コンプライアンス研修を語る

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「コンプライアンス」とは?
弊社の取締役にインタビュー

川端
近年、企業活動や自治体運営において「コンプライアンス」という言葉がよく使われるようになりましたが、どのような現状なのでしょうか。

大島
企業および自治体は、法令遵守(コンプライアンス)を守ることが求められる立場ですが、現状ではそれがなかなかできていないと思います。ただし、企業や自治体の中でコンプライアンスの問題と考えられるものについても、実は単純に仕事の進め方や段取りが悪いということもあります。コンプライアンスとは基本的に簡単なことです。たとえば役所関係などでは、基本的な仕事は法令に基づいて大枠が決まっていますから、コンプライアンスの問題といえば、細かい事務処理の部分だけなのです。つまり、事務処理が円滑かつ適正に行なわれているかどうか、正確で迅速にされているかどうかという問題です。それが確実に実行されていることを前提として、その担保として目を変えてチェックをするというのがコンプライアンスです。往々にして多いのが、非常に分厚いコンプライアンスマニュアルがつくられたまま、使用されずにほこりをかぶっているということです。極端なことを言えば、コンプライアンスマニュアルが無くてもいい場合もあります。ある事務処理をするための書類があり、その中にコンプライアンスのすべてのチェック項目が入っていれば、それはそのままコンプライアンスマニュアルと言ってもいいでしょう。それをチェックする担当者は、書類の中にあるチェック表の項目がきちんと埋まっているかどうかを、業務の中で動態観察していけばいいわけです。 動態観察をしっかりすれば、書類の中でつじつまが合わなくなることも防げるでしょう。


「コンプライアンス」とは仕事を良い方向に向けること

川端
コンプライアンスを行なうための重要事項を教えて下さい。

大島
動態観察がきちんとできるようなチェックリストをつくることが、コンプライアンスの真髄だと思います。つまり、マニュアルやフローがある中で、うまくいっていないところはどこかを発見し、それを良い方向に直すものだと思っていただいていいと思います。その際に気をつけた方がいいのが、どうでもいいようなところまでチェックを行うことにより、重要な部分のチェックがおろそかになってしまうことです。必ずしも全部をチェックする必要はなく、最優先の重要な項目だけをチェックすればいいのです。チェックを多くすればするほど、何が重要なのかという優先順位がどんどん不透明になっていきます。私の経験からすると、コンプライアンスには立派なマニュアルは全く必要がなくて、必要最低限度のチェック表があればいいのです。

川端
つまり、コンプライアンスのためには「捨てる」ことが重要だと言えますね。書類関係でも同様ですが、いかに捨てるかということで、どうしても残さなければならないものだけを残した結果について、コンプライアンスチェックすれば良いということでしょうか。

大島
そうですね。そこで大事なのは、仕事の要約ができているかということです。仕事の要約がされていれば、何が違うかが自然と分かってきますので、そこをおさえればいいのです。往々にして、問題を起こした会社や部署がどういうことをやっていたかというと、「チェックのためのチェック」をつくって、結局のところ、ますますチェックができなくなり、そこでまた人が足りなくなるという悪循環が生じてしまっています。コンプライアンスの前提として、仕事自体のフローを見直して工程分析をし、その工程にかかる手数をできるだけ減らすことをしなければいけません。現状の事務フローのままコンプライアンスを強化しようとして、チェック項目をたくさん設けるとか、チェックする人をさらに増やすようなことは、絶対にしてはなりません。人が多すぎると逆にミスが起きます。人を減らすぐらいの事務フローの見直しが必要なのです。


「コンプライアンス」はシンプルにするのが一番

川端
大島顧問が関わったコンプライアンスの見直しの具体例を教えていただけますか。

大島
私は大手銀行の合併の時に、大量なマニュアルの作成に関与しました。しかし経営者向けのコンプライアンスマニュアルはありませんでしたし、逆に担当者向き・管理者向きのものはたくさんありすぎました。コンプライアンスが一般化したのは、日本では最近のことです。ですから、コンプライアンスがうまくいっているところというのは、あまり聞いたことがありません。その中でもうまくやっているのは、コンプライアンスの重要事項だけに絞って、軽量化して取り扱っているところだと思います。ダメな会社は、コンプライアンスがまずいと言われると、分厚いマニュアルをつくったり、チェックを増やす方向に走ったりしますが、それは逆効果です。自分たちがやっている仕事のチェックが、そのまま検査項目になっていればいいのですが、往々にしてズレがあるものです。たとえば、「検査のための事務処理」の部分がそうでしょう。ひどい場合には、お客さまのためではなく、組織の内向きの処理になってきますから、CSに反してしまう恐れもあります。お客さまを犠牲にした、検査のためのコンプライアンスとなっては本末転倒なのですが、それを分かってない人が余りにも多すぎると思います。そこで、弊社でコンプライアンスの研修を行うときには、それが単なる「お勉強」になってしまってはあまり効果がないと考えています。弊社では研修の前に、お客さまのコンプライアンスの体制や内容のチェックをしますが、その際に重視するのは次の3点です。

1.コンプライアンスマニュアルがあるかどうか。
2.外部に出す文書手続きのフローを見直し、違和感がある点や、形骸化してしまっている点を洗い出す。
3.洗い出した部分を、なぜそうなってしまったか、原因をしっかり把握する。

研修を行う前に、以上の3点に関して、お客さまに「事前課題」を出して考えていただき、問題点を具体的に把握した上で、適正なコンプライアンスを学んでいただいています。



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