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迷える30代が持っておくべき、キャリアの羅針盤~仕事・ライフ・お金の最適化を考える

30代は、人生の転換点とも言える重要な時期です。仕事ではリーダーとしての役割が求められ、家庭では結婚・出産・育児などのライフイベントが重なり、責任と選択の幅が一気に広がります。これまでの経験を活かしながら、今後の人生をどう築いていくかを考えるには、「主体的かつ戦略的」な視点が欠かせません。

このような時期に、がむしゃらに頑張るだけでは、いつの間にか羅針盤を見失い、荒波に飲まれてしまうかもしれません。そうならないために、ここでは「仕事」「ライフ」「お金」という3つの視点から、30代のキャリアを戦略的に設計するためのヒントをお届けします。

1.仕事:キャリアの「一本道」を疑え!

具体的に考えるために、例を出しながら解説していきます。

30代前半、例えばチームを率いるリーダーをされている方なら、これまで培ってきた専門性をさらに深め、責任の重さを実感していることでしょう。しかし、30代後半に差し掛かると、ただ昇進を目指すだけでは物足りなさを感じるかもしれません。

「キャリアは一本道」という思い込みは、ときにあなたの可能性を狭めてしまいます。役職定年後に「現場のスキルがなくて何もできない」と途方に暮れるベテラン社員を想像してみてください。そうならないためにも、30代のうちから複数のキャリアパスを意識することが重要です。

多角的な視点でキャリアをデザインする

例えば、マネジメント職として組織を動かす「上のキャリア」だけでなく、これまで経験のない職種に挑戦して視野を広げる「左右のキャリア」、あるいは特定の専門分野を極める「下のキャリア」も視野に入れるべきです。

あなたの強みは何でしょうか? 「プレゼン資料の作成なら誰にも負けない」「複雑なデータを読み解くのが得意」「後輩育成には自信がある」など、具体的なスキルや経験を書き出してみましょう。そして、それらをどの方向に活かしていくのか。もしかしたら、現在の部署では評価されにくいスキルが、別の部署や業界で大きく花開くかもしれません。自分の強みを徹底的に「棚卸し」し、未来の選択肢を広げることで、変化に強くしなやかな自分を築くことができるでしょう。

いますぐできること

  • 自分の強み・得意なことを10個書き出す: どんな些細なことでも構いません。仕事で評価されたこと、人から褒められたこと、好きで続けていることなどを具体的に挙げてみましょう。
  • 社内外のロールモデルを見つける: 理想とするキャリアを歩んでいる人や、多様な働き方をしている人を探し、話を聞いてみましょう。部署や業界が違っても、学ぶことはたくさんあります。
  • 異業種交流会や社内勉強会に参加する: 新しい視点や情報に触れることで、今まで見えなかったキャリアの選択肢に気づくきっかけになるかもしれません。

2.ライフ:人生の「まさか」を想定内にする思考法

30代は、ライフイベントが目白押しの時期です。結婚、出産、育児、マイホーム購入など、人生の喜びが増える一方で、それに伴う新たな課題も生まれます。特に、育児と仕事の両立は、多くのビジネスパーソンにとって避けて通れないテーマです。「この働き方で、本当に子どもとの時間を確保できるのか?」「パートナーとの家事分担はどうする?」など、具体的な課題に向き合う必要があります。

予期せぬライフイベントをキャリアに織り込む

さらに人生には、予期せぬ「まさか」も潜んでいます。突然の親の介護、あるいは離婚といった困難な事態も、ゼロではありません。そうした「まさか」を単なる不幸な出来事として捉えるのではなく、長期的なキャリア設計の中に織り込んでおくことが、心の安定につながります。

例えば、子育てが一段落した後のキャリアプランや、介護が必要になった場合の働き方など、具体的なシミュレーションをしておくことで、いざという時に慌てずに済むはずです。ライフイベントを「キャリアを中断させるもの」と捉えるのではなく、「キャリアを再構築する機会」と前向きに捉え直すことで、より豊かな人生を送ることができるでしょう。

いますぐできること

  • ライフイベントのカレンダーを作る: 今後10〜20年で起こりそうなライフイベント(結婚、出産、子どもの入学、親の定年など)を書き出し、時期をざっくりと設定してみましょう。
  • パートナーと将来について話し合う機会を設ける: 仕事と家庭のバランス、子育てや介護への関わり方など、お互いの価値観や希望を共有し、すり合わせる時間を作りましょう。
  • 会社の福利厚生制度を確認する: 育児休暇、介護休暇、短時間勤務制度など、会社が提供している制度を把握し、いざという時に活用できるようにしておきましょう。

3.お金:漠然とした不安を「具体的な数字」に変える力

「将来、お金に困らないか不安...」30代の多くが抱える漠然としたお金の不安は、具体的な数字に落とし込むことで解消できます。出産費用、保育料、住宅ローン、子どもの教育費...これらは決して他人事ではありません。

具体的な数字で未来のキャリアを計画する

例えば、子ども一人を大学卒業まで育てるのにかかる教育費は、私立であれば「1000万円以上」とも言われています。これは決して遠い未来の話ではなく、今から計画的に準備しなければ間に合わない金額です。

まずは、現在のあなたの平均月収や、役職ごとの賃金水準を具体的に把握しましょう。そして、「今後30年でどれだけの支出が予想されるか」をリストアップし、具体的に見積もってみてください。教育費、住宅費、老後資金(年金だけでは足りない時代です!)、病気や介護にかかる費用など、一つ一つ丁寧に計算してみるのです。

この「具体的な数字」を把握することが、あなたのキャリア戦略の強力な土台となります。漠然とした不安から脱却し、具体的な目標に向かって資金計画を立てることで、あなたは安心して仕事に集中し、人生の選択肢を広げることができるでしょう。

いますぐできること

  • 家計簿をつけて収支を把握する: 毎月何にどれくらい使っているのかを明確にし、無駄な支出がないかを確認しましょう。スマホの家計簿アプリも便利です。
  • ライフプランシミュレーションを試してみる: 金融機関やFP(ファイナンシャルプランナー)のサイトにある無料シミュレーションツールを使って、将来必要になるお金を大まかに計算してみましょう。
  • 投資に関する情報を集めてみる: NISAやiDeCoなど、少額から始められる資産形成の方法について情報収集し、自分に合ったものがないか検討してみましょう。

まとめ

30代のキャリアデザインは、「仕事」「ライフ」「お金」の3つの視点をバランスよく考えることが鍵となります。自分の価値観を明確にし、周囲と共有しながら、少しずつステップアップしていくことが大切です。自分のありたい姿に向けて、具体的な行動を分解し、ステップを明確にして進めていくことで、キャリアは着実に形になっていきます。今回ご紹介した3つの視点から、ぜひあなた自身のキャリアを深く見つめ直し、後悔のない選択をしてください。

30代向けキャリアデザイン研修~主体的かつ戦略的にキャリアを考える

低成長時代の現代は、ただ会社・組織に属しているだけでは厳しい時代であり、先を見据えたスキルアップが必要です。

本研修では、仕事、ライフ、お金の観点から、今後の「キャリア」を主体的に考えることで、仕事に対するモチベーションを高めていただきます。

よくあるお悩み・ニーズ

  • 今後のキャリアをどのように考えたらよいのかわからない
  • 働くうえでのモチベーションの持ち方を学びたい
  • これまでのキャリアを一度振り返りたい

本研修の目標

  • キャリアの主語は「自分」であることを理解する~キャリアデザインの必要性
  • キャリアの棚卸と求められる役割の理解~中長期的な視点でキャリアを考える
  • 仕事面(ワーク)、生活面(ライフ)、経済面(マネー)の面から年代別キャリアを見渡す
  • 長期的な視点で今後30年を考える

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セットでおすすめの研修・サービス

30歳の壁を乗り越える研修~キャリアの不安にスキルアップで備える

本研修では、自身のキャリアとライフイベントを考え、将来の見通しを立てたうえで、効率よく仕事を進めるための仕事術を学びます。

また、リーダーや管理職となった場合を想定した部下指導の仕方を学んでいきます。得意分野に磨きをかける、周囲と比べないなど、今後の自身の成長に前向きに取り組んでいくためのメッセージも多く盛り込んでいます。

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壁を乗り越えるワークショップ~レゴ®ブロックを通じて深い内省から明日からの行動を考える

本研修はワークショップ形式で行います。年齢別の大きな「壁」の存在はもちろんのこと、人の数だけ「壁」があることを前提とし、ワークを通して一人ひとりに固有の「壁」と向き合うことが特徴です。

また、一人ひとりがすでに自覚している「壁」を一般論やよくあるお悩みとして外から定義をするのではなく、ブロックやグラフなどを用いて、心の機微やイマジネーションを刺激する感覚的なワークを行うことで、自分自身でも思いもよらないような「壁」に気づきやすいように設計されています。

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中堅社員向けジョブクラフティング研修~目の前の仕事が、やりがいのある仕事に変わる

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中堅社員研修~管理職を補佐し、部の成果を出す!

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本研修では、中堅社員に求められる役割を理解いただくとともに、管理職を補佐するスキルと後輩へのリーダーシップ、現場における問題発見の方法を学び中堅社員としてのレベルアップを促します。

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