすいため、パソコンが苦手な人でも始めやすいです。サポートも手厚く、特に日本の組織でよく使われています。 - UiPath
たくさんの工程がある複雑な作業でも自動化できるツールです。専門的な知識が必要ですが、しっかり作り込めば大きな業務効率化が期待できます。
また、業務フローを設計する際は、人の手で行っていた作業をそのまま自動化するのではなく、効率化の余地がないか見直すことも重要です。作業に重複がないか、不要なものは無いかを検討します。
4.小規模テストで失敗を防ぐ~RPA運用の改善サイクル
RPA導入後は、小規模でテスト運用を行い、結果を確認しながら改善します。RPAは万能ではなく、想定外の入力やエラーに対応できない場合もあるため、最初から本番運用に移行するのはリスクが高いものです。
- 一部業務でのテスト運用
- エラーや例外処理の確認
- 必要に応じたフロー修正
上記のステップを踏むことで、組織内の不安を解消しながら、着実に運用を拡大できます。
RPAとAIの融合で、「非定型業務」と「思考」も自動化が可能
AI技術を活用することで、RPAの適用範囲は大きく広がります。AI-OCR(光学文字認識機能)を活用すると、紙の請求書や手書きの申請書など、これまで人の目が必要だった情報もRPAで自動的にデータ化・処理できます。
また、生成AIとの連携により、顧客からのメール問い合わせ内容をAIが分析し、RPAが適切なテンプレートで返信文案を作成するなど、判断や思考を伴う業務の一部にもRPAが活用できます。今後は、単なる効率化ではなく、「人が創造的な仕事に集中するための時間を取り戻す技術」として、RPAはさらに進化していくでしょう。
RPA導入は、ただツールを導入するだけではなく、業務プロセスの見直し、関係者との調整、段階的な運用が伴うプロジェクトです。本記事の導入ステップを踏むことで、RPA導入のハードルは格段に下がります。まずは自組織で「自動化できそうな業務」を具体的に洗い出すところから始めてみましょう。
ビジネス活用のためのRPA研修~RPA導入のための一歩を踏み出す
本研修では、RPAの基礎知識をはじめ、導入のステップやポイントについて学びます。RPAの活用事例にも触れたうえで、ツールの選び方や、有効に活用するための職場風土の醸成の仕方について理解を深め、生産性向上を目指します。
よくあるお悩み・ニーズ
- RPAの適用可能性を検討したい
- RPAを導入してみたいが、何から手をつけて良いか分からない
研修のゴール
- RPAでどのようなことが出来るのかを理解する
- RPA導入に必要なステップを理解する
- どのような業務が自動化できるようになるのかイメージ・計画できる
セットでおすすめの研修・サービス
業務削減研修~自動化(RPA)に向けて業務フローを見直す
本研修では、自動化によって業務を削減する手順とスキルを学びます。RPAを使ってできることについて理解を深めたうえで、自部署の業務を洗い出し、自動化できるものを整理します。それらを業務フロー図に落とし込み、業務時間の削減を目指します。
Power Automate Desktop入門研修~定型業務を自動化する(2日間)
RPAやPower Automate Desktopを一から学ぶ研修です。基礎的な概念だけでなく、Excelの転記やWebブラウザ情報の取得など実務で使える要素を多く盛り込んでいます。後半では、ExcelとWeb操作を組み合わせた実践的なワークに取り組みます。自動化のフローを自分で作成できるようになるプログラムです。
DXリテラシーアセスメント
「デジタルスキル標準(DXリテラシー標準)」に準拠したアセスメントサービスです。組織内人材のDXスキルを客観的に評価し、伸ばすべき領域を可視化します。DX推進に必要な人材育成の第一歩にお役立ていただけます。








