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「話すことがない」の悩みを解決!1対1面談の進め方

部下の不安解消やキャリア支援につながる1対1面談。しかし、「何を話せばいいの?」と悩む上司も少なくありません。1対1面談を形式だけにせず、意義ある時間に変えることが重要です。

本記事では、1対1面談が注目される理由と期待できる効果、そして「話すことがない」悩みを解決する進め方6つをご紹介します。

なぜ今1対1面談が注目されているのか

職場のダイバーシティ化

職場を構成する社員の年齢層や価値観が多様化することにより、上司の画一的な指導では適切な部下指導をすることが難しくなりました。また、働き方も多様化しており、個人の事情や制約に合わせたマネジメント、指導が求められています。

上司のプレイヤー的役割の増加

管理者は多忙でプレイングマネージャーは当たり前、職場で管理者がエースプレイヤーとしても組織から期待されているということも少なくありません。そのため、上司が忙しく部下とのコミュニケーションの時間がとりにくくなり、部下とのコミュニケーションの絶対量が減っています(腰を据えて話すのは年に1~2回の評価面談ぐらいという組織も...)。

こうした現状を改善するために、月に1回、隔週で1回、30分~1時間という少ない時間でも確実に両者が対話する1対1面談の場を作る必要が出てきました。

中途社員のオンボーディングとして

「オンボーディング」(onbording)とは、中途社員を組織の一員として定着させるプロセスのことです。組織の文化やルール、仕事の進め方、職場の人間関係にニューカマーをいち早く慣れさせ、活躍するための軌道にのせる職場での一連の取組みがオンボーディングです。内定者・新入社員・若手社員、または部下・出向者などがオンボーディングの対象となります。

せっかくコストをかけて採用した社員が受け入れ側の不備や怠慢で挫折してしまい、離職やモチベーションが低下してしまうのは残念なことです。

1対1面談で期待できる3つの効果

個々の成長を加速

部下の強みや課題を深く理解し、最適なキャリアプランを共に描くことで、成長を力強く後押しします。

信頼関係を構築

率直な対話を通じて、上司と部下の間に信頼関係が生まれ、心理的安全性が高い組織文化を醸成します。

離職防止

個を尊重する姿勢は、エンゲージメントを高め、結果として優秀な人材の定着につながります。

「話すことがない!」のお悩みを解決する1対1面談の進め方6選

「何を話せばいいのかわからない...」
「ただの業務報告になってしまう...」
「部下のキャリアをどう支援してあげたら良いのかわからない...」
こうした声を、上司の皆さまからよく耳にします。

効果的な1対1を行うには、次の6つのポイントを押さえることが重要です。

①事前準備をする

最近の様子を見て感じていることやヒアリングしたいことなど、話したいことは上司側も用意します。

面談前に準備しておくべき「話したいこと」例

  • 「最近、チーム内で○○さんが中心になってくれている○○プロジェクト、うまく進んでいると聞きました。そのあたりのご本人の手ごたえを伺いたいです。」
  • 「前回の面談で話していた業務量の偏りについて、その後どう感じているか、現状を聞かせてもらえたらと思っています。」

②部下の働きぶりを認める

一言だけではなく、1分程度で評価できることを言葉で伝えます。

フィードバック例

  • 「先週のクライアント対応、本当に丁寧でしたね。あの場面でしっかり相手の質問に答えていたことで、こちらへの信頼も高まったと思います。落ち着いて対応する力がしっかりついてきたなと感じました。」
  • 「資料作成のスピードとクオリティが格段に上がっていますよね。特に○○の構成はとてもわかりやすくて、全体の会議でも評判が良かったです。」

③雑談をする

面談の場を和らげるためにも、雑談は効果的です。また、場を和らげるだけでなく、雑談から部下の価値観を引き出すこともできます。会話のネタのひとつに、「キドニタテカケシ衣食住」があります。

キドニタテカケシ衣食住とは

  • キ:季節・気候
  • ド:道楽・趣味
  • ニ:ニュース
  • タ:旅
  • テ:テレビ
  • カ:家族
  • ケ:健康
  • シ:仕事
  • 衣:衣類(相手の衣服に言及する)
  • 食:食事(好きな食べ物・オススメのレストランなど)
  • 住:住居(出身地・居住地など)

④面談の本題に入る

1対1面談はテーマが決まっているわけではありませんが、以下の内容について話すと、部下との会話が広がります。

1対1面談のテーマ例

  • 最近の悩み
  • スキル・経験の整理、強み・弱み(課題)の分析
  • 強みの生かし方と課題の克服方法
  • 価値観・こだわりの確認

⑤次回の面談までの間でやるべきことを決める

面談の中で挙がってきた課題に対し、次回の面談までに何をするべきなのかを話し合います。ここで重要なことは、部下自身にやるべきことを決めてもらうことです。上司として言いたい気持ちをぐっとこらえます。

部下自身に考えさせる、対話の進め方と言い回し例

  • 「今日出た『業務の優先順位づけが難しい』という話ですが、次回までに自分なりに試してみたいこと、何かありますか?」
  • 「今回話した後輩指導について、何か小さな取り組みをやってみませんか?」

⑥相手の気持ちを前向きにして終える

面談の最後は、「期待」を言葉にして伝えます。

「期待」を伝える言葉例

  • 「○○さんならではの視点はチームにとって貴重です。これからも、安心して意見を出してもらえると嬉しいです。」
  • 「取り組んでください。私もサポートしますし、今後の活躍を楽しみにしています。」

これら6つのポイントは、少し意識しただけで簡単にできることです。ぜひ明日からの1対1面談にご活用ください。

1対1面談研修~部下のキャリア開発支援編

インソースの「1対1面談研修~部下のキャリア開発支援編」では、1対1面談で部下の特徴やキャリア志向を把握するための具体的なフレームワークを学ぶことができます。

到達目標(ゴール)

  • 1対1面談の進め方を理解する
  • これまで培ったスキル・経験などを整理するフレームワークを理解し、部下のキャリアをサポートできる
  • 部下の自己効力感を高める問いかけを習得し、部下の仕事への意欲を高められる

研修受講者の声

  • 「主役は部下」を念頭におき、注意深く部下の声に傾聴することを心がける。働きぶりを認め、自分で考えさせ、価値観を理解する
  • 相手の気持ちや考え方を、相手の立場で共感・理解する。聴き手の価値観で評価を下すことなく、相手を肯定的に受容する。これらのポイントを心掛け、常に個人に寄り添って支援する
  • 部下に対してのアプローチ方法を見直します。ほめる・認めるは、忘れないようにしたいと思います。キャリアアンカーという考え方はためになりました

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セットでおすすめの研修・サービス

部下との面談力向上研修

部下をもつ管理職(上司)に「部下との面談」の重要性を学び、実際にどのように面談を実施するかをロールプレイングやワークを通じて習得します。

部下とのコミュニケーションの充実を図りたい方、キックオフ面談や評価面談などで今以上に部下のモチベーションを上げたいと考えている方、本音を聞きたいと考えている方におすすめです。

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コーチング研修~部下の主体性を引き出すスキルを習得する

ティーチングの目的が、基本的な知識や技能を教え込むことです。一方、コーチングの目的は、それぞれが持っている能力ややる気、強みを引き出すことです。

部下のやる気を引き出すのに欠かせない「傾聴」「質問」「承認」の3つのスキルを身につけることに力点を置いています。座学で学んだ後、ケースごとのロールプレイングを行い、コーチングスキルの定着を図ります。

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(経験者向け)OJT指導者研修~育成方法を振り返り、フィードバック力を高める

OJT担当者として、これまでの指導の振り返りと、後輩との関係構築・フィードバックスキルの向上に焦点を当てたフォローアップ研修です。

これまでの育成計画・指導、後輩の成長や課題を振り返り、残りのOJT期間での指導をより充実させるため、改善点を明確にします。さらに、後輩の自信を高める質問の仕方、後輩を動機づけるための効果的なほめ方、フィードバックに必要な要素を習得し、より高い指導スキルを身につけます。

>公開講座の詳細はこちら

フィードバック研修~タイムリーな指導から部下を成長させる(半日間)

ただ指摘するだけのフィードバックではなく、部下のモチベーションを向上させ、より高いパフォーマンスを発揮できる状態にするためのフィードバックの仕方を学びます。

タイムリーで質の高いフィードバックを日頃の部下育成に取り入れることで、部下の成長をさらに促進させることができます。

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階層別テスト(若手向け)

入社2~4年目の若手社員に求められるスキルや能力を問うアセスメントです。

ビジネス場面で必要な「知識」を問うとともに、ケーススタディなどを通じてそれを「活用できる力(活用力)」を有しているかどうかを測定します。

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