(管理職向け)離職防止研修を語る~採用者の早期活躍を支援する

(管理職向け)離職防止研修を語る~採用者の早期活躍を支援する

現代日本は入社する人より辞める人が多い

―離職の防止は各企業にとって昨今の重要課題だと思います。既に長期にわたり離職率の増加傾向が続いているそうですが、さらに今後も継続しそうですね

全国的に頭の痛い問題だと思います。30代くらいまでの比較的若手の離職が増えているようです。弊社でもこの研修を開発するにあたり、中小規模の会社を中心にお話を聞いたのですが、課題として多く挙がったのが「社員がなかなか定着しない」というお悩みでした。

―昔は終身雇用が多かったですが、今は転職が当たり前なので「希望と合わない」と思えば、離職してしまうのかもしれないですね

それはあると思います。実際、厚生労働省の雇用動向調査結果(※)によると、2020年の入職者は710.3万人、離職者は727.2万人で、離職率は14.2%。離職者が入職者を16.8万人上回っている状況です。企業が存続していくためには、社員の定着のためには今すぐ対策を講じるべきだといえるでしょう。

※人事のお役立ちニュース:2020年は離職した人が就職した人を16.8万人上回る

―この研修を受講なさる方の所属組織も離職者が多い状況だと思いますが、どういう階層やポジションの方が退職することが多いのでしょうか

その組織によって離職の状況はまちまちです。ただ、お話をうかがった限りでは中途採用者の離職のケースが多いようでした。これは研修テキストにも取り入れていて、もし中途採用の離職にお悩みの企業であれば、この研修が問題解決に役立てられると思っています。

―世の中に離職防止の研修はあまたありますが、その中でインソースならではの特色や、他にはない工夫などがありましたら教えてください

この離職防止研修には採用者を受け入れる側の研修として3種類のプログラムを用意しておりまして、こちらは副題にあるように「採用者の早期活躍を支援する」ことで定着率の向上を目指すものです。この他に、部下との円滑なコミュニケーションを目指して離職を防ぐ管理職向け研修、人事担当者に特化した半日コースの研修があります。

▶(管理職向け)離職防止研修~部下との良好なコミュニケーションを考える

▶(半日研修)(人事担当者向け)離職防止研修~採用者の職場定着を支援する

―このようにバリエーションがあれば、会社の状況や課題に合わせて最適な研修が選べますね

はい、3つの研修ではそれぞれに離職防止のための細やかなノウハウを盛り込み、すぐに現場で実践いただけることです。また、コミュニケーションやマインド面に関しても、上手な接し方や部署内でのフォローなど、離職しにくい環境づくりのコツをお伝えしています。

―離職防止研修の中で、この研修は特にどんな方におすすめですか

新しく採用した社員を組織に受け入れる際、どのような準備や工夫をすれば早期活躍が見込めて、結果的に離職率が下がるかというところに重きを置いているのが本研修です。管理職の皆さまを対象としており、受け入れ側の心構えを学びたい方には特におすすめです。

中途採用は丁寧に教えてもらえないケースも

―お話をうかがって、離職防止の対策は思っていたより急務であると実感しました。長期にわたって続く離職率の増加は、どのような理由が根底にあるのでしょうか。まずはそこを理解していないと、受け入れ側も準備ができないですよね

国が調査したデータによれば、300人以上の企業では定年退職や契約期間の終了が圧倒的なトップですが、それ以下の規模の組織では、様々な理由での中途退社が多いです。中でも収入や労働条件、職場の人間関係という理由が目立っています。

前職の従業者規模別前職の離職理由の割合

引用:中小企業白書 第1部 平成28年度(2016年度)の中小企業の動向
(最終アクセス2022年6月14日)

―中途退社が多くなれば、当然ですが中途採用も増えますね。先ほど中途採用者が定着しないとおっしゃっていましたが、その理由は何でしょうか。受け入れる側として新人と中途採用者に対する心構えは大きく違うのでしょうか

最も大きな違いは、新人の場合は「いちから教える必要がある」ということです。新卒採用であれば、組織のルールから社会人のマナーまで、全てを受け入れ側が教え込むという前提で採用されます。それに対し、中途採用では「他社で経験を積んできているだろう」と思われ、あまり丁寧に教えてもらえないのが現状です。

―社会人として一人前になっていることが前提なのですね。しかし本プログラムの中には「中途社員にも新人としての意識を持ってもらう」という項目があります。これはどういう意味でしょうか

受け入れる側にはたとえ中途採用でも、ひとりの新人という気持ちで受け入れることをお伝えしています。新しい職場で、一から再スタートする意識を持ってもらったほうが組織になじみやすく、新しい知識を吸収しやすくなります。その結果、早期に活躍でき、離職防止にもつながっていきます。

もちろん中途採用の場合は、以前の会社での経験や実績などを期待されている部分もあります。とはいえ経験を生かすことと以前のやり方に固執するのは意味が違います。素直に新しい会社のやり方を受け入れ適応していくために、中途入社の社員側にも心構えを持っていただくことが必要です。

―次の項目に記載されている「経験を生かすための謙虚な気持ちを持たせる」というのがそれにあたるのでしょうか。これが研修項目に入っているということは、なかなか現場では中途採用の扱いが難しいという状況があるからですか

そうですね。苦戦されている管理職は多いと思います。比較的若い方で複数社経験されている方よりは、ある程度年齢が高く、一つの職場で長く働かれた後に転職された方は、過去から脱却するのが難しい印象です。

中途採用の場合も、一人の新人として準備を

―第2章以降は、受け入れ側の立場から「どう導いていくか」にフォーカスした内容ですね。各社いろいろと対策は講じていると思うのですが、それでも離職が止まらないのは、どういうところが足りていないからなのでしょうか

先ほど「中途採用の社員は丁寧に仕事を教えてもらえない」とお話ししましたが、これがかなり大きな問題です。ほったらかしとまではいかないまでも、どうしても入社時の教育が手薄になる傾向があるため、入社する社員側の意識改革だけでなく、受け入れる側もきちんとした準備が望まれることを認識してもらいます。しっかり定着してもらいたい、早期に活躍してもらいたいと思えば、それなりの準備や心構えは必要です。

―社員側に期待するばかりではだめということですね。第2章で自社のあるべき姿と採用したい人物像を改めて考える、そのうえで採用側の期待と中途入社者側が期待していることを整理するというふたつのワークがありますが、これも会社側の準備を考えさせるものですね

はい、採用する段階で明確に必要とされる人材をイメージすることは大事ですし、採用側と社員側それぞれの期待にギャップがあることを予め想定していただくことが狙いです。そのため、組織の採用基準によって答えは様々です。

―採用の段階から、離職防止の対策は始まっているということですか

そうですね。採用活動そのものに関する研修は別にご用意しているので、そちらをご活用いただくことをお勧めします。

―この章でのポイントは、どの辺りになるでしょうか

「うちの会社で離職が多いのはどうしてだろう」という原因を探るところがメインなのですが、そのためにはまず自社の組織についてじっくりと考える、ということがポイントです。

研修翌日からすぐに活用できるノウハウが盛りだくさん

―第3章では、「採用者にあわせた仕事の任せ方」というタイトルが掲げられています。現場の管理職にとっては大切な要素だと思いますが、この章で最も重要視されたのはどこでしょう

この章の最初に「任せる仕事でスキルを見極める」という項目があります。新卒であれば、きっちりと育成計画を立てることが多いのですが、中途採用の場合は即戦力としての期待が大きく、即現場にということが少なくありません。しかし個人によって持っているスキルには差があります。まずはそれをしっかりと見極めることの重要性を解説します。

―中途採用であっても、新卒とはまた違った育成計画が必要ということですね

そうです。また、社会人経験はあってもその業種で働くのは初めてという中途社員もいます。そういう場合は経験が浅いうちでも、何らかの仕事を任せてみることでスキルの判断もできますし、新しい職場に溶け込みやすくなります。

―この章では、中途社員を自分の職場で受け入れる際のOJT計画を立てるワークも組み込まれています。OJTは、新卒採用の人向けという印象を持つ人が多いように感じましたが...

はい、新人研修でよく取り入れられています。しかし中途社員でも、各人の経験の有無に応じて「これくらいはできるかな」との想定のもとでOJTによる育成計画を立てることは、早期活躍の推進と離職防止に有効です。弊社でも中途社員向けのOJT施策をもっており、これによって期待以上の成果を上げている実績があります。

―そこまで綿密な育成計画を立てている会社は、現実的には少ないのではないでしょうか

そうだと思います。あまり規模が大きくない会社では特に、即戦力として人員を採用し、研修もそこそこに現場で成果あげることを期待しているケースがほとんどです。そして、それが結果的に離職につながっていることに気づかず、悪循環を生み出しています。

―それを考えると第3章以降の内容は、受け入れ側の企業にとってはマニュアルと言ってもいいものですね。研修の翌日から、このまま実践できそうです

はい、すぐに活用いただけると思います。離職防止研修シリーズは各テーマに沿った改善策を丁寧に解説しており、その中でも本研修では、受け入れ側の準備や心構えをしっかりと学んでいただくように構成しました。

新入社員に対してこうしましょう、というような大きな枠組みでの離職防止対策は、弊社の従来の研修でも多く取り上げてきました。しかし「中途社員が入社したらこういう準備を」という明確なコンセプトの研修はなかったので、そういう点では新しいアプローチだと思います。指導対象者を問わず、部下を導くテクニックのひとつとしてお役立ていただける秘訣を豊富に盛り込んでいます。

忙しくても管理職側からの声かけが必要

―第4章は面談で確認するというタイトルですが、サブタイトルの「イメージの違いをやめたいにつなげない」とは、どういう意味でしょうか

部下に対する面談は重要ですが、制度として設けられてはいても、日々の実務を優先してしまって、なかなか面談の時間が作れない組織が多いようです。その結果、受け入れの上司側と採用された社員側の業務そのものやパフォーマンスに対するイメージの違いを埋められない問題が発生します。

―この章の最後に「期待していたほどの成果が出せていない中途社員との面談」というケーススタディがあります。いきなり即戦力として現場に出されて、成果が出ていない人は精神的にもきついですよね

ここでは各人が意見を出し合って、どうすれば活躍してもらえるか、改善のヒントを見つけてもらうことが目的です。これが正解というものはありませんが、受講者がグループで話し合うことによって、自分にはない様々な考え方に触れられることが学びになります。

―最後の5章では、日常のコミュニケーションに関する内容ですね。やはり最終的には、良好なコミュニケーションが離職を防止するカギになると

メンタル面をケアするという意味でも、コミュニケーションは重要です。部下からの声掛けは難しいと思うので、なるべく管理職からの歩み寄りをしていただくのが理想です。そうすることで、「あまり元気がないのかな?体調がすぐれないのでは?」などの小さな変化にも気づきやすくなります。

―昔、自分が上司から教えられたとおりにやっているだけでは、なかなか今の時代はうまくいかないことも多そうですしね

それはあります。「背中を見て学べ」というのは、もう難しい時代です。きちんと理論立てて教え、それを実践するスタイルが現代の指導の主流になっていますので、説明していないことを察して理解できる人材というのは期待しない方がいいでしょう。ぜひこの研修を参考にしていただき、採用者との円滑なコミュニケーションや育成計画を学ぶことで、自組織の離職防止を図っていただきたいです。

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