経営戦略を学べる3つの名著をご紹介~古典的理論で次世代リーダーの変革力を鍛える

「前例踏襲では、組織の未来を切り拓けない」「次世代リーダーとして、必要な知識・スキルを身につけていきたい」「何かを変えていきたいが、何が足りないのかが分からない」
SDGsやDX、生成AIの台頭など、近年の社会変化は著しく、多くのリーダー・マネージャーには、今までにない発想で新しい事業や仕組みを考え、実行していく「変革力」が求められています。そして、この変革は、自社以外の広範な戦略知識の組み合わせから生まれてくるということを、真に理解している人はどれくらいいるでしょうか。
本コラムでは、これからの未来を担うリーダーの方々が未来の組織を担うために、そのための経営知識を蓄積していくために、何度も読み返して学んで欲しい「名著」を3つご紹介します。
なぜ今、古典的な名著なのか~時代を超えて語り継がれる理論を学ぶ
現代のマーケティング戦略や経営手法の多くは、古典的理論の応用や発展形として存在しています。例えば、現在のマーケティング戦略を理解するためには、STPなどの基本的な考え方を知らなければ、小手先のテクニックに留まってしまいます。
名著と呼ばれる書籍が、発刊から30〜40年以上経った今も読み継がれているのは、普遍的な価値があるからです。例えば、「孫子の兵法」は戦略の原点として、「トヨタ生産方式」は業務改善の基本として、「真実の瞬間」は顧客中心経営の源流として、今なお多くのビジネスパーソンの思考の基盤となっています。
戦争の歴史が過去の繰り返しや積み重ねで語られるように、企業経営もまた競争の歴史の上に成り立っています。こうした知見を整理・体系化し、現代の経営課題に応用していく営みこそ、「世界の歴史」ならぬ「経営学の歴史」と言えるでしょう。
そして、この知の積み重ねの源流を教えてくれるのが「古典的名著」です。時代を超えて多くの経営者や研究者が引用し、語り継いできた理論を学ぶことで、私たちは現代の経営戦略をより本質的に理解し、実践へとつなげていくことができます。
経営戦略を学べる3つの名著~戦略の骨格をつかむオススメ書籍
ここでは、経営戦略の源流を学ぶためにおすすめの書籍を3冊ご紹介いたします。1つ目は、経営戦略の理論を体系的に学べる『企業戦略論』。2つ目は、現場からの改善活動を行う方には必読の『トヨタ生産方式』。3つ目は、BtoC事業を行うリーダーの方にはまず読んで欲しい、顧客視点からの経営を学ぶ『真実の瞬間』です。
[新版]企業戦略論-戦略経営と競争優位(全3巻)
ユタ大学経営大学院教授であるジェイ・B・バーニー氏の名著です。上巻~下巻までの全3巻で構成されており、経営戦略の理論を網羅的に学ぶことができます。
新版では、MBAで学ぶ内容に再構成されており、RBV(リソース・ベースト・ビュー)やVRIOフレームワークを核としながら、経営戦略を体系的に理解できるようになっています。
- 上巻(基本編)
プランニング戦略、環境分析、RBVを学ぶ - 中巻(事業戦略編)
競争優位を得るための戦略、リアルオプションなど - 下巻(全社戦略編)
多角化や垂直統合などの事業拡大、組織設計、提携・M&Aを学ぶ
トヨタ生産方式ー脱規模の経営をめざしてー
トヨタ自動車元副社長・大野耐一氏による原著で、改善文化そのものを構築する思考・プロセスが描かれています。
製造業だけでなくIT・サービス業にも活かせる「ジャスト・イン・タイム」「自働化」「7つのムダ」などの視点が得られる、普遍的価値を持つ名著です。
真実の瞬間ーSASのサービス戦略はなぜ成功したかー
元SAS CEO・ヤン・カールソン氏が提唱した「顧客本位経営」の源流となった名著です。顧客接点を最重要視する経営思想と、それを浸透させたリーダーシップから多くの学びを得ることができます。
経営戦略の名著を多面的に読む教育プログラム
インソースの「名著から学ぶ経営戦略研修シリーズ」では、ここで紹介した3種類の古典的名著を教材とした研修プログラムをご提供しています。
事前読書、講師による解説、グループディスカッション、自社ケースワークの3段階メソッドにより、学びを実践力へと昇華します。
3種類の多面的な学びで、ビジネス書を深く読む
- 事前の読書で学びを始める
- 講師による解説で知識を補填する
- ワーク/ディスカッションで実務に昇華する
名著を補足する独自のサブテキストで、知見を広げる
サブテキストで最新事例を補い、VRIO分析や組織デザインなど実務ワークを通じて「現場に持ち帰る」学習体験を提供します。
現場への持ち帰りを重視したワーク設計
自社戦略や現場課題とリンクさせる実践的構成により明日からの行動につながる研修となります。
よくいただく質問~インソースの名著から学ぶ経営戦略シリーズ受講にあたって
Q.どのような人が受講対象ですか?
A.次世代経営者候補、事業部長・課長など管理職候補、経営企画などが中心です。
Q.受講することでどのような効果がありますか?
A.「戦略理解の解像度が上がった」「共通言語ができた」「業務に応用できる読書方法を得た」などの声をいただいています。
Q.事前に本を読む必要がありますか?
A.はい。事前読書が前提となります。以下の記事も併せてご覧ください。
ビジネス書を仕事に活かす読書の方法。読んで終わりにしない実践的読書術
ビジネスパーソンが本を読むことにどのような意義があるのか、どのように読めば良いのか、仕事に活かすにはどうすれば良いのか。仕事や人生に活かす学びという視点で多面的にご説明します。
本コラムでご紹介した3種類の名著を多面的に学ぶ研修をご紹介
【名著から学ぶ経営戦略シリーズ】 「企業戦略論」
■[新版]企業戦略論(全3冊)
経営戦略を1から体系的に学べるシリーズです。「興味のあるテーマのみの選択受講」も可能で、最終的には「自組織への活かし方」にフォーカスした構成としています。
全5テーマの研修一覧
<名著から学ぶ>業務改善研修~カイゼンの本質を知り、仕事の効率と安全性を高める『トヨタ生産方式』
■トヨタ生産方式―脱規模の経営をめざして―
講師解説と読書会スタイルで学び、現場への持ち帰りを重視したワーク構成が特徴です。
<名著から学ぶ>リーダーシップ研修~顧客と現場を軸にして、組織の価値を高める『真実の瞬間』
■真実の瞬間ーSASのサービス戦略はなぜ成功したかー
顧客本位経営・リーダーシップ・変革力を現場に落とし込む実践型研修です。
セットでおすすめの研修・サービス
神戸大学MBA教授陣に学ぶ~経営学の実践知【インソース×RIAMビジネススクール】
このプログラムは、経営学の幅広い分野を体系的に学びながら、自社や自身の役割に引き寄せて考えることを促します。
教授陣からの直接のフィードバックや他の受講者との議論を通じて、学びを現場に持ち帰り、組織に浸透させることで、次世代リーダーの育成や企業全体の成長力強化につながるのが大きな魅力です。経営視点を磨き、組織の未来を切り拓く一歩として、本プログラムをぜひご活用ください。
30~40代のリーダー層・管理職の方だけでなく、部長・役員クラスの方から、20代後半の次世代リーダーを目指す意欲溢れる方まで、幅広くご参加をお待ちしております。
戦略の学び方研修~次世代リーダーの参謀力を高める戦略的視点
組織の中核人材や次世代リーダーに求められる、「未来を創るための戦略的視点」をどのように身につけていくかを学ぶプログラムです。戦略の知識やスキルは、ビジネスにおいて極めて重要な要素である一方で、「何から学べばよいのか分からない」「すぐに身につくものではない」と感じる方も多いのが実情です。
研修では、戦略はなぜ難しいと感じるのか、戦略はどのような場面で活きてくるのか、そもそも戦略とは何か、といった疑問に一つひとつ向き合いながら、これから戦略を学び、実務で活かしていくための「思考と学びの軸」を作っていくことを目指しています。これから戦略を学ぼうとする方、また基本から学び直しをしたい方などに、おすすめの研修です。







