予算と時間をかけないメンタルヘルス対策~「小さな職場環境改善」で離職防止とストレス軽減を実現する方法
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組織にとって、従業員のメンタルヘルスや働きやすい職場づくりは避けて通れない課題です。若手の離職や業務量の増加によるストレスが深刻化し、早急な対策が求められています。
メンタルヘルス不調を未然に防ぐためには、個々人へのケアだけでなく、業務量や人間関係、職場風土など、組織全体に目を向けた取り組みが重要です。
しかし「職場環境改善」と聞くと、次のような課題を抱えているという声を伺います。
- 大掛かりなもの、予算がかかる取り組みを想像してしまう
- 忙しい現場ほど着手できず、計画倒れになってしまう
- 管理職層の理解や知識が不足していて、改善施策の立案もままならない
このように、改善の一歩を踏み出すまでの課題が多いというお悩みも伺います。
実は「職場環境改善」の中には、コストをかけることなくできる簡単な取り組みがたくさんあります。今回は、実践しやすい「小さな職場改善」についてご紹介します。
予算をかけずに実践できる・継続できる「小さな職場改善」
メンタルヘルス対策として有効なのが、ストレスチェックの結果を活かした職場環境改善です。
ストレスチェックは、個人のストレス状態を把握するだけでなく、集団分析を行うことで、部署や職種ごとの負荷の偏り、人間関係、業務量といった「職場の傾向」を可視化できます。これにより、感覚や経験に頼るのではなく、データに基づいた改善ポイントの整理が可能になります。
参考:厚生労働省│令和6年 労働安全衛生調査(実態調査)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/r06-46-50b.html(最終アクセス:2026/1/23)
「令和6年 労働安全衛生調査(実態調査)」によると、ストレスチェックを実施した事業所のうち約75.4%の事業所にて集団分析の実施まで行っています。また、そのうち約76.8%の事業所にて、その結果を活用して業務配分の見直しや人員体制の見直し、職場の物理的環境の見直しなど、ストレス要因の改善を試みているという報告が出ています。
しかし実際には、事業所規模が小さくなるにつれて、その実施割合は徐々に下がる傾向があります。中、小規模組織ではストレスチェック担当人員や予算の制約から、ストレスチェック後の改善活動まで手が回らないケースも少なくありません。
そんな状況でこそトライしていただきたいのが、「小さな職場改善を継続すること」です。設備投資を伴う施策は難しくても、下記のようにルールを決めるだけで実行に移せて、無理なく継続できる取組みもあります。集団分析の結果に基づいて実施することで、より高い効果が期待できます。
1.作業環境を見直す
- 当番制で換気係を決めて適度に換気を行う
- 冷暖房の温度設定の見直しや、冷暖房の当たる位置を確認し、必要に応じて席替えする
- 月に1回、チーム全員でデスクや共有部分の片付け、書類の整理・処分をする
- 共用の文房具や書類の位置を決め、誰が使用しても元の位置に戻せる「定位置写真」を貼る
2.運動習慣を取り入れる
- 朝礼後にラジオ体操を行う
- 15時など決まった時間に数分のストレッチタイムを設けて、全員で行う
3.職場内でのコミュニケーションを促す
- 従業員間で感謝を伝え合う「感謝カード」を用意し、見えるところに掲示する
- 個人目標を明確にするための「成長シート」を準備し、上司との面談で活用する
こうした取り組みは、予算をかけずにすぐに実施できる割に、高いリフレッシュ効果を得られたり、職場の雰囲気が改善し、働きやすさが高まる可能性があります。
「小さな職場改善」で現れる3つの変化~疲労軽減・欠勤減少・業務効率向上
こうした取り組みを実際に実践した組織では、下記のような良い変化が表れやすくなります。
- 例1:繁忙時間帯を共有する朝のミーティングや、短時間のストレッチを習慣化したところ「以前より疲れにくくなった」「声をかけ合いやすくなった」といった変化が現場で実感されるようになった。
- 例2:短時間の体操や「集中タイム」設定といった、現場の負荷が少ない施策を実行。体調不良による欠勤が減り、集中力向上や業務効率改善を感じる従業員が増えた。
- 例3:窓口業務で「同じような質問が多い」という課題を元に、来訪者向け資料にイラストや写真を添えたり、文字のポイント数を上げたりして、目が行きやすく、理解しやすいものにリニューアルした。問合せの減少や、対応時間の短縮につながった。
職場環境改善で重要なのは「小さく、続けられること」です。やってみたら前より会話がしやすくなった、探し物が減った、確認の回数が減ったなど、「小さな手ごたえ」を皆で共有できることが大切です。
施策は人事部主体に限らず、従業員アンケートや管理職ミーティングを通じて現場の声を取り入れることで主体性が生まれ、改善活動への意欲が湧きやすくなります。こうした積み重ねが、メンタルヘルス対策や職場の生産性向上につながります。
インソースのストレスチェック後の職場改善プログラム
インソースでは、このような、身近で、かつ継続可能な職場環境改善案を考えるプログラムをご用意しています。
管理職向け研修や、メンタルヘルス研修など、さまざまな研修教育コンテンツを持つインソースのノウハウを詰め込み、より「自分事」として捉え、実践できる改善案を起案していただけるようになります。
「現場発」の職場環境改善施策が見つかる!職場環境改善プログラムのポイント
- 1回あたり3時間程度と短時間ながら、座学とワーク、事例紹介が盛り込まれていて、集中力を切らさずに受講できます
- 講師派遣/オンライン実施どちらにも対応
他部署との交流にもなる集合型での実施や、時間や拠点の都合で難しい場合はオンライン実施など、柔軟に対応します - 管理職層が、自所属の集団分析結果を見ながら講義が進みます
漠然とした解説ではなく、自所属の結果と向き合いながら、自所属でできる具体的な改善施策を考えられます
このプログラムは、官公庁、自治体、教育委員会、民間企業にて多数の実施実績がございます。ストレスチェック運用支援実績が豊富なインソースだからこそ、お客さまが抱える課題に寄り添い、解決策をご提案できます。
毎年の「経年比較」で「小さな職場改善」の有効性を確かめる
また、実行した施策に効果があったのかを確かめるために、ストレスチェックの「経年比較」を行うのも良いでしょう。もし改善が見られた項目があれば、それが従業員自身や部署にとって、馴染みやすいアクションだったということがわかります。ストレス改善の成果が視覚化できると「小さな職場改善」のモチベーション維持につながりますので、ぜひ経年比較も試してみてください。
セットでおすすめの研修・サービス
ストレスチェック後の経年比較(前年度との比較)
インソースは、個人分析、集団分析いずれの場合も経年比較を行うオプションサービスがございます。前年度が他社実施の場合でも、個人結果データを提供いただければ分析することが可能です。
さらに、分析結果を次年度の施策に反映しやすいよう運用面のサポートも行い、継続的な改善につながる仕組みづくりを支援します。
インソースの「ストレスチェック」が支援できること
eラーニングシステム「Leaf」を活用したストレスチェックサービスでは、従業員が安心して回答できる仕組みを整えつつ、ストレスチェックの実施から結果の集計・分析までを一括でサポートします。
集団分析の結果を基に、職場改善施策の提案やフォロー施策の実施が可能で、高ストレス者への産業医面談や全従業員向けのセルフケア支援も提供します。さらに、管理職や人事が組織全体の健康リスクを把握できるよう結果を可視化し、事前説明会や運用支援サービスも併せて提供することで、制度導入を全面的にサポートします。
当社では、ご紹介したプレゼンティーズム、ワークエンゲージメント計測もお任せいただけますので、健康経営優良法人の認定を目指している方は、ぜひインソースにご相談ください。
(半日研修)(管理職向け)ストレスチェックフォロー研修 ~ストレスチェック後の職場改善プログラム
ストレスチェックの結果から、自組織のストレス状況をチェックするための「集団分析」を行い、職場環境の改善に活かしていただくためのプロセスを学ぶプログラムです。
具体的には、自組織のストレス状況における要因を「仕事の量的負担」、「仕事のコントロール(裁量権または自由度)」、「職場の支援」の3つの軸から分析し、管理職として、高リスクのストレス要因を解決するための考え方を学んでいただきます。そのうえで、演習を通じて具体的な職場改善策を考え、現場での実践につなげていただきます。
ストレスチェック実施後、「分析結果の見方がわからない」、「改善の仕方がわからない」などのお悩みを解決し、具体的なアクションをおこすためのサポートをいたします。





