OJTが成功する職場は何が違うのか~監督者が実践する3つの環境づくりと支援のステップ
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OJTを効果的に進めるためには、育成計画を作るだけでは十分ではありません。現場で育成が滞らないよう、OJT監督者が環境を整え、トレーナーを支える仕組みをつくることが欠かせません。
本コラムでは、OJTが成功する職場に共通する3つの環境づくりと、監督者が実践すべき支援のステップを整理します。今日から取り入れられる視点をまとめ、育成が前に進む職場づくりのヒントを紹介します。
OJTが成功する職場に共通する3つの環境づくり
OJTが機能する職場には、監督者が意識して整えている環境があります。ここでは、育成を止めないために欠かせない3つのポイントを取り上げます。
1.部署内の理解を得て協力体制を整える
OJTを円滑に進めるためには、部署全体の理解が欠かせません。育成対象者の状況やOJTの目的を共有することで、周囲がサポートしやすくなります。トレーナーだけに負担が集中すると育成が長続きしないため、協力体制を整えることが重要です。部署全体で育成を支える姿勢があると、育成対象者も安心して学べる環境が生まれます。
2.部署内集合研修を取り入れて育成効率を高める
マンツーマン指導が基本である一方、複数名をまとめて育成する「部署内集合研修」を取り入れると、効率が大きく向上します。共通テーマを一度に扱えるため、トレーナーの負担が軽くなり、育成対象者同士が考え方を共有する機会にもなります。互いの視点を知ることで学びが深まり、育成のスピードが上がります。
3.OJTの最終責任者として判断を引き受ける
育成の現場では、トレーナーが判断に迷う場面が必ず生じます。監督者が最終責任者として支える姿勢を示すことで、トレーナーは安心して指導に集中できます。困難な場面では監督者が前に立ち、問題解決に向けて動くことが求められます。この覚覚悟があることで、育成全体の質が安定し、トレーナーの成長にもつながります。
OJTトレーナーを支えるための2つの支援ステップ
育成対象者を直接指導するのはトレーナーですが、そのトレーナーを支えるのが監督者の役割です。
トレーナーが直面するリスクを事前に把握する
若手のトレーナーは、育成経験が浅いため、予想外の問題に直面しやすい傾向があります。監督者が事前にリスクを洗い出し、起こり得る場面を共有しておくことで、トレーナーは落ち着いて対応できます。問題が起きてから対処するのではなく、未然に防ぐ姿勢が重要です。
指導方法のすり合わせで育成の方向性を統一する
OJTを始める前に、監督者とトレーナーが指導方針をすり合わせておくと、育成がぶれにくくなります。どのような場面で声をかけるか、どこまで任せるか、どのタイミングでフィードバックするかなど、具体的な行動レベルで共有することが大切です。方向性が一致していると、育成対象者も安心して学べる環境が整います。
育成環境づくりがOJTの成果を左右する理由
OJTがうまく進むかどうかは、トレーナーの力量だけで決まるものではありません。監督者が環境を整え、育成の優先順位を明確にし、部署全体が育成に向き合える状態をつくることで、育成の流れが安定します。特に、業務量の偏りやコミュニケーション不足があると、育成が後回しになりやすく、計画が形骸化するリスクが高まります。
また、監督者が育成の意義を言語化し、部署に共有することで、育成が「個人の努力」ではなく「組織の取り組み」として認識されます。結果として、トレーナーが安心して指導に集中でき、育成対象者も学びやすい環境が整います。監督者が主体的に動くことは、OJTの成果を大きく左右する要素と言えます。
まとめ~育成を前に進めるために監督者が果たす役割
OJTを成功させるためには、監督者が環境を整え、トレーナーを支える姿勢が欠かせません。部署内の協力体制づくり、集合研修の活用、最終責任者としての判断など、監督者が果たす役割は多岐にわたります。
また、トレーナーとの事前すり合わせやリスク共有によって、育成の質がさらに向上します。今日からできる一つの行動として、まずは育成環境の見直しから始めてみてください。
OJT監督者研修
本研修は直接新人、若手を指導するOJT担当者を部下、後輩に持つ皆さまを対象としています。OJT担当者に指導を任せきりにせず、部署や組織全体でOJTを戦略的に進めることで、効果的な部下育成の実現が可能です。
本研修では、OJT担当者の支援者として、監督者の役割やコロナ禍の中で入社した若手のOJT担当者たちが、対面でのOJTで苦悩しないよう、サポートするうえでのポイント、育成計画の考え方などを学びます。また、ケーススタディは現場で起こりがちな「OJT担当者が困る事例」をもとに、どのように支援すべきかを検討いただきます。
本研修のゴール
- OJT担当者のサポーターとしての役割を理解する
- 現代のOJT担当者が不安に思うことを理解し、育成指針を示すことができる
- OJT担当者への適切な支援の仕方とかかわり方がわかる
よくあるお悩み・ニーズ
- 今のOJT担当者が何につまずくのかがわからない
- 効果的な育成、指導ができる環境整備がしたい
- OJTが困る場面に適切に関与したい
セットでおすすめの研修・サービス
5つのステップで進めるOJT研修~リーダー・管理職の部下指導
本研修はOJTを5つのステップに分け、自立して現場で考えて動く人材を育成することを目的にしています。
- 育成計画を立てる~仕事の見通しを伝える
- 知識付与~OJTより先に座学で仕事の内容を伝える
- OJTの実施~仕事のやり方、意義、やりがいを伝え、教え方も最適化
- ケーススタディ~経験談の共有で、こんな時どうするかを理解させる
- 面談の実施~部下一人一人の話を1週間に15分ぐらいじっくり聞く
1、2のステップで仕事や今後の指導に対する若手の不安を減らし、3のステップで仕事の具体的な方法と意義を伝えます。そして、4のステップで主体的な判断力をつけ、5のステップで伴走する姿勢を示します。これらの手順で若手に配慮したOJTをすることで、効果的な教育が実現できます。
OJT研修~部下・後輩指導の基本スキルを習得する(2025年版)
部下・後輩の世代の傾向やキャリア観への理解を深め、職場全体を巻き込み計画的に指導・育成する方法を学ぶ研修です。
部下・後輩が自ら考え行動できるようになるためには、OJT担当者による用意周到な準備、粘り強く何度も同じ指導を継続し続けること、効率よく計算的に育成を進捗させる力が不可欠です。実際の部下・後輩の現状を踏まえた3カ月間の育成計画の策定方法のほか、報告の受け方や指示の仕方、ほめ方・叱り方などの指導方法を学び、ケーススタディで実践力を磨きます。
(経験者向け)OJT指導者研修~育成方法を振り返り、フィードバック力を高める
OJT担当者として、これまでの指導の振り返りと、後輩との関係構築・フィードバックスキルの向上に焦点を当てたフォローアップ研修になります。
本研修では、これまでの育成計画・指導、後輩の成長や課題を振り返っていただき、残りのOJT期間での指導をより充実させるため、改善点を明確にしてもらいます。さらに、後輩の自信を高める質問の仕方、後輩を動機づけるための効果的なほめ方、フィードバックに必要な要素を習得し、より高い指導スキルを身につけていただきます。





