デジタル時代に求められる接客力~CS向上と差別化の鍵は「人」による接客
ECサイトなど、非対面・セルフ型のサービスが当たり前になった今、顧客は「効率」を得た代わりに「心地よさ」や「安心感」を感じにくくなっています。こうした中で改めて注目されているのが、接客の持つ「人の力」です。情報やモノが簡単に手に入るからこそ、「誰に、どのように対応されて購入したか」が顧客体験の満足度を大きく左右します。
便利すぎる時代にこそ、人による接客がCS向上と差別化につながる
どれだけ注文がスムーズに進んでも、受け取りの際に無愛想な態度や雑な応対をされると、「便利だけど、もう使いたくない」と感じる人も少なくありません。対面の質が低ければ、すべての体験の印象が台無しになるのです。デジタル化が進んで整った導線の"最後の一手"をどう仕上げるかが、接客の大きな価値になっています。
たとえば、家電量販店の店舗受取など、非対面で完結できるサービスでも、店頭での人による一言や表情が「また来たい」と思わせるポイントになります。顧客体験を「完成」させるには、最後に「人の手」が加わることが欠かせません。
企業にとっても、デジタル化によって効率を上げつつ、顧客ごとの対応(=「個客」対応)を接客で補うことがCS(顧客満足)向上の鍵になります。デジタルと人の力のバランスを見極めることが、これからのサービス設計に欠かせない視点です。
ミニマムな接客こそ、質が問われる
顧客が「できるだけ短時間で済ませたい」と考えるケースは年々増えています。ネット注文・店頭受取・非接触決済といったフローが浸透する中、接客の出番が減ったように見えて、実は短い接触にこそ"質の差"が出る時代に入っています。
たとえば、店頭では採寸だけを行い、あとはすべてオンラインで完結。そんな店舗での接客でも、短時間の対話や対応のスマートさが「またこの店を使いたい」と思わせる決定打になります。商品説明を要点だけで済ませたり、顧客のニーズを先回りして行動したりと、「引き算の接客」で印象を残す工夫が必要です。
接客スタッフは「一瞬で伝える・察する・動く」力を求められています。対面の時間が短くなるからこそ、「プロの接客」の力が試されるのです。
人にしかできない体験が、選ばれる理由になる
一方で、「わざわざ行きたい」と思われる接客体験も確実に存在します。オーダーメイドの紳士服店や高級車ディーラーでは、顧客との丁寧な対話や名前での呼びかけなど、人だからこそ提供できる価値が際立っています。ここでは、サービスそのものよりも「体験」が商品と言えるほど、接客の存在が大きな意味を持ちます。
近年は「価値観を共有する場」としての接客も注目されています。常連との関係性、クラウドファンディングでの支援、企業と顧客が共創するイベント─こうした体験が、単なる取引を超えた「感情的なつながり」を生み出しています。接客が「共感」や「信頼」を築く場になっているのです。
顧客ごとに接客スタイルを使い分ける柔軟さ、そして現場での判断力が問われる今、対面接客の役割はますます重要になっています。どんな接客が「その顧客にとって最良か」を見極める力こそ、現代の対面力なのです。
EC時代の接遇力向上研修~「対面」ならではの価値を提供する
デジタル化の進展とともに、顧客ニーズが多様化し、接客サービスのあり方が変わってきています。本研修では、それらの変化に対応した各企業の取り組みをもとに、自社で提供できる付加価値や改善すべきサービスを考えます。
店舗の特性ごとに接客に求められる役割や立場について議論し、これからの時代、いかにして他社と差別化をはかりCS向上を実現していくか、見出していただきます。顧客体験の最後の決め手となる対面接客について、本研修でぜひ最適解を習得ください。
よくあるお悩み・ニーズ
- 時代の変化に自社のお客さま対応が追いついていないと感じる
- デジタル化を進めるだけでなく、接客サービスを見直したい
研修のゴール
- デジタル化のメリットと課題を再認識する
- 他社事例を参考に、自社で力を入れるべきサービスや価値提供を考えられる
セットでおすすめの研修・サービス
CSリーダー研修~組織全体で顧客満足を推進する
CSの向上は、業務の最優先課題です。まずはリーダーとしての役割を認識していただきます。そして、CSのポイントを学んだ上で、CSを推進していくためのチームワーク発揮のコミュニケーションスキルと、部下・後輩の育成のスキルを身につけていただきます。
CS(顧客満足度)調査サービス
インソースのCS(顧客満足度)調査サービスでは、店舗や支店の電話応対、接客応対をスコア化したうえで、人材育成や店舗の業務改善へと活かすご支援をいたします。人材育成では、接客のプロ講師による研修で、一人ひとりの接客スキル向上や店舗の課題解決を目指します。