形骸化させないための1対1面談~心理的安全性を高め、チームを強くする面談スキル
1対1面談を有効活用するには
今日のビジネス環境では、社員の年齢層や雇用形態が多様化し、個々の事情や制約に合わせたきめ細やかな個別のマネジメントが求められています。このような時代において、定期的な1対1面談は、部下のモチベーションを高め、チームに一体感をもたらすための重要な機会として注目されています。
しかしながら、「1対1面談を導入することになったが、どのように進めれば良いか分からない」「過去に実施していたが、何を話せばよいかわからず実施しなくなった」といった悩みを抱える現場リーダーや管理職層の方々も少なくありません。
本ページでは、1対1面談を単なる形式的なものにせず、部下育成のツールとして活用するための具体的なポイントをお伝えします。上司と部下の双方にとって有意義な対話を通じて、部下の成長を促し、組織のリスクを未然に防ぐための一助となれば幸いです。
1対1面談に必要な5つのプロセス
有意義な1対1面談を行うためには、計画的な準備と適切な対話スキルが欠かせません。以下に、面談の具体的な5つのプロセスと、それぞれの段階におけるポイントを解説します。
1.面談前の「関心」を持ち、「事前準備」を徹底する
面談の成功は、部下への深い関心と事前の準備に大きく左右されます。まずはご自身の部下への関心度合いをチェックし、部下の特徴や悩み、課題について改めて整理する時間を取りましょう。 次に、面談で話したい内容を事前に準備し、与えられた時間をどのように配分するかを考えておくことが重要です。これにより、伝えたいことを漏れなく話しつつ、部下の話を十分に聞く時間を確保することができます。
2.部下の心を開く「導入」と「承認」から始める
1対1面談は、部下の話を聞く場です。面談の冒頭では、部下がリラックスして本音を話せるような雰囲気づくりが大切です。そして、「いつも頑張ってくれてありがとう」「この間の〇〇の件、助かったよ」といったように、部下の具体的な働きぶりを認め、感謝の気持ちを伝えることから始めましょう。
部下の褒める点を事前にできるだけ多く洗い出し、面談の最初に伝えることで、部下のやる気を引き出し、面談への前向きな姿勢を促します。 また、本題に入る前に、簡単な雑談を交わすことも有効です。「キドニタテカシ衣食住」(気候、道楽、ニュース、体の調子、家族、仕事、衣食住)といったテーマの中から、部下と話したことのない内容や、掘り下げて聞きたい内容を選ぶと、自然な会話のきっかけになります。
3.部下の本音を引き出す「質問話法」を使いこなす
対話を深めるためには、質問の仕方が非常に重要です。
<オープン質問とクローズド質問>
部下の考えや感情を自由に話してもらうためには、「どのように感じていますか」「何が課題だと考えていますか」といったオープン質問が有効です。一方で、具体的な事実確認や選択肢の絞り込みには、「〇〇は完了しましたか」「AとB、どちらが良いですか」といったクローズド質問が適しています。これらを適切に組み合わせることで、対話のテンポと深さをコントロールすることができます。
<未来質問と過去質問>
部下の成長を促すためには、「以前と比べてどうですか」など過去の出来事を振り返りながらも、「今後どのようにしていきたいですか」「次は何を改善したいですか」といった未来に焦点を当てた質問を投げかけることが効果的です。過去の経験から学びつつ、未来の行動に繋げる視点を持つことが、部下の主体性を引き出すポイントです。
4.「チームの方向性」や「個人のリスク」にも目を向ける
面談の本題では、まず自部署の目標や会社のミッション、方針を共有し、その意義を部下と共有することが重要です。上司自身の言葉で熱く語り、部下に期待する役割や成果を具体的に分解して伝えることで、チームの一体感を醸成し、部下が自身の貢献を理解できるようになります。
さらに、部下の働き方や体調、人間関係の悩みにも注意深く耳を傾けましょう。これにより、メンタルヘルス不調の予兆把握など、職場における様々なリスクの芽を事前に摘み取ることが可能となります。部下から人間関係の悩みについて相談された際の適切なフィードバックについても、事前に整理しておくべきです。
5.「振り返り」と「次の行動」で継続的な成長を促す
面談の終わりには、部下の話を聞き、その内容を振り返りながら適切なアドバイスを与えることで、部下の成長を促します。そして、次回の面談までに部下が取り組むべきことを具体的に決めましょう。次回の面談を前回の振り返りから始めることで、1対1面談は単発で終わらず、継続的な部下育成支援のサイクルを回すことができます。
部下コミュニケーション向上研修~1対1面談を通した部下育成支援
職場を構成する社員の年齢層や雇用形態が多様化したことにより、社員個人の事情や制約に合わせたマネジメント・指導が求められてきています。
1対1面談の意義、進め方を理解したうえで、面談で取り上げるべき内容(自部署の目標や方向性、部下の働き方、体調、人間関係の悩み)を理解し、実践に活かします。
よくあるお悩み・ニーズ
- 1対1面談を導入することになったが、どのように面談を進めていけばよいかわからない
- 面談を通して、部下・後輩の仕事に対する意欲を高めたい
- 1対1面談を取り入れているものの、その効果が実感できない
本研修の目標
- 1対1面談の意義や進め方を習得することで、上司・部下双方にとって有意義な1対1面談を実施できるようになる
- 1対1面談を進める時のポイントを理解する
- 部下・後輩のやる気を引き出す対話のコツを習得し、実践できる
- チームに一体感を出すために、ビジョン・方向性を自分の言葉で語れるようになる
- 部下・後輩の体調や悩みも聞くことで、リスクの芽を事前に摘み取ることができる
セットでおすすめの研修・サービス
部下とのコミュニケーション実践研修~心理的安全性の高い職場を作る
部下とのコミュニケーションの仕方を工夫することで、どのように心理的安全性を高めていくのか習得します。言いたいことを伝えるためのアサーティブコミュニケーション、本音で話せる環境を作るための1対1面談の活用方法を、実際によくあるケースをもとに実践的に学びます。
研修の最後には、自分のチームの心理的安全性を高めるための具体的な方法を検討していただきます。
チームワーク入門研修~信頼・責任・疾走・勝利で高めるエンゲージメント
チームワークは、働きがいやエンゲージメントを高めるうえで欠かせない要素です。本研修は、信頼・責任・疾走・勝利をキーワードにチームへの関わり方を学びます。仕事における充実感と達成感を、受け身に待つのでなく、主体的に高めるスキルを習得いただきます。
コーチング研修~部下の主体性を引き出すスキルを習得する
ティーチングの目的が、基本的な知識や技能を教え込むこととするのであれば、コーチングの目的は、それぞれが持っている能力ややる気、強みを引き出すことです。部下のやる気を引き出すのに欠かせない「傾聴」「質問」「承認」の3つのスキルを身につけることに力点を置いています。
座学で学んだ後、ケースごとのロールプレイングを行い、コーチングスキルの定着を図ります。