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怒りMAXからの引き継ぎでも崩れない~クレームの2次対応者が身につけたい4つの立て直し技法

クレームの2次対応に呼ばれた瞬間、重い気持ちになることがありませんか。お客さまの怒りが収まらず、1次対応でこじれた状況を立て直すのは容易ではありません。

ただし、2次対応は経験や気合だけで乗り切るものではなく、適切な対応方法を理解し、再現性のあるプロセスとして習得することで、負担を大きく減らすことができます。ここでは、2次対応を難しいと感じる理由を整理し、どんな場面でも落ち着いて対話を立て直すためのヒントをまとめています。

なぜ、クレームの2次対応は難しいのか~共通する構造

2次対応が難しくなる背景には、いくつかの共通する構造があります。

まず、お客さまの怒りがすでに高い状態で引き継ぐことが多く、最初の数分で信頼を回復することが求められます。また、お客さまは「話を聞いてもらえなかった」「軽く扱われた」という不満を抱えていることが多く、感情の受け止めと事実確認を同時に進める必要が生じます。さらに、1次対応との齟齬があると、説明を一からやり直し、関係を再構築する手間も発生します。

これらが重なると、2次対応者は心理的にも実務的にも難しさを感じます。

落ち着いて2次対応するための4ステップ

1.最初の3分で行う「怒りの受け止め」と温度調整

お客さまの怒りが収まらない時は、事実説明よりも前に温度感を合わせることが鍵になります。「ご不快な思いをされたこと」「何度も説明する負担があること」を丁寧に受け止めることで、お客さまは対話の姿勢を取り戻しやすくなります。ここで焦って解決策に飛びつくと、再び不信感を生むため、あくまで前提づくりとしての3分を大切にします。

2.1次対応からの情報を「整理し直す」プロセス

こじれた対応では、お客さまの主訴と事実が混在した状態で引き継がれることが少なくありません。2次対応の最初のタスクは、1次対応の記録を基に「事実の棚卸し」を行い、何が認識のズレにつながったかを理解することです。そのうえで、お客さまには確認しやすい順序で事実を提示し、双方の認識を揃えていきます。丁寧な構造化は、落ち着いた対話の土台になります。

3.「お願い」と「お約束」の線引きを明確にする

2次対応では、お客さまの要望をそのまま受け入れにくい場面も多くあります。ここで重要なのは、できることとできないことを曖昧にしないことです。代替案や別の補償方法など、組織として提供可能な選択肢を示し、誠実に説明することで、対立を避けながら着地点を探す姿勢が伝わります。

4.収束に向けての「次の一手」を提示する

お客さまは、2次対応者の言葉に「これで終わりにできる目途が立つか」を求めています。そのため、対応後の流れを明確に案内することが大切です。調査が必要な場合は期限を示し、即時対応できる内容はその場で実行し、解決の見通しを具体的に共有することで、安心感を生みます。

2次対応者は再現性のある対応スタイルを身に着ける

2次対応はどうしても経験に依存しやすく、状況ごとの判断が個人の勘に寄ってしまう場面があります。だからこそ日々の実務の中で自分の対応を振り返り、強みと課題を言語化することが大切です。

たとえば、怒りを受け止める場面が苦手であれば「最初の一言を固定する」「沈黙を恐れず、間を置く」など、行動レベルの工夫ができます。事実整理が得意であれば、そのスキルを周囲と共有することで、1次対応の混乱を減らすことにもつながります。

組織全体の対応を揃えることももちろん有効ですが、まずは個人としてできる工夫を積み重ねることで、再現性のある対応スタイルが身につきます。結果として、2次対応に呼ばれた際の心理的負担が軽くなり、落ち着いて場を整えられるようになります。日々の業務の中で一つずつ行動を整えることで、2次対応の負担は確実に軽くなっていくはずです。

リーダーのためのクレーム対応研修~顧客の信頼を回復するための2次対応スキル

本研修は、クレーム2次対応の基本的な対応手順を理解するとともに、1次対応で失ってしまったお客さまの信頼を回復するための対応のポイントを学びます。

お客さまのお申し出に対応し、納得していただいたうえで、改めてファンになっていただける対応を目指します。ケーススタディやロールプレイングをふんだんに盛り込んだ実践重視のプログラムです。

よくあるお悩み・ニーズ

  • 2次対応の経験があまりないので、基本を学びたい
  • 感情的になっているお客さまを鎮める上手な対応方法のポイントを知りたい
  • 3次クレームを引き起こさないよう、お客さまに満足していただける対応方法を身につけたい

本研修の目標

  • 2次クレームが発生する背景や、対応の難しさの要因を理解する
  • クレーム対応の基本手順、2次対応の基本手順を理解する
  • お客さまの真のニーズを拾い上げ、問題を解決するクロージング方法がわかる
  • クレームを再発させない組織づくりのポイントがわかる

対象者

  • 1次対応者がこじらせてしまったクレームの2次対応を担当される上司の方
  • クレーム2次対応の質を向上させたい方

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セットでおすすめの研修・サービス

クレーム対応研修~臨機応変なコミュニケーションでリスクを低減する

クレーム対応において、顧客の期待水準を下回っている状態でさらに不適切な対応を行うと、顧客離反や問題の泥沼化、SNSでの拡散によるブランド毀損に繋がります。

本研修では、クレーム対応の準備に焦点を当てて、プレッシャーを感じてしまいがちな厳しい場面を想定してスムーズにお客さまの意向や要望を汲んだ対応ができるようになることを目指します。

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悪質クレーム対応研修~招かれざるお客さま・カスハラへの対応の仕方(管理職・責任者向け)

本研修は、クレームのうち、その実態が「問題の解決」を求めるものではないため、顧客としての見切りをつけることも含めた対応が必要なレベルに該当するものを対象としています。

「自社に損害を与え得る人」として相手を認識し、リスクマネジメントの観点でいかに対応方針を切り替えて行動するかを主題としています。

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CX(カスタマーエクスペリエンス)向上研修~顧客満足から感動体験へ

商品・サービス自体の価値では競合他社との差別化が困難になる中、どのように「顧客体験価値(CX)」を向上させ、感動体験を届けていくのか注目が集まっています。

本研修では、感動体験を届けるための鍵を握る接客業の方を対象に、CXを向上させるためのポイントをお伝えし、接客のさらなるレベルアップを図っていただきます。

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