腹痛・発熱時に迷わない!飲食店スタッフが知っておくべき「体調不良を伝える」ための具体例

「今日はお腹が痛くて動けない」「熱が出てしまった」といった状況で、飲食店で働くスタッフは連絡をためらうことがあります。
「迷惑をかける」「怒られそう」「上手に状況を伝える言葉が分からない」と感じ、黙ってしまうことも少なくありません。しかし、無理な出勤は自分の体調をさらに悪化させるだけでなく、勤め先の衛生上の危険も高めます。
本記事では、スタッフ目線ですぐに使える例文や失敗しにくい伝え方、店長たちが動いているシフト代替の流れと、安心して報告できる職場文化までを具体的に解説します。
なぜ体調不良を伝えにくいのか~罪悪感・怒られ不安・言葉選びの迷い
- 代わりに困る人を想像してしまう
「自分が休んだら誰かが大変になる」と思うあまり、連絡をためらうことがあります。真面目で責任感が強い人ほど、この罪悪感は強くなります。 - 怒られる不安
過去に欠勤で注意された経験や、職場の雰囲気が厳しいと「また休むのか」と思われるのではないかと不安になりやすいです。 - 伝え方に迷う
「腹痛」とだけ言えばよいのか、生理痛と伝えてもいいのか、どの程度詳細に説明すべきか悩むスタッフは多いです。
無理な出勤は食材汚染や感染リスクに直結~体調不良時は必ず休むべき理由
飲食店での体調不良は単なる個人の問題ではおさまりません。下痢や嘔吐は食材汚染につながり、発熱や咳は感染リスクを高めます。体調不良時の出勤は、衛生上・法的にも大きなリスクとなる場合があります。体調不良を正直に伝えることは、店舗とお客さまの安全を守る行動です。
迷惑をかけずに欠勤を伝える連絡の仕方~相手目線で事実を話す
すぐに使える緊急連絡テンプレート
短いあいさつ+名乗り+お詫び+短い状況報告+勤務ができない+休みたいことの順に、シンプルに伝えましょう。
【良い例】
「おはようございます、○○です。今朝から腹痛がひどく動けず、本日遅番の予定ですが勤務が難しそうで、お休みをいただきたいです。」
【悪い例】
「ちょっと体調悪くて...行けるか微妙です」「体調悪いかもで...様子見ます」
かもしれない、多分、おそらくといった自分の意見や推測ではなく、「現在の事実」を明確に伝えるように心がけましょう。
また、欠勤することに了承をもらえたら、「ご迷惑をおかけして申し訳ありません、ありがとうございます」と伝え、終話します。
店長は詳細を知りたいだけ~衛生・営業に必要な情報を報告
リーダーや店長から、もう少し詳細に状況を教えてほしい、と言われることもあります。ずる休みをしようとしているのではないかと疑っているわけではありません。
例えば店の食材に食中毒を引き起こすものがあったのではないか、全回同じシフトに入っていた他のメンバーにも同様の症状を訴えるメンバーが発生するのではないか、今から追加の調理器具の煮沸消毒、フロア除菌が必要なのではないかという営業に影響を及ぼすものかの判断やその範囲、関連する段取りに必要な情報を把握しておきたいのです。
【詳しく聞かれることのある事項】
- いつからその症状が現れているか
- 熱はどれくらい出ているのか、下痢をしているか
- どの程度の時間継続しているか、強さや頻度など
時間帯別対応、深夜シフトの場合はどうするか?連絡ルールに則る
深夜シフトや早朝勤務では、連絡ルールが限定される場合があります。ランチタイムやディナータイムなど繁忙時間は電話がつながりにくいこともあります。オペレーションの状況や店舗責任者が不在の場合はどうしたらいいのかを、普段の勤務時に質問しておくなどして、緊急時に困らないように準備しておくとよいでしょう。
- 勤務開始前に早めに連絡
- 規定時間外でも緊急連絡として電話やメッセージで伝える
- バックアップ手段(電話+アプリケーションツール)を知っておく
店長が代替スタッフを手配~あなたは体調回復と連絡に専念
欠勤時はこの順序でシフトを代替~現場を止めずに回す仕組み
スタッフが一人欠勤することになったとき、代替調整がどう行われるかを以下に示します。
- スタッフAが欠勤連絡をする
- 責任者(店長・シフト管理者)が代替要員リストを確認
- 候補スタッフに出勤可能か確認連絡
- 出勤可能なスタッフBが決定 → シフト調整、新シフトで営業
- スタッフAが復調次第、出勤可能日を責任者に報告
この流れを知っておけば、「自分の穴をどうやって埋めたらいいんだろう」と思わずに済みます。代わりにシフトに入るスタッフを探すのは店舗責任者で、欠勤者がすべきことは体調を回復させるように努めること、求められる必要な連絡を都度することです。
復調し、また勤務に入ることができたら、改めて職場に負担をかけたことへのお詫びと、シフトを代わってくれたメンバーへの御礼と感謝を伝えます。
報告がしやすい職場作りはチーム全員の役割
たとえ店長であっても、体調不良になることはあります。普段から店舗責任者がやっている衛生管理の取り組みや円滑なオペレーションの一部は、アルバイトスタッフでも実践できます。チームワークを発揮しやすい職場づくりに協力しましょう。
- 洗浄・消毒・加熱時間等のルールを守る:食品や店舗を清潔に保つのは業務の基本
- 日報・体調ログ共有:勤務前に軽い体調状況を共有する時間を作る
- 欠勤連絡フォーマット配布:例文を定型化して迷わず伝えられるようにする
- ポジティブなフィードバック:「報告してくれてありがとう」「お互い様だよね」など感謝や思いやりの言葉をかけることを習慣にする
- クロストレーニング:誰でも複数の業務を代替できるように、ローテーションを組んで経験値を積む
まとめ~「体調不良時は無理せず連絡」で責任ある行動を
腹痛や発熱時に無理して出勤することは、自分にも店舗にもリスクがあります。短く明確に「出勤できない」と伝え、例文やNG例、シフト代替の流れを理解することで不安は軽減されます。
体調不良を正直に報告することは、迷惑ではなく責任ある行動です。職場全体でこういった報告を前向きに受け入れる文化を育てることが、スタッフが安心して働ける環境づくりの第一歩です。
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- モラルとは何かを理解する
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