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管理職研修を語る

2024/07/18更新

管理職研修を語る

管理職の仕事はプラスアルファの仕事を期待されている


管理職の仕事とは、部下・組織を管理することだけでなく、部下にはできない独自性があるものです。この程度では、「管理職の仕事」といえないものの参考例として、以下の2点が挙げられます。


(1)「部下が仕事を予定通りに終わらなかったり、成績が悪いことを注意する」

これは必要なことですが、目標通りに仕事ができているかどうかについては、部下本人がいちばんよく分かっていることです。


(2)「部下から週の初めに今週の予定・目標を聞き、週の最後にそれに関する報告を受けて、プラン通りに進んでいるかを確認する」

これも必要なことですが、これだけでは単なるスケジュール管理です。以上の2つの事例に足りない点は、部下の結果が悪くなるまで放置しておいたり、週のプランを聞き放しにしていることです。「管理職」の仕事としては、これだけでは十分ではありません。例えば、途中の進捗を確認して、仕事が予定通りに進んでいなければ、軌道修正をするなど、部下に何らかのフォローをしなければなりません。管理職には、部下ができないプラスアルファの仕事が期待されています。


管理職として必要な視点とスキル


管理職は、以下の3つの視点を兼ね備えていなければなりません。


  • 1.リーダーとしての視点=ヒューマンスキル
  • 2.上級プロフェッショナルとしての視点=テクニカルスキル
  • 3.経営者としての視点=コンセプチュアルスキル

また、「マネジメント」と「リーダーシップ」の2つのスキルは特に管理職に必要とされるものです。


(1)「マネジメントスキル」

まず、「マネジメントスキル」ですが、「マネジメント」とは、ビジネスと人・組織の管理能力のことです。


その「マネジメントスキル」の基本は、


  • 1.自分の部下の仕事をつくり、それを管理する=コーチングスキル
  • 2.組織の目標を達成する=目標管理スキル
  • 3.リスクを未然に察知し、それを未然に防ぐ=リスク管理スキル

という3つのスキルです。これら3つのスキルを身につける必要があるという点において、管理職は一般社員と立場が大きく異なります。


具体的には、「部下の評価スキル」、「問題解決力」、「マーケティングスキル」、「交渉力」や、そのほかに、個人の持つ知識や情報を組織全体で共有し、有効に活用することで業績を上げようという経営手法である「ナレッジマネジメント」、「アカウンタビリティ」(説明責任:ある組織において権限のある者が自分のしたこと、あるいはすることを怠ったことが招いた結果について合理的な説明を行う責務)などが管理職に求められるスキルです。


(2)リーダーシップスキル

管理職は管理能力とともに、ビジネスプロセスと人・組織の変革能力が必要です。リーダーシップスキルの基本は以下の3つです。


  • 1.組織のビジョンづくりや企画化
  • 2.ビジョンを実現させるための組織や人の活性化
  • 3.リーダーとしてのコンピテンシー(高い業績を上げている社員の行動特性)を備える

以上の3つのスキルは、「夢を語り、具体的に実践していく」能力と言い換えることができます。

バランス感覚の重要性


価値観が多様化している現在、自分の価値観に合わない反対意見にも配慮することができる「バランス感覚」が求められています。


有能な管理職として認められる基礎要件には、おおむね、誰からも受け入れられる人間性を持っていることが挙げられます。 バランス感覚とは、周りと自分の現状での立場をわきまえ、周りに溶け込みながら自分自身を認めさせていく技術を身につけていることです。


(1)社会常識に従う(社会人=会社人)

ビジネスそのものは社会常識の上に成り立っています。社会常識を欠いた企業やビジネスパーソンは生き残れません。当たり前のように聞こえるかもしれませんが、言葉づかい、挨拶や会話の仕方、敬語の使い方、時と場所をわきまえた言動や、守るべき慣例など、いつの時代にも変わらない常識をきちんと身につけていることが重要です。そうすれば、思わぬ所で足をすくわれることもありません。


(2)自分の"分"をわきまえ、主張する=権限と責任

バランス感覚が良いと評価されている人は、例外なく自分の"分"(身のほど)をわきまえています。場面によって、自分が出るべきか、控えるべきかのタイミングを心得ています。「しかるべき場所に顔を出すときや会議などで発言すべきときをはずさない。上司が必要なときはそばに控え、不必要なときはいつの間にか席を外している。自分の現在置かれている立場をしっかり理解し、決して出しゃばらないが、必要なときはきちんと自己を主張し筋論を通す」。このように謙虚さと積極性を上手に使い分けることが重要です。


(3)周りに配慮=不必要な敵をつくるな

物事に積極的に取り組めば取り組むほど、周りとの摩擦も起きやすくなります。行動・企画が革新的であれば、ますますその可能性は高くなります。周りから仕事ができると評価されている管理職には案外敵が多いものです。突然寝首をかかれて失脚するような場合は、その人が自己中心で周りに対する配慮が欠けているからです(=バランス感覚の欠如)。


もっとも、周りばかりを意識して敵をつくらないよう笑顔を振りまく八方美人タイプは自分の信念もないから信用されません。管理職として良いのは、ビジネスはビジネスとして割り切り、何があってもできるだけ感情問題として尾を引かない配慮ができることです。このようなタイプは不用意に敵をつくりません。


(4)価値感の多様化の溝を埋める~世代間、非正社員など遠慮せずに、論理的に説明する

「阿吽(あうん)の呼吸」という言葉がありますが、価値観の多様化が進んでいる現在は、両者が一体となるように(同じ価値観を共有するように)向かうのではなく、違った個性を持ったもの同士が、いかにその各人の個性を損なうことなく、組織としてまとまることができるかを管理職は期待されています。


近年では、リーダーに必要とされるのは、マネジメント=管理能力ではなく、ファシリテーション=各人の良い所を引き出し、まとめる能力が切に求められています。



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