ミテモ株式会社

多様な価値観を「強み」に変えるビジョン共有のステップ

組織の中で成果を生み出すには、一人ひとりの専門性だけではなく、異なる価値観を持つメンバー同士が円滑に協働できる土台づくりが欠かせません。
特に「適応課題」に直面したときには、従来のやり方では通用せず、各々の価値観を持ち寄り、新しいビジョンを形づくる必要があります。

本コラムでは、多様なメンバーと共に働きながら成果を高めるために、自己理解と相互理解を深める具体的な方法をご紹介します。

多様性が生む「対立」を恐れない
~変化に対応できるチームは、多様なメンバーから構成されている

現代の職場は、年齢や経歴、働き方のスタイルまで多様化しています。多様性は一見すると意見の衝突を生む要因のように見えますが、実際には新しい発想や革新的な解決策を導く源泉です。
変化の激しい現代では、多様性を最大限に活かすことで、その変化に対応することができます。違いを障害として避けるのではなく、新しい視点や学びの材料として歓迎する姿勢が重要です。対立を恐れず、異なる価値観をぶつけ合うことで、チームの思考は深まり、高い成果へとつながります。

既存のやり方が通じない「適応課題」を突破するための3つの力
~自己理解・他者理解・ビジョン共有

適応課題とは、既存の知識や経験だけでは解決できない課題を指します。例えば、「世代やキャリアが異なるメンバー間で公平感のある評価基準をどう築くか」「人間とAIが共存するなかで顧客にどのような新しい価値を提供するのか」といった課題が挙げられます。

こうした正解のない、組織のあり方を変える必要のある課題に取り組むためには、従来のチームの「指示と実行」の関係では不十分です。各々の価値観を持ち寄り、新しいビジョンを共に創造する力が不可欠です。
そのためには、以下の3つの力を意識することが有効です。

1.自己理解を深める~自分の価値観の棚卸し

多様なチームで協働する出発点は、自分を知ることです。自分が何を大切にし、どのような判断基準を持っているか(価値観)を明確にすることで、他者に対して自分の考えや意見の根拠をロジカルに説明できるようになります。

この「価値観の棚卸し」は、単に自己主張のためだけではありません。自分の考えの「絶対視」を避けられるようになり、「自分と他者は違う」という事実を受け入れやすくなるため、他者の異なる意見もオープンに受け入れる土壌が生まれます。まず自己理解という強固な基盤を整えることが、意見の対立を乗り越え、建設的な協働を始めるための第一歩となります。

2.他者理解を深める~相互理解を促す対話

チームの成果を高める対話は、相手の意見の背後にある「価値観と経験」に深く耳を傾ける行為です。表面的な主張だけを受け止めるのではなく、「なぜそう考えるのか?」という深掘りの対話を重ねることで、相手の判断基準や大切にしていることが理解できます。

こうした丁寧な対話を繰り返すことで、メンバー間に強固な信頼関係が築かれます。信頼が深まると、意見の相違があっても感情的な対立に陥りにくくなります。チームとして一つの課題に対して多角的に取り組めることが、解決力を飛躍的に高めます。

3.チームのビジョンを共有する~目指すべき方向性のベクトル合わせ

自己理解と他者理解が深まったら、次に必要なのは「ベクトル合わせ」です。多様なメンバーがそれぞれの価値観や強みを発揮しても、目指す方向がバラバラでは、成果は最大化しません。チームのメンバー全員が、「私たちはどこに向かっているのか」「どのような未来を実現したいのか」という共通のビジョンを、各々の価値観を持ち寄りながら共に描き、深く共有することが重要です。

この共有されたビジョンがあるからこそ、個々が持つ多様な強みを最大限に活かし、目の前の困難(適応課題)を乗り越えるための共通の判断軸が生まれます。ビジョンを共有することで、多様な価値観が共通のゴール達成という名のもとに一つに結びつき、個々の強みを成果創出のために最大活用できるようになります。

成果を高めるための具体的な実践例

多様性をチームの武器に変え、パフォーマンスを最大化するためには、自己理解と相互理解を促す習慣を積み重ねることが大切です。そのためには、日常業務のなかで以下の4つを実践することが有効です。

  • 定期的に自身の行動や感情を振り返り、気づいたこと・学びを言語化する
  • 会議では意見の違いを「対立」ではなく「新しい視点」として歓迎する
  • 相手の発言を受け止め、自分の解釈を伝え返すことを繰り返し、対話を深める
  • チームとしてのありたい姿を確認し、日々の業務とつなげる

チームのビジョン探究研修~レゴ®ブロックを活用してチームの未来を考える(1日間)

インソースグループでは、多様なメンバーと共に働き、適応課題に向き合う力を養う研修プログラムをご提供しています。

本研修では、レゴ®ブロックを活用してチーム内の互いの価値観の理解や共有を行います。言葉や文章だけでなく、制作した作品を用いて自分の意見・価値観を自由に表現することで、より深い相互理解が実現します。

よくあるお悩み・ニーズ

  • チーム内のコミュニケーションがうまくいっていない
  • チームの課題が複数あり、優先順位が定まらない
  • 組織におけるチームの立ち位置や目標に対して共通認識が持てていない

本研修の目標

  • お互いの理解を深め、より良い関係性を築ける
  • 今後するべきこと・行動が明確になる
  • 未来の自分やチームの姿のイメージが明確になり、目標が定まる

>講師派遣型研修の詳細はこちら

セットでおすすめの研修・サービス

チームと相互理解を深める自分のトリセツワークショップ~一緒に仕事をしていく上で知っておいて欲しいことを共有する(1日間)

本プログラムでは、自分の取扱説明書(トリセツシート)を作成します。自分のこれまでの経験や趣味特技、性格、得手不得手などを記載する一覧表で、相手に対して自分自身を紹介する際の手助けとなるものです。

トリセツシートを使用することで、詳細な自己開示が可能になります。価値観を含め、一緒に仕事をするうえで理解してもらいたい内容を共有することで、チームメンバーの相互理解を深め、より良い仕事をしていくためのチームづくりにつながります。

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理念浸透ワークショップ~理念と現場感覚をつなげる(半日間)

本ワークショップでは、企業が持つ理念やビジョンをメンバーに共有し、自身の言葉で語り、実際に行動として表現してもらうことを目指します。

理念の理解にばらつきが生じていた組織においても、本プログラムで行われるような作業を通じて理念が現場感覚と紐づきます。理念を体現しやすい価値基準を自分たちで生み出したという実感が、現場でのパフォーマンスを向上させます。

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インクルーシブ・リーダーシップ研修~多様性を包括するマネジメント

組織の多様性が進む中、従来の統率型のリーダーシップとは異なる「インクルーシブ・リーダーシップ(包摂型リーダシップ)」が注目を集めています。

個人を尊重し、個性の違いを活かしながらチームの成果を上げるこのリーダーシップは、変化の激しい今の時代にフィットしたもので、心理的安全性、1on1ミーティング、キャリア自律支援といった、近年のマネジメントワードとも通底したものといえます。本研修を通してインクルーシブ・リーダーシップの本質を正しく理解し、自組織において成果につなげることを目指します。

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