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はじめての管理職がつまずく4つの悩みと役割整理~チーム運営・育成・改善・リスク管理の基本と実践ポイント

はじめて管理職に就いたとき、多くの人が戸惑いを感じます。個人として成果を出してきたこれまでとは異なり、チーム全体を見渡しながら仕事を進める必要があるからです。

「チームとしての仕事の進め方が分からない」「管理職として、どこまで人の育成に関わるべきか分からない」といった悩みは、決して珍しいものではありません。

さらに、業務をより良くしたいと思っても「業務手順を変えたら反発が凄いだろうな」とか、リスクマネジメントは必要だと思うけれど、「リスク管理はどこまでやれば大丈夫なのか」と迷う場面も多くあります。

こうした管理職から実際によく聞かれる悩みを切り口に、管理職に求められる役割と基本的な考え方を整理してみます。

お悩み① 新任管理職が最初に迷う「チーム運営の3つの基本」

管理職になると、仕事の成果は「自分がどれだけ動いたか」ではなく、「チームとしてどれだけ成果を出せたか」で評価されます。そのためには、目の前の業務に手を出す前に、チーム全体で何を達成すべきか、どの業務が重要なのかを整理することが欠かせません。管理職の役割は、自分が先頭に立って作業を進めることではなく、チームの進む方向を整えることにあります。

1.役割分担と判断基準をそろえる

チームの仕事が滞る背景には、判断範囲が曖昧な状況があります。管理職がすべてを判断すると、確認待ちが増えて進捗が遅くなります。現場で判断できる範囲と、相談が必要な範囲を整理し、共有することが重要です。判断基準が明確になると、メンバーは安心して業務を進められます。

2.進捗を確認する「場」を意識的につくる

チームとして仕事を進めるには、定期的に進捗を確認する場が欠かせません。頻繁な会議が必要というわけではなく、短時間でも「今どこまで進んでいるか」「困っていることはないか」を確認する機会を設けることが重要です。進捗や困りごとを共有することで、チームの立ち位置が分かり、業務が進めやすくなります。

3.管理職が業務を抱え込みすぎない

チームの仕事がうまく回らないとき、管理職自身が業務を引き取ってしまうケースも少なくありません。しかし、それでは根本的な解決にはなりません。管理職の役割は、チームが自律的に動ける状態を整えることです。「自分がやったほうが早い」という考えから離れることが、成果につながります。

お悩み② 部下育成で迷う新任管理職が押さえるべき3つの関わり方

管理職が陥りやすいのが、「育成=自分が教えること」と考えてしまうことです。しかし、すべてを管理職一人で担おうとすると、時間的にも内容的にも限界があります。この章では、組織として育成を進めるための考え方を紹介します。

1.任せることを通じて成長を促す

人は、経験を通じて成長します。管理職が先回りして答えを示してしまうと、部下は考える機会を失ってしまいます。もちろん、丸投げは適切ではありませんが、難易度を調整しながら業務を任せ、節目で振り返りを行うことで、学びは深まります。「任せる」「見守る」「振り返る」を意識することが育成につながります。

2.フィードバックは具体的に伝える

育成には具体的なフィードバックが欠かせません。どの行動が良かったのか、何を改善すればさらに良くなるのかを具体的に伝えることで、部下は次の行動に活かすことができます。結果だけでなく、プロセスに目を向けることが重要です。

3.成長を支える姿勢を示す

管理職が部下の成長に関心を持ち、支援する姿勢を示すことで、部下は「ちゃんと見てくれているな」「支援されているな」と感覚を持ち、部下は安心して業務に取り組めます。そして、職場に「育てる文化」が根付くと、組織全体の力が高まります。

お悩み③ 業務改善が進まない理由と、現場を巻き込むステップ

業務改善の第一歩は、現状を正しく把握することです。どの作業に時間がかかっているのか、手戻りが多い業務は何かを整理し、チームで共有します。管理職が一方的に決めるのではなく、現場の声を聞くことで、納得感のある改善につながります。

変更への反発には理由がある

業務改善を進めようとすると、「今のやり方で問題ない」「余計に手間が増える」といった反発は必ず出ます。その多くは、変更の目的や効果が十分に伝わっていないことが原因です。改善案の企画段階からメンバーを巻き込み、「どうしたらできるか」を一緒に考えることで、納得感が生まれます。

改善は定着させてこそ意味がある

改善策を実行した後は、効果を確認し、必要に応じて調整します。良い取り組みはルール化し、誰が担当しても同じように進められる状態にすることが、管理職の重要な役割です。

お悩み④ 新任管理職が必ず押さえるべきリスク管理の基本と仕組みづくり

管理職が担うべき、もうひとつの大きな役割がリスク管理です。まずは、業務上起こり得るリスクを整理します。ミスやトラブルだけでなく、業務の属人化、引き継ぎ不足、判断基準の不統一なども重要なリスクです。日々のヒヤリハットや過去の事例を共有することで、リスクに対する意識が高まります。

ルールと判断基準を明確にする

リスクを減らすためには、誰が見ても分かるルールや判断基準を整備することが欠かせません。特に判断に迷いやすい業務や、影響範囲の大きい業務については、事前に対応方針を決めておくことが重要です。管理職は、ルールが形骸化しないよう定期的に見直します。

情報共有と報告の仕組みを整える

リスクの多くは、情報共有の不足から発生します。進捗報告や相談がしやすい雰囲気をつくり、問題が小さいうちに共有される仕組みを整えることが重要です。管理職が率先して情報を開示し、報告を歓迎する姿勢を示すことで、リスクの早期発見につながります。

まとめ~新任管理職が役割を理解し、チームを動かすために必要なこと

新任管理職は多くの悩みに直面しますが、役割を整理し、基本を押さえることでチームは動きやすくなります。チーム運営、育成、改善、リスク管理の4つを意識し、できることから取り組むことで、成果につながる環境を整えられます。明日から一つずつ実践し、チームが成長できる状態をつくってください。

段取り研修~管理職としての基本的マネジメントスキルを理解する

管理職に求められる役割を、上司・部下の視点から改めて認識します。

そのうえで、成果をあげる管理職に必要な3つのマネジメントスキル「①部下指導・育成力、②業務管理力(推進・改善)、③リスク管理力」を習得していただきます。

管理職にとって必要な「段取り」とは?

組織を維持・拡大し、業務改善及びその支援をするために必要なもの。「部下育成・指導」「業務改善」「目標管理」「リスク管理」の4つの能力から構成される

<ワークのポイント>

  1. 上司と部下それぞれの視点で、中間に位置するご自身について考えることから、今、ご自身に求められていることを認識する
  2. 部下のほめ方、言いにくいことの言い換え方をトレーニングし、部下から信頼を得る効果的な指導方法を習得する
  3. 組織における改善対象を取り上げ、具体的な改善計画を立てる
  4. 管理職としての「リスク」の考え方を学び、想定できるリスクを洗い出し、顕在化させないための対策を考える

本研修のゴール

  1. 求められる役割への認識強化
  2. 部下育成~具体的な「ほめ方」「叱り方」などの指導方法
  3. 業務改善~組織の改善対象を具体的な行動計画書に落とし込む
  4. リスク管理~「起こり得る可能性」と「影響度」からリスクの優先順位をつけ、対策を考える

よくあるお悩み・ニーズ

  • 管理職業務をしていく上で、マネジメントの考え方や手法を一から学びたい
  • 管理する立場から上司や部下とのコミュニケーションの取り方を知りたい
  • 目標管理やリスクマネジメントの具体的なポイントが分からない

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セットでおすすめの研修・サービス

部下とのコミュニケーション実践研修~多様化する部下への関わり方

部下との円滑なコミュニケーションの取り方を学んでいただきます。

部下に対する関心を強く持ち、積極的に関与することがコミュニケーションを機能させる最大のポイントであることを理解いただき、上司としてどのように対応すべきかを実践的に学んでいただきます。

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管理職向け従業員エンゲージメント向上研修~働きがいのある職場づくりでチームの活性化をはかる

チームの活性、生産性向上、ひいては離職防止への一手として「従業員エンゲージメント※」が注目されています。

本研修では管理職のみなさまに、部下のエンゲージメント向上の3つのポイントと具体的な方法をお伝えします。働きがいのある職場をつくり、チームの活性化を目指します。

<エンゲージメント向上を実現する3つのポイント>

  1. 風通し:信頼関係から生まれる安心感
  2. 見通し:前向きなキャリア(人生)の想定ができるか
  3. 一体感:個の成長と組織の発展が連動している実感

※従業員エンゲージメント:働く人が幸せで、会社に愛着を持ち、成果をあげて組織に貢献しようとする自発的な意欲

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新任管理職研修~自信を持ってマネジメントを始める編

本研修は、新任管理職としての仕事の始め方を具体的に知り、役割を遂行するために必要なスキルを習得し、3ヶ月後に大きな成果を発揮していただくための研修です。

  1. 新任管理職としてやるべきことが分かる
    昇格した以上、優秀な管理職であると思われたいもの。管理職として求められていることを知り、研修を通じて役割を遂行するための行動、計画の立て方、準備の仕方が分かります。
  2. 新任管理職として防ぐべきことが分かる
    新任管理職であっても業務上、トラブル、事故が発生すれば管理責任を問われます。リスク事項を知り、その上で、研修を通じて事前対策の立て方を学びます。

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