環境局向け研修・サービス | 官公庁・自治体の教育・研修ならインソース

ＳＤＧｓの普及で社会の意識に変化が。担い手確保・やりがい創出が課題

高度成長期の公害問題をきっかけに制定された公害対策基本法を引き継いだ「環境基本法」には、人々の生活や健康を守る国・地方公共団体の役割について明記されています。歴史から学び、世界に先駆けていち早くＳＤＧｓ活動に取り組んできたともいえるのが、環境局の業務です。コロナ禍においてはごみの収集、焼却施設の稼働や浄化槽の整備など、クリンリネスに関わる事業の重要性が再確認されました。

一方、これらのサービスを高い水準で維持し続けるにあたり、労働力不足が最も大きな課題となっています。処理施設の実務において多くの会計年度任用職員の方が活躍していますが、危険な業務に従事する際の意識づけ、ルール徹底が難しくなってきていると悩みが少なくありません。あるいは、利用者からのいわれのないクレームへの対応、企業への立入検査時の指導の仕方、委託業者との連携のあり方や住民への広報を改善したいといったご相談もいただいています。

人々の生活を機能させるのは現場で働く職員。期待に応える心構えに

資源回収車両やリサイクルセンターのクレーンの運転業務、河川や公道の清掃美化業務は、会計年度任用職員（技能労務職）だけでなく、委託先の民間企業が担っていることも多いです。しかしながらどちらの場合であっても、利用者からは環境局職員の仕事と認識されています。道路交通法をはじめとした社会のルールを守る意識の醸成、チームメンバーと息を合わせて業務に臨み成果を高める指示・指導、住民との建設的なやりとりを可能にする方法を学ぶ教育などがおすすめです。

持続可能な社会のための長期計画・予算管理・連携調整・啓蒙活動

環境保全に関する企画の推進や長期計画の実行は、想定通りに運ばないことがあります。そこで必要なのが、プロジェクトの進捗を阻む要因をつきとめて歩留まりを解消することや、関係者との調整、予算をコントロールする力です。使い捨てプラスチックごみの削減、サーキュラーエコノミー（循環経済）を提供者・消費者に呼びかける活動においても、取り組みへの交渉・合意形成と広く訴求力の高いメッセージを発信するスキルの習得が望まれます。

ダイバーシティ推進とＩｏＴ活用で「みんなの生活をみんなで守る」

団塊の世代の大量退職により、若い職員が多くの責任を抱えながら、住民の生活を支えるべく奮闘しています。その一方で、きつい・汚いというイメージが先行し、担い手を確保することが難しいという声もあります。職員の待遇の見直すとともに、ＳＮＳや各種メディアでの業務内容などを知ってもらうことは、従事者の裾野を広げるうえでも大切です。シニア世代、短時間勤務者や女性にも事業を担ってもらうための業務采配の工夫、ＩｏＴ・デジタル技術の活用による省力化なども実現が急がれます。