「人」が相手のビジネスは、「人」とのコミュニケーションが成功のカギ
ビジネスの世界には様々な業界・業種がありますが、誰とも関わらずに完結する仕事は、ほとんど存在しないのではないでしょうか。直接顧客を相手にする接客業でなくても、仕事を進める過程において、多少なりとも他者とのコミュニケーションが必要となる場面があります。
人と人とが関わるビジネスにおいては、人と人とをつなぐコミュニケーションが不可欠です。つまり、ビジネスの基本はコミュニケーションにあると言えるでしょう。
コミュニケーションで悩んでいる人は多い
「コミュニケーション」は、人間関係を円滑にするための重要なツールである一方、多くの人が課題を感じている分野でもあります。以下は、コミュニケーションに関する悩みの一例です。
- 相手の意図をうまく汲み取れない
- 簡潔に要点を伝えられない
- 自分の伝えたいことがうまく言語化できない
- 相手の立場に配慮した伝え方が難しい
こうした悩みを抱える背景には、コミュニケーションにおける心構えの不足や、スキルの未習得があることが少なくありません。
コミュニケーションにおける心構え
心構えにおいてまず重要なのは、「自分と相手の違いを理解する」ことです。同じ出来事であっても、受け取り方や感じ方は人によって異なります。これはコミュニケーションにおいても同様で、自分の発言が必ずしも意図した通りに伝わるとは限りません。
また、コミュニケーションとは一方通行のものではなく、双方向のやり取り、すなわち「キャッチボール」です。テレビやラジオのように一方的に話すだけでは成り立ちません。お互いにやり取りをして、はじめて真のコミュニケーションと言えるのです。
そのため、円滑なコミュニケーションを実現するためには、「相手の立場に立ち、相手に合わせる姿勢」が求められます。
こうした前提のうえで、実際に効果的なコミュニケーションを行うためには、具体的なスキルの習得が求められます。コミュニケーションにおける基本的なスキルは、大きく分けて「きく力」と「話す力」の二つです。
スキル①きく力
相手の意図や感情を正確にくみ取り、適切なやり取りを成立させるには、「きく姿勢」が土台となります。ここでは、「きく力」をさらに2つの側面に分けて解説します。それが「傾聴力」と「質問力」です。
傾聴力
単に相手の話を聞くだけでなく、相手の気持ちや意図を理解し、相手が話しやすい環境を作ることです。
例えば、ある日、部下や同僚があなたに「最近、仕事のミスが多くて困っている」と打ち明けたとしましょう。そのような場面では、その人が感じているストレスや不安に寄り添い、「もっと話したい」と思える空気をつくることが、傾聴力です。
質問力
相手の考えや気持ちを引き出すための力を「質問力」とします。相手をより深く理解するために欠かせないスキルです。
例えば、あるプロジェクトで意見が分かれたとします。その際、ただ自分の意見を主張するのではなく、「どうしてそう思ったのですか?」と問いかけることで、相手の考えを深掘りできます。これが質問力の一例です。
スキル②話す力
相手の話をきくだけでなく、自分の考えや意図を相手に正確に伝えることも、コミュニケーションにおいて欠かせない要素です。
ここでは、相手に伝わる話し方の3つの重要なステップについて解説します。
1、話す前に「人と人との触れ合い」を意識する
自分の考えを伝える前に大切なのは、「人と人との触れ合い」を意識することです。言葉の内容だけでなく、その言葉を受け取る相手との関係性や信頼感が、コミュニケーションの土台となります。つまり、伝える前の「関係づくり」こそが、話の伝わり方に大きな影響を与えるのです。
■人と人との触れ合いとは
- 歓迎の気持ち(WELCOMEの姿勢)を態度に表す
- 積極的に相手への関心を示す
- 自分の人柄を「良い印象」として伝える準備をする
- きき手に対する思いやりや配慮を持つ
このような「人と人との触れ合い」を大切にすることは、話し手の誠実さや信頼性を相手に伝えることにつながります。相手が安心して耳を傾けられる状態を整えることで、伝えたい内容も届きやすくなるのです。
2、話の内容が相手に理解できる
良い関係性が築けたとしても、話の中身が分かりにくければ伝わりません。話の構成や言葉の選び方、スピードなどにも注意を払う必要があります。
■話を相手に理解してもらうためには
- 言いたいことを明確にする
- ストーリーを作る
- きき手のニーズを考える
- きき手に心地良い話を心がける
- 話す速度や言葉選びに配慮する
- 資料がある場合の説明のポイントを考える
例えば、何かを提案するときは、最初に「自分が何を伝えたいのか」を明確にすることが重要です。目的や主張をはっきりさせることで、相手も話の意図を理解しやすくなります。
意見を伝える際には、相手が心地よく聞けるように配慮することも大切です。ネガティブな表現や押しつけがましい言い方は避け、丁寧で柔らかい言葉を選ぶようにします。
3、話の内容に相手が賛同できる
理解されるだけでは、相手の心は動きません。共感や納得があってこそ、行動や判断に影響を与えることができます。そのためには、ただ言葉を並べるのではなく、「自分の心情を理解してくれている」と感じてもらうことが重要です。人は、話の内容よりも、共感しようとする姿勢に信頼を感じます。
また、話すときの姿勢・態度・表情も非常に重要です。どんなに正しいことを言っていても、冷たい態度や無表情では相手の心には届きません。つまり相手の立場に立って理解しようとする姿勢と、それを伝える非言語的な表現が賛同を得る鍵となります。
■非言語的な表現の例
- 目線の使い方
- 姿勢
- 手や腕の動き
- 表情
- 声のトーン
- 話すペースや間の取り方
心構えとスキルで円滑なコミュニケーションを
このように、コミュニケーションの悩みを解決するためには、「心構え」と「スキル」の両方が大切です。相手を理解しようとする姿勢や共感の気持ちといった心構え、そして表情や態度、言葉の選び方といった具体的なスキルを身につけることで、コミュニケーションはより円滑になります。
まとめ
日常生活でもビジネスでも欠かせないコミュニケーションスキルですが、生きていくうえで自然と身につけるものであり、改まって学習するものという認識は薄いかもしれません。しかし、研修サービスを使用すれば、コミュニケーションの基本から実践的なスキルまで体系的に習得できます。ぜひコミュニケーションの力を磨き、ビジネスの現場で活躍しましょう。
コミュニケーション基礎研修
チームで円滑に仕事を進めるために必要なコミュニケーションの基礎「きく」と「話す」の悩みを解消する研修です。
よくあるお悩み・ニーズ
- 話をしていても、うまく言いたいことが伝わっているか分からない
- 一方的な話し方になり、意図が相手に伝わらないことがある
- 上司や外部の方とのコミュニケーションが苦手だと感じている
研修のゴール
- 相手主体の良いコミュニケーションのポイントを理解することができる
- 他者理解のための「傾聴力」を身につけることができる
- 相手の心情や要望を引き出す「質問力」を身につけることができる
- 相手に伝わる話し方を身につけることができる
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