研修を語る

上級管理職研修~10の成功事例から学ぶ構想力と変革力を語る

2022/12/22更新

上級管理職研修~10の成功事例から学ぶ構想力と変革力を語る

時代の波に負けない、変革を目指す部長職へ

―管理職研修は、初級から上級まで数多くのものがありますが、こちらの「上級管理職研修」は、どのようなプログラムなのでしょうか。インソースならではの特色がありましたら、ぜひお教えください

この研修では「構想力と変革力」を扱います。基本的に対象は上級管理職、多くは部長の方々です。昨今では、事業や組織を取り巻く環境が大幅に変化しており、そういう中で新たな事業モデルの構築や事業拡大などを目指し、変革者としての構想力を修得していただくことが狙いです。

もちろん業界によっては「変革の必要はない、現状維持でよい」という会社もあるかもしれません。しかし部長職ともなれば、「どうすれば強い組織を作れるのか」ということを考える必要があります。そのような上級管理職の皆さんへ、先人の偉業や数々の成功事例などから、変革のためのヒントをつかんでいただくのがこの研修の目的です。

―企業の規模としては、どのくらいの会社の方が主に受講されるのでしょうか

比較的、大きな組織の方が多く受講されています。実は、このプログラムの基礎は、もともと銀行のクライアント様からのリクエストをお受けして開発したものです。銀行をはじめ歴史のある大手企業の中には、伝統的な業務管理を継承しながら、独自のスタイルで手堅く経営を行ってきた会社が多くあります。

しかし近年、さまざまな分野でITなどを用いた革新的な動きが活発化し、事業環境や市場に大きな波が訪れています。そのため、経営に関わる役職の方々にも、新しい時代に向けての意識改革が必要となりました。この研修は、そのような企業の上級管理職の方々が、変化に適応するために受講をされています。

―昔ながらのやり方で安泰だった企業ですと、なかなか一足飛びに意識改革をするのは難しそうですね。でも、やらないと時代の波に乗り遅れてしまいますし、そのためのプログラムが求められているということでしょうか。

そうですね。大企業の方が多く受講されているのは、そういう理由もあると思います。また、大企業でなくても、「ずっと現状維持でやってきた」という会社も多いと思われます。もしそういう企業が「この先それでは立ち行かない」と感じておられるのでしたら、ぜひ早めにこの研修を受けられることをおすすめします。

―そのような会社は非常に多いと思いますが、どうしていいか悩んでいるケースが大半ではないでしょうか。このような研修があることを知っておくだけでも意義がありそうですね

システムがきちんと組まれていて、しっかり運営してきた組織であるが故に、「変革がしづらい」という企業は少なくありません。組織運営がきちんとしていることは長所でもありますが、変化の激しい環境においては、新たな事業戦略や革新的な取り組みが企業の存続のために求められています。上級管理職はその先頭で組織を指揮する役割ですので、意識改革が急務であると考えます。

「上級管理職は経営者」という考えがベースです

―受講者の方々は個人のスキルアップというよりも、業務変革という社命を背負って送り出されてくる、という方が多いのでしょうか

ほとんどのケースがそうです。どんな企業でも、時代の潮流を真っ先に読み取って、変革への舵を切るのはトップの方ですので、社長の号令を受けて来られる方が大半です。全部長一斉にゴーサインが出る、というパターンも珍しくありません。

本研修は「部長は経営者」という考えのもとに構成されておりまして、①経営者マインド②プロフェッショナリズム③アカウンタビリティ④情報への感度・豊かな知見⑤リスクコントロール⑥構想力⑦組織運営力、という経営者の視点に立った七つの項目を組み込んでおります。

―さすがに部長クラスの研修となると、視座の高さがすごいですね。やはり、こちらの研修を受けられた方は、マインドチェンジの効果を感じられるのでしょうか

はい、従来の固定観念を払拭し、意識改革を行ってもらうことはもちろんなのですが、この研修では過去の偉人たちが成功を収めたストーリーですとか、世界の企業・組織で取り入れられている具体的な事例を取り上げているところが、注目していただきたいポイントです。

実際の成功事例を知ることで、「こうすればいいのか」「こうした発想で物事を捉えるのか」という、与えられた環境で実現可能なアイデアを実戦的に導いた先人の知恵を学習できることが、この研修の非常に大きなベネフィットだと考えます。

―先人の知恵というのがポイントですね。ちなみに昨今のコロナ禍で、変革を余儀なくされた企業なども多いのでしょうか

もちろんコロナ禍による事業環境の変化も、変革を目指す一因となっていると思われますが、実際はさまざまなことに起因して、現状維持では難しくなっている企業が多いと思われます。例えば、M&Aで組織構成が変わってしまった場合ですとか、統合によりグループ100%の子会社だったものが、下請けの業務だけでは立ち行かなくなった場合などです。環境の変化という点においては、共通点かもしれません。

三人の偉人と七つの成功事例から、変革を学ぶ

―副題にある「10の成功事例から学ぶ」の部分ですが、見出しを拝見するだけでも、すごく興味深い内容が並んでいますね

10の事例をご紹介する流れとしては、まずビジネスの世界では非常に有名な成功者たちにスポットを当てています。阪急電鉄の創業者である小林一三さん、ヤマト運輸の小倉昌男さん、そしてリクルートを作った江副浩正さんの三人です。

―いずれも日本の今日を築いたビッグネームであり、アイデアマンですよね

そうですね、単なる成功者というより「偉業」を成し遂げた人々です。研修のテーマである「変革のための構想力」に文字通り負けない、素晴らしい構想力と実績を誇る方々だと思います。

小林さんは田園都市構想を掲げ、何もない更地に電車を走らせて街を起こした人ですし、小倉昌男さんはそれまで郵便だけだった個人宅配の分野に切り込み、流通業界に革命を起こしました。そして江副さんは就職情報誌を起点に、事業創出を推進するリボンモデルを世に広めた人です。それぞれ、現代日本を創った変革者たちといえるでしょう。

―有名な方々なので、何をしたかは知っていますが、改めて分析してみると驚く事ばかりですね。これはかなり影響を受けそうです。そのなかでも、受講者の方が興味を示されるのは、どんなところでしょうか

知名度の問題もありますが、やはりヤマト運輸を大きく飛躍させた小倉昌男さんの業績は、注目する方が非常に多いです。発想の転換をすることで、それまで「小口荷物は手間ばかりかかって儲からない」と言われた常識を覆した方です。

中でも、小倉さんが1975年に提唱したサービスの開発要綱は、教材の中にも記載しておりますが、流通業界に限らずビジネスの参考になる基本概念です。内容としては、需要者の立場になって考える、永続的・発展的システムとして捉える......など、5つから成り、受講された方々からは「同じようなことを社長から言われたことがあります」と、深く共感するコメントも聞かれました。

―偉業を成し遂げた方の言葉は胸に響きますね。他にはどんな事例を学べるのでしょうか

その後は、人物ではなく世界の成功事例やリーダーの金言にスポットを当ててご紹介しています。テーマとしては、「変化に対応できる組織・人材づくり~強い組織・リーダーの7つの事例から学ぶ」となっておりまして、組織の動かし方、あるいは組織の人材に対して、変化に強くなるように指導や働きかけを行うヒントにつながるよう、上級管理職の皆さんに向けて内容をピックアップしています。

―海兵隊に関するトピックがいくつか見られますね。これは、どういった理由からでしょうか

米国海兵隊が世界最強の軍隊であり、その組織づくりを企業経営に活かすためです。海兵隊は、常に人手不足なので兵士一人ひとりを育て上げることで組織を維持する必要があり、これは多くの日本企業と似ています。今でこそアメリカの海兵隊は世界最強と言われる軍隊ですが、昔は陸軍でも海軍でもない曖昧な立ち位置で、「不要なのではないか。予算削減のため解散させよう」と言われていた時代がありました。

しかしそんな逆風の中で海兵隊がどうしたかというと、存続の危機を乗り越えるために組織を鍛え上げ、陸でも海でも戦えるように生まれ変わりました。その結果が、現在の世界最強と言われる戦闘力であり、さらに紛争など有事の際には、軍の規模を変化させる柔軟性を発揮します。このように変化を乗り越えてきた海兵隊の成功事例は、企業経営にも活かせる部分がたくさんあります。

―それはぜひ拝聴してみたいです。その他にも、この研修の教材の中には、リーダーたちの立派な言葉がたくさん出てくるので、それを読んでいるだけでもためになります

自分の中の「プロフェッショナル」と向かい合うワーク

―この研修は、他のインソースのプログラムと比較すると、演習が少なめで講義が中心となっているようですが、特徴的なワークを取り上げるとすれば、どのあたりになるでしょうか

偉人の事例に比べて少し地味なのですが、事例を学ぶ前に「プロフェッショナリズム」をキーワードとして取り上げた章があります。その中に「改めて自らの信条としての『プロ』とはどのようなものか考える」というワークがあります。各界のプロの言葉を学び、プロフェッショナリズムとは何かを考えた後に、自分の中の「プロ」に向かい合っていただく作業です。

「変革」と言葉で言うのは簡単ですが、かなりタフなことですし、自信を持って進める必要があります。すでに部長になっておられる方々ですから、確かなプロ意識を持っておられるとは思いますが、改めて再確認していただくことで、変革に向かうご自身の意識を明確にしていただくのが狙いです。この流れは、インソースらしい独特のスタイルだと言えます。

―普段は意識せずに仕事をしている人が多いでしょうから、新鮮な気持ちになるでしょうね。ちなみに、ご自分のプロフェッショナルな部分というのは、どういった声が聞かれますか

ワークの前の講義で、有名なプロの方々のコメントを聞いた後になりますので、自省や振り返りのご意見が多い印象です。自分自身のプロとしての業務を振り返ると共に「さらなる高みがあることを、事例を以て理解しました」というような、ポジティブな意見が大半です。

―研修の最後にもワークがありますが、ここではどのようなことを行うのでしょうか

研修の最後は、まとめになっており「自社・自部署と自己の変革を考える」というテーマです。ここでのワークは「研修内容を踏まえて、自社、自組織の現状の課題を明確にし、変革に向け自社・自部署で取り組むこと、自分自身が実践していくことを考える」というもので、明日から具体的に何に取り組むか、を考えていただきます。

このワークもインソースらしい内容で、変革をスタートする前に最初の計画を立てる作業をやっていただくのですが、まずは会社全体を見て現状の課題を明確にし、次に自部署の課題、最後に自分自身がどうやって変革するかを考えるフローになっています。

書籍では得られない、本気の学びは研修ならでは

―インソースの研修では、終了後にアンケートを行っているそうですが、受講者からはどんな感想がありましたか

人によって実にさまざまなのですが「変革の具体的なイメージがわきました」という感想が多いです。なかには「危機感を抱きました」というご意見も見られます。これはどういうことかと言いますと、普段から社長に言われていることを、経営者目線に立って考えてみたことで、ようやくはっきりと理解できたという意味です。そのような方は、「危機感をもって変革を成し遂げたい」とコメントされています。

―それは素晴らしい効果ですね。この研修で取り上げられている事例や金言は、自己啓発の書籍などでも目にすることのできる内容だと思うのですが、書籍ではなく研修で学ぶ意義はどのような点にあるでしょうか

それは非常に重要なポイントです。まずは「向き合わざるを得ない」という状況が大きな違いです。会社の使命を背負って「これを学んで来い」という状況では、やらざるを得ないですし、研修を受けた後も実践せざるを得ない。これが自己啓発本を読むだけの学習と、対面研修の最大の違いです。

あと、読書は一方通行ですので、自分の都合の良い箇所だけ取り入れがち、ということもあります。その点、対面の研修であれば同じ情報を取り入れたとしても、その他の受講者と意見を共有することで、新しい気づきが得られますし、客観的に理解が得られるメリットがあります。

―確かに本だと読んでいるときだけ理解しても、ページを閉じると忘れてしまうことが多いです。他者と意見交換すると、学びの深さが変わってきますね

さらに、この研修では自分の中の考えを明確にして計画に落とし込み、会社で翌日から実践するというミッションに誘導しますので、学習するだけでなく本気で変革を求める企業には、訴求力が高いと確信しております。

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